むだ?

新政府のもと、予算の適正配分と執行が成されているかを確認するための事業仕分けが行われ、先般完了したようです。

税金が、各省庁ごとにどのような事業に使われているのか、を浮き彫りにするという意味では非常に意味のあることですし、非常に悲観的に言っても、マスコミが事業内容を取り上げているということには、絶対に意味があったものだと理解しております。

しかし、問題はその内容です。究極的に言えば、ムダとはなんぞや、ということです。

特に分かりやすい例を挙げれば、科学技術の分野(例えばスパコン)での拙速な事業仕分けによる問題です。特に基礎研究と言えばご理解いただけると思いますが、研究などという分野は「むだ」と言えば究極の「むだ」です。しかし、むだを出しているから、そのむだの中から、ピリッと光る成果が時々でてくるのです。

また、外交安全保障上でも驚くべき判断が下されています。例えば、PKO訓練センターの建設。これは箱物と言われればまさにその通りですが、実はPKO訓練センターはアジア圏にはありません。安全保障上の国際協力という観点から言えば、まさにハブを担えるようなセンターの建設なのです。これは個人的には東アジア共同体や、地域ブロック化、あるいは種々の外交交渉上必ず有益なものになるはずです。これを、単に「箱物」だから、「コンクリート」だからと切って捨てていたのでは、到底戦略などはでてくるはずがありません。

立花隆氏が、東京大学での講演のなかで、「日本を潰す気か」と痛烈に批判したのは、全く同感です。素人が素人感覚でムダかムダでないかを肌感覚で判断するのは、極めて危険であると思います。多数種々ご議論いただいた上で判断いただきたいものです。

カテゴリー: オピニオン, 科学技術・エネルギ タグ: , この記事のURL