善然庵閑話:副鼻腔炎

あまり公表するような話でもありませんが、一ヶ月前くらいに風邪を引き、一週間くらいで直ったと思ったら、その後一週間は鼻だけおかしくて、鼻がおかしいだけに花見のしすぎかと思っておりましたところ、過去に経験のない頭痛。

これは絶対に脳に来た。最近いろいろ気を遣ったり考え事をし過ぎて脳になにか起きたに違いない。そう思い、脳外科に行こうかとも思いましたが、脳外科に初診に来られる患者の95%は脳には関係ない病気だと、とあるお医者さんに伺ったことがある。ので、最初から行って恥ずかしいことになるのは御免蒙りたいので、とりあえず耳鼻科に行きました。

医師は我が豚児の同級生のお父さん。あまり恥ずかしいことにならないようにと祈っていましたところ、レントゲン⇒CTをとり、緊張の一瞬。

遠藤周作が昔、狐狸庵閑話(こりゃあかんわ)シリーズに、仕事のし過ぎか何かで目を痛め、臆病が故に目の重い病気だと疑い、癌だろうと疑い、でも眼の癌だとガンガンか、そんな変な名前がもし病名にあるなら医者はセンスがない、などと妙な心配をしつつも、真剣になればなるほど滑稽に写る事があると書いておられたことを事を思い出しながら、嗚呼、緊張するときには実にくだらないことしか思いつかないものだと悟ったところで、私の診断が下されました。

頭のど真ん中に膿がたまっています、副鼻腔炎です、と。意外な返事に拍子抜け。しかし、副鼻腔炎は、昔はものすごい大手術だったらしく、最近でも10日くらいは入院しないといけないと聞いたことがある。10日と言えば、今の私にはほぼ絶望的な日数。大変なことになりはしないかと案じておりましたところ、先生からは、薬で治りますよ〜、と、これまた意外な診断結果でした。

大学のころ、試験期間になると、大学の近くにあった祖母の家に転がり込んでは祖母に甘えていましたが、風邪を引くと近所の藤田耳鼻科という病院に行っていました。杉浦先生とおっしゃる方ですが、石原都知事の主治医らしく、石原慎太郎の巻頭言を頂く先生の著書が堂々と院内に山積みに売られていたのを記憶しています。

「生命のアナ」というタイトルですが、耳・鼻・咽喉などのアナは、病の玄関である、と。それこそアナだけにアナどるな、と書いてあった。で、ポイントは何かと言えば、それらのアナが詰まれば、頭の回転が悪くなり、仕事の能率が低くなり、体の反応も鈍くなるとのこと。

最近どうも頭の回転が悪くなってきたと思っていましたが、どうやら私の場合は副鼻腔炎が原因のようでした。今では薬も利き大分よくなってきました。なお、今回の文章が冴えないのは未だ完治していないからです。

日本のど真中にも膿が溜まっています。早く治療しないといけないと改めて思っています。