アジア通貨基金とアジア外交

97年にアジア金融危機がおこった際、残念だったのが日本が助けてあげられなかったことではないでしょうか。隣の家が燃えていたけど水を貸し出さなかったから自分の家も焦げてしまった。そこまで言わないでも、近所の人が自治会を作って互助していれば焼けたり焦げたりした家が少なかったはずです。当時は、海を渡った隣の自治会(欧米)からおカネを借りて、その代わり妙な条件(緊縮財政)を付されて困り果てた上に、隣の自治会に対するアレルギが増えたというようなものです。

アジアで自治会を作りましょうというのが、その後にできたチェンマイイニシアティヴ。今回、与謝野さんがASEAN+3会議に出席し、ASEAN+3諸国とともにアジア通貨危機が発生した場合の外貨融資額を1200億ドルに増額するとの発表がありました。

昨年10月には、同ASEAN+3首脳会談で、チェンマイイニシアティヴをアップグレードしたアジア通貨基金を今年6月までに創設することが概ね決められました(ASEAN+3独自に監視機構も作りましょうという話も決まっています)。

アジアの国際政治を考えると、前回のニュースで少し触れましたが、日本があまりしゃしゃりでると、中国から不審がられ、日中があまり仲良くしすぎるとASEANから不審がられる(ASEANにとって日本は中国とのカウンタバランス)、アジアでかたまり過ぎると欧米から嫌われる(IMFとのからみ)、という状況のなか、アジア通貨基金が創設されるというのは、結構画期的だと私は感じています。

と言うのも、東アジア共同体構想を考えれば、アジア通貨基金と言うのは基本中の基本だと感じるからです。そして金融部門はアジア開発銀行を筆頭に、アジアで日本がイニシアティヴを取れる分野だからです。

一方で、ASEANとしては、中国と日本を微妙な緊張の上において置き、上手く資金を調達してやろうという考えもできなくはないと思っています。あまり深く考える必要もないかもしれませんが、「うまくしてやられない」ように、アジアの相互発展を考え、粛々と冷静にアジア外交を進めていくべきです。

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