STAP細胞と科学技術政策

初当選以来、いくつかのテーマに注力してきましたが、科学技術政策もその一つです。STAP細胞の発表は、私が注力していた政策の遂行上非常に好都合でありましたが、不正の疑義が奉じられてから非常に難航するようになりました。そんな意味で非常に残念でしたし、また注目している案件です。本日、小保方さんが記者会見を行いました。そこでこの問題について想うところを記しておきたいと思います。

第一に、最大の問題は、STAP細胞があるのかどうか。これだけ注目を集めているわけですので、あると主張するのであれば、客観的管理のもとで再度実験を行って説得力のある客観的データを示すべきです。

第二に、不正であったのかどうか。所属元の理化学研究所が既に一部に不正があったと発表したわけですが、研究者とのやり取りがまったく感じられません。本来であれば、研究者自身が理化学研究所に再審査の請求を行い、慎重なやりとりのプロセスのなかで反論の論証を行い公表するべきです。

第三に、本来、論文の本質的なチェックは投稿先のNATUREという世界的権威の雑誌が担います。世界的権威の雑誌ですので当然査読(チェック)も最高レベルです。投稿のチェックは世界中の同業研究者によって行われます。つまり、彼らがどのような反応をこれからするのか、あるいはしないのか、注目すべきです。

第四に、これは本稿の最大の主張ですが、不正撲滅の取り組みのあり方についてです。不正が起きないように一生懸命管理のあり方や論文の書き方や研究記録の残し方を厳格化する努力はわからなくもないですし、最低限は研究者や所属が行うべきですが、本来あるべきは不正を行ったらそれだけ大きな制裁を受ける、という出口の部分の厳格化、厳罰化だと考えます。

例えは悪いかもしれませんが、飲酒運転という不正に対するに、警察官を増やして検問を増やして講習を何度もやるよりも、捕まって飲酒であれば100万円の罰金と免許取り消しとしたほうが、抑止力にはなるはずです。前者は、不正とは無関係の研究者の雑用を増やすばかりです。

なので、不正の疑義が生じた際の不正認定プロセスと基準の明確化、そして不正と認定された際の罰則の明確化と周知徹底が最大の課題であると認識しています。