現代版アレキサンドリア図書館の建設を!

決して図書館という箱物を作れといっているわけではありません。

カイロに次ぐエジプト第二の都市、アレキサンドリアは、ご存知アレキサンダー大王が遠征の際に自分の名前を冠した都市として建設されたものでした。紀元前3世紀のこと。それ以来、何世紀もの間、「文明世界の知的都市であり続けた」(フェルマーの最終定理:新潮文庫)。

以降の文明発達に大きな貢献をなしたのは、アレキサンドリアが多くの著名人を輩出したからですが、それは世界最大の図書館があったから。当時は多くの優秀な人材がアレキサンドリアを目指した。図書館という知識の集積と継承の場の大切さとその意味を理解していた人が為政者の中にいたということです。

クレオパトラもその一人。後に恋仲となるカエサルが、ローマから宿敵ポンペイウスを追ってエジプトに遠征した際、アレキサンドリアも戦禍を免れることなく大火災になり、図書館にあった何十万冊が消失したと言われています。

しかしクレオパトラは面白い。カエサルの死後、カエサルの部下で自分に気があったあったマルクス・アントニウスをけしかけて、当時第二の大図書館があったベルガモン(現トルコ近辺)に軍を送らせ、その大図書館何十万冊をすべてアレクサンドリアに移させクレオパトラへのプレゼントとさせた。

知の集積と継承がそれほどまでしても得なければならないと考えていた証左です。

お蔭で現在もアレクサンドリアは美しく発展した町です。凄いことだと思います。

そして、国家の発展、地域の発展の中心はどう考えても人材です。

科学技術に事業仕分け手法が適用されています。それはそれで結構ですが、成果が確実に求められるものと、成果は未知数ですが確実に知識の集積と継承、そしてそれが人材育成に繋がっているもの、に分けて考える必要があります。

後者の場合、成果が上がっているかいないかは本質ではありません。知識が集積され継承され人材が育っているかいないかが問題なのです。このままだと使い勝手の悪い科学技術予算を嫌い、優秀な科学者がどんどんと海外に流出してしまいます。それを無駄と言うならどうぞ。あばれてやるぅ〜。

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