クールジャパンについて

クールジャパンというと、マンガやコスプレを想像するかもしれませんが、ATカーニー日本代表の梅澤氏によると、日本の食文化の評価は結構高く、ミシュランでは3つ星レストランの数で東京が1位、関西が2位で3位のパリを凌駕しているとのこと。確かに、ロシアでも件の丸亀製麺が大流行りだそうで常に行列待ちだそうな。もちろん3つ星と比較すべきかどうかは分かりませんが、海外市場に浸透していることは確かです。また、婦人向け雑誌は中国でも大流行りだそうで、中国ファッション誌トップ5誌のうち、3誌が日系らしい。

クリエイティブ産業で日本が強みを持っているのは、文化と階級がリンクしておらず、A級でもB級でもフラットに楽しもうとする気質、海外コンテンツでも抵抗なく受け入れ加工編集して楽しもうとする受容性、そしてこうしたダイナミックな文化形成の結果として多種多様な文化が形成されるという多様性にあると梅澤氏は分析した上で、多様ということは規模の小さい経営主体が多いというロングテール産業は、 海外市場に進出するのに、人脈や流通や資金という面で大きなハードルがあるので、そこを解決しなければならないと指摘しています。

そしてその対策の具体的視点は、国内の関係者の目を海外に向けさせること、国内にクリエーターの聖地をつくること、など人材的な開発とともに、サプライチェーンで関連する企業が連携して進出すること、さらには業種横断で戦略的に進出することが重要だとしています。最後の点はなるほどと思わされます。例えば韓国は、韓流ドラマやKPOPのアイドルを先兵として海外に送り込んで韓国ブランドを構築した上で、全然関係ない家電や自動車の進出を加速していると言います。

あらゆる角度でクールジャパンを推進していきたいと思っています。

大平正芳先生について

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大平正芳。歴史上の総理経験者で最高の評価を受けている大政治家の一人です。同郷というだけで、私ごときが大平先生について書くことは遠慮すべきことなのかもしれませんが、今月末で地元観音寺にある大平正芳記念館が閉鎖されることになり、記念館への訪問を機に、恐れながら少しだけ触れてみたいと思います。

と思っていた矢先に、先日、近所の水利総代会にて、大平先生の当時の若手後援者であった方から、貴重なお話を賜りました。曰く、昔、大平正芳先生の選挙の応援に、吉田茂が上高野小学校(我が観音寺事務所の近く)までお越しになったそうな。そのとき、吉田茂が冒頭、「私は、”おおたいら”先生の応援に来た。天下を平らにしてくれる人だ」と。その言葉が未だに忘れられないとおっしゃっていました。

既に60年くらい前の話の筈。吉田茂という私にとって遥か彼方の歴史上の人物を急に身近に感じさせてくれた話ですが、それよりも、その時の話を克明に覚えている方がまだまだ地域にご健在だという事実、つまり大平正芳がまだまだ香川では生身の感覚としてあちらこちらに人々の心に残っているということに多少の驚きをもって誇らしく思うのです。そして実はこうしたエピソードはそれこそ地元にいれば毎日のように聞かされる話であったりします。

同郷人としてのではなく、大政治家としてのエピソードのうち、もっとも肌に伝わってきたものは、大平先生の後継として出馬され運輸大臣をされた森田一先生から伺ったものです。森田先生が大平先生の総理秘書官をされていたときのエピソードで、これについては過去にブログで触れましたので再掲は致しませんが、本当の政治とはどうあるべきなのかを深く深く考えさせるエピソードでした。 https://keitaro-ohno.com/?p=129

親父も大蔵省ということで多少の関係もあったようですが、私には泥臭いエピソードしか教えてくれていません。が、大平先生の温かく鋭い人間性をよく伝えてくれています。例えば、大平先生が蔵相時代、外遊にかばん持ちとして同行すると、両親のことばかり気にかけてくれるといった話であるとか、外遊中に通訳をすると、通訳者にも気を遣ってくれる話であるとか、または、親父に地元から知事選出馬の話が持ち上がると、それを実にうまくさばいた話であるとか、同郷政敵が入閣した際には幹事長として秀逸なコメントを発表した話などです。

改めて、大平記念館が閉鎖されます。残念なことではありますが、余計に大平先生の魂を語り継いでいかなければならないのだと思っています。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)に想う

一昨年初旬くらいから中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の話題を徐々に聴くようになり、現在、盛んに議論されています。アジアに対する融資機関にアジア開発銀行(ADB)というのがありますが、基本的には同じものです。なぜ中国がここ数年AIIBを言い出しているのかというと、アジアは今後インフラ需要が増えていくのにADBは投資基準が厳格すぎて使い勝手が悪いから、どんどん投融資できる機関をつくるのだ、と中国は言っています。

一昨年中国を訪問したときに中連部の某氏と議論になりました。私からは、否定はしないし協力できるところがあるならするけど、AIIBのコンセプトが不明瞭だ、ADBと相互補完になるのか、という投げかけをしました。当時、岸田大臣が何かの国際会議でAIIBについて少し否定的なコメントを出した直後だったので、大いに盛り上がりました(少し険悪にもなりましたが)。

このコンセプトの背景には、中国の一帯一路という戦略があります。今年の全人代でも話題になったキーワードですが、要はヨーロッパまで続く交易路の確保であって、陸路にあってはシルクロード経済ベルトと呼ばれるルート、海上にあっては21世紀海上シルクロードと呼ばれるルートを確保し、その経路の開発を中国主導で行い、東アジアとバルト海を結んで、東アジア・中央アジア・中東の経路を確保し、巨大市場を睨もうとするもの。

もっと言えば、細かくは言いませんが、中国にしてみれば、アフリカまでを睨める、という視点と、ロシアとしっかり手が組める、という視点と、昔中国が新しい大国関係(最近は新型国際関係と言っていますが)と言っていたように、こっちの大陸はこっちに任せなはれ、あんたら(米)はそっちの大陸だけ見ときなはれ、という構想の一端として見えるという視点、などを考え合わせる必要があります。これは、マッキンダーの地政学を彷彿とさせる超20世紀的な感じがします。逆に言えば、基準が高すぎるTPPには入れない分、西に向かうしかない中国という捉え方もできます。

で、日本としては、AIIBに入らないとインフラ輸出など商売にマイナスだよねという視点もありますが、逆に、ADBがあるのになんでやねん、ということと、意思決定機関はどんなものなのよ、というガバナンスの問題、ばんばん無秩序にとまでは言わないけど過剰な融資なんかしちゃったら借りた国が返済に困るし出資した方も苦しんでアジアぼろぼろになりませんかねぇ、というリスクの問題、そしてひと段落上で述べた戦略的な視点が中長期的に日本にとってどうなのか、たとえば中国の海洋進出が本格的になるため、尖閣が中国にとって極めて重要なものになるという具体的な安全保障問題にも直結する課題です。なので、基本的にアメリカとは同じ視点ですので、慎重にならざるを得ない。

欧州諸国にしてみれば、東アジアの市場が睨めるので魅力的。であれば、アメリカがどう言おうが日本が目を三角にしようが、入りたいと思うはず。で、日米の(というか米の)顔色を窺って欧州勢は様子を見てましたが、結局当たり前のごとく、イギリス・フランス・イタリア・スイス・ルクセンブルク・・・と参加を表明していきました。

そこにきて、急に政府内から、雪崩を打つように、あれ?入った方がいいんじゃないの?という声が聞こえてくるに至ってます。え?これって、国際会議の席上で昔からよく言われる冗談に聞こえませんか?「豪華客船が沈没しかかっている。船長は乗客を海に飛び込ませないといけない。何と言ったら飛び込んでくれるのか。アメリカ人には”飛び込んだらヒーローになれるぞ”、ドイツ人には”飛び込むのは規則です”、イタリア人には”美人が海にいるぞ”・・・日本人には”みんな飛び込んでいますよ”」と。

AIIBがADBと協調してアジアの発展に寄与できるとしたら、大いに喜ぶべきことです。でも協調できるのかどうかの判断材料を中国は示してはいません。何も中身を言わないで、入らないと知りませんよ、というのは少し乱暴な気がします。ADBとの覇権争いでは決してない。上記で述べた地政学的観点からの戦略を追求すると必ず戦争に、とは言いませんが、争いになります。新たな不安定要因をつくるべきではない。

決して入るべきではないとは言っていません。ちゃんと考えて入るか入らないかを決めなければならないと言っているだけです。何も考えずに単に、目先の商売のことを気にして入るべきだと軽々に発言するのは如何なものかということであって、戦略の思考停止(日本ではよくあるような気が・・・)になるべきでないということです。

日本は負けない事が重要で、アメリカは勝つ事が重要

観光収支が劇的に改善していることは皆様もご存知かと思います。日本の観光地はどこでも結構外国人がいらっしゃいます。現在訪日外国人は1400万人程度。落とすお金は平均15万円程度で、年間2兆円にもなっています。政府は2020年までに2000万人、その後は3000万人を睨んでいます。こうしたことは、以前、航空政策のところでも触れましたので、深入りしませんが、外国の方に、もっと日本のことを知ってもらうにこしたことはありません。

それがクールジャパンと呼ばれている取り組みです。先日も、党のクールジャパン戦略特命委員会にて、日本生まれのハリウッド俳優であるMasi Oka氏(本名岡政偉氏)にお越しいただき、日本のコンテンツビジネス(映画産業など)について意見交換をさせていただきました。

アメリカなどでは、ゴジラなど日本のコンテンツが流行っているのに収益が、それが日本にもたらされていないため、日本からは積極的にコンテンツを海外に輸出しようという動きが出てこない。マシオカさんは、もっともっと促進すべきだと訴えられました(ちなみに、なぜ日本のコンテンツ収益力が悪いのかというと、結局配給会社が牛耳っているから)。

その中で、最も印象に残った言葉。それは「日本は負けない事が重要で、アメリカは勝つ事が重要」。誠治はリスクをとった人のリスクをサポートすべきであるし、日本人はリスクをとった人を受け入れるべきだとおっしゃる。同感。映画産業だけではなく、リスクを取る人が市場を切り拓くという意味で非常に意味深い言葉です。

マシオカさんの名前を世に知らしめた映画は「ヒーローズ」という映画ですが、成功してから乗ってきた人が多い。成功する前に、リスクを承知でそれにかける姿勢を大切にしなければなりません。政治に何ができるか、しっかりと考えていきたいと思っています。

そうした基本的な問題を踏まえて、以下、マシオカさんがおっしゃったことを中心に、現実のコンテンツビジネスの日米の違いを考えてみたいと思います。

まず、日本だってマンガなど世界で放映されているから、がんばっているんじゃないの?と思いの方。実は、こうした成功例は、まだまだニッチビジネスでしかない。しかも、日本の戦略は、小さいところをコツコツとやっているイメージがあるとのことで保守的すぎる。結局リスクを取れない構造が災いしているという感覚があります。それでは本格的に参入できたというにはほど遠く、基本的にマスマーケットをとっていかないといけない。

例えば、中国は、ヒットする前に巨額の投資を映画に対して行って、中国の俳優を出させることもあるそうです。そして、こうした行いは日本人的感覚からすると、少し如何なものかと思いがちですが、アメリカ的感覚からすると、クールなのだそうな。日本の中だとこうした慎ましさは大切だけど、世界に出ていくと、世界に通じる感覚でいないと通用しないということでしょう。

また、映画の世界でのビッグチャンスというのは、なかなか訪れないわけですが、そうしたチャンスをしっかりつかめるかどうかも勝負です。アメリカも人脈社会なので世界中に人脈を作っていけるかも勝負です。もちろんこれはコンテンツビジネスだけの問題ではありませんが。

日本政府も、クールジャパン戦略には取り組んでいます。特に2020年のオリンピックを睨んだ戦略は重要です。また地方にとっても、産品の海外展開やコンテンツ発信にとって重要です。政府全体のクールジャパン関係予算も昨年より増やしていただいています。先ほどのリスクの話でいえば、海外需要開拓支援機構(通称クールジャパン機構)も立ち上がり、何件かの採択が進んでいます。北海道は同機構と業務提携をして連携していくことにしたのだそうです。

http://www.cj-fund.co.jp/files/press_150128-1.pdf

ちなみに日本が誇るアニメについてですが、実はアニメのスタジオの40%がカナダにあるのだそうです。理由は単純明快で税の優遇が半端ないとのこと。もちろん、だから日本でも、という単純な話ではないとは思いますが、コンテンツビジネス育成支援という意味での環境整備は考えなければなりません。

東日本大震災追悼式

日本に未曽有の災害をもたらした東日本大震災から今日で丁度4年を迎えました。改めてお亡くなりになった方々に心から追悼の誠を捧げますとともに、ご遺族の皆様にお悔やみ申し上げ、未だ困難な暮らしを余儀なくされている被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げる次第です。

今年も、天皇皇后両陛下、総理はじめ三権の長、海外の外交使節団の陪席のもと、東京の国立劇場で執り行われた追悼式に参加して参りました。

総理からは、高台移転など復興は新しい段階に入ったものの、未だに困難な生活を余儀なくされている多くの被災者がいらっしゃることの認識のもと、改めて復興に向けて集中的に全力を注ぐ意思が示されました。

陛下からは、とくに益々ご高齢となられている方々のご健康を心配する暖かいお気持、危険を顧みず防災活動に従事している人たちへの心配り、未だ困難な暮らしを余儀なくされている被災者の、国内外の多くの方々のご尽力により被災地の地場産業や防災設備が徐々に改善していることへの感謝が示され、被災者の方々の暮らし向きが依然厳しいとの認識のもと、国民全員が寄り添うことが大切であることをお説きになられました。また、14日に行われる国連防災会議で、この大震災で得た教訓が世界中で分かち合えることへの期待と、被災地に一日も早く安らかな環境が戻らんことを心から願うお気持ちが示されました。

ご遺族代表の方のお言葉は、余りに尊過ぎ、ここに書く気持ちにはなれませんが、恐らく筆舌に尽くしがたい永遠に消えることのない心の傷を前に、私自身無力である恐れを感じながら、陛下のお言葉にもあったとおり心から寄り添うことが大切なことを改めて認識しました。復興に向け全力で取り組まなければなりません。

予算委員会分科会にて地方創生の議論

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本日、予算委員会分科会にて石破大臣に対して地方創生の推進に関する質疑を行いました。地方創生の戦略立案にあたって、社会と資本のバランス、演繹と帰納のバランス、マクロとミクロのバランスを考える必要性をお訴え申し上げました。また、地方の総合戦略立案にあたって、地方間の連携を促進するような予算の使い方をご提案申しあげました。また、地域経済分析システムの重要性に触れ、今後とも、地方の見える化が促進され、地方の戦略作りにお役に立てるシステム作りをお願い申し上げました。

医療と福祉の将来展望

国際医療福祉大学院の高橋泰教授によると、現在推定されている人口統計から計算すると、介護需要は2030年にピークを迎え、現在より49.7%増加する一方で、医療需要は2025年で11.1%増加とのこと(費用換算)。そして、地域によって病院や介護施設などのリソースや人口動態も違うので、需給バランスが地域によって当然違ってくることになります。

第一に、供給側の病院や介護施設などのリソースから見ると、それらの機能の戦略をどうするのかということです。どういうことかと言えば、75歳以上のご年配者が多くなり、75歳以下の人口が減少してくるので、急性期医療など治療目的の機能よりも、住介護などの地域包括ケア病院にシフトしていかなければなりません。そしてこれは実際に国の方針で示されている方向です。

第二に、日本全体として、需給のバランスそのものの戦略をどのように立てるかです。例えば75以上の高齢者人口の増加(1.5倍)を見越して、供給側も1.5倍にするのかどうかという問題です。また時間軸の議論も必要で、10〜20年に来るピークを越えればまた需要は下がってきます。人間誰しも老いるので、高齢者だけの問題ではありません。働く世代のやる気や死生観にも関係する問題です。真剣に慎重に考えていかなければなりません。

第三に、前述しましたが、地域によって病院や介護施設などの人口当たりのリソースや人口推移はかなり異なるので、医療介護の余力やその推移、そして需要ピークの時期や増加率は全く違う。したがって、地域ごとの機能やボリュームの戦略が必要なのと同時に、日本全体の戦略との摺合せが必要になってくるはずです。

第四に、ただし供給側の政策だけでは、どう考えても追いつかないので、需要側の調整が必要になります。何のことかと言えば、ご推察の通り、大都市から地方への人口移動です。

従って、供給側の機能とボリューム、需要側のボリューム、そしてそれらを勘案した地方ごとの医療介護戦略と日本全体の戦略が必要になってきます。

先の記事にも書きましたが、現在、地方版の総合戦略を地方が立案することになっています。その際、国は地域経済の分析ツールを提供することになっています。問題は、医療福祉関係やその他の分野の総合的な分析をどのように行うのか。どの程度国がその環境を提供するのかです。

なぜならば、現在は中小企業などの産業経済分析だけですが、地方創生の目的は、地方経済の活性化による経済好循環と併せて、人口減少問題に正面から取り組むことです。であるならば、産業政策だけではなく、医療福祉のみならず、雇用や農業も、総合分析できる環境が整っていなければなりません。どこまでできるか分かりませんが、努力はしていきたいと思っています。

 

 

中小企業・小規模事業者対策

地域の経済が好循環を生まなければ日本の衰退は止まりません。その好循環を生むためには本質的な地方の経済循環構造を改善していかなければなりません。改善するためには、何が起きているかを理解しなければなりません。何が起きているのかを分析した上で、これから1年かけて施策を創っていければと思いますが、そうは言っても少し時間はかかります。なのでそれまでの中継ぎと私が捉えている、国による中小企業小規模事業者の補助事業等の話に触れておきたいと思います。

詳細は、「ミラサポ」という中小企業小規模事業者応援のためのポータルサイトをご覧ください。一押しです。地方自治体の施策も網羅されています(協力してくれたところだけ)。(まだ審議中の27年度本予算も含まれますのでご注意ください)

1.書類作成が面倒くさいと思う方へ

利用者から不人気だった書類作成負担の軽減

基本的に3枚以内の原則を立てています(3枚以内でなかった場合は当方にお申し出ください)。なお、賃上げ・人材育成に力を注いでいる企業が優先となっています。

2.新しいことをやり始めようと思う方へ

ものづくり商業サービス革新補助金

要するに何でもいいので、ちょっとでも目新しいことをやり始めようとする方が対象です。新しいサービス、新商品・試作品の開発などです(上限1000万円、2/3補助)。仲間の企業と共同で設備投資したいと言った場合も今回対象に入っています(上限5000万円、一社500万円、更なる書類作成簡素化措置もあり)。

3.ものづくりで大学や公的研究機関と連携をご検討の方へ

革新的ものづくり産業創出連携促進事業

ものづくり技術を活用した研究開発(上限4500万円、2/3補助)。デザイン開発技術も可能になりました。

その他、サービス開発などで他企業や公的研究機関と連携をご検討の方に対しても、商業サービス競争力強化連携支援事業という名前の補助事業があります(上限3000万円、2/3補助)。

4.最新の省エネモデル設備の導入をご検討の方へ

地域工場中小企業等の省エネルギー設備導入補助金

申請手続きが簡素化されています(1/2補助)。

5.商店街の活性化に尽力されている方へ

地域商業自立促進事業

アンテナショップの設置、オリジナル商品の開発、子育て・高齢者支援サービスの提供、空き店舗への店舗誘致、まちなか交流スペースの設置など、商店街の魅力向上と、中長期的な発展に貢献する取り組みに対して、上限5億円、2/3補助の制度があります。

6.小規模な会社だけど販路開拓をしたいとお考えの方へ

小規模事業者の持続化支援

商工会や商工会議所と一体となって販路開拓に取り組む費用(チラシ作成、商談会参加のための運賃など)。(上限50万円、2/3補助)。複数共同は上限500万円。雇用対策などを積極的に取り組む事業者は上限100万円。

7.創業を目指す方へ

創業第二創業促進補助金

上限200万円、2/3補助で、創業費用の補助制度があります。今回から、事業承継を契機として既存事業を廃業し、業態転換する際にかかる費用【廃業コスト含む)に対しての補助制度も用意されました(上限1000万円、2/3補助)。

8.その他

ミラサポにて皆様のニーズにマッチした補助事業が検索できます。ふるさと名物応援事業や、海外展開戦略支援事業、JAPANブランド育成支援事業から、融資まで、多岐にわたる事業が用意されています。

ご活用ください。

ピケティとトリクルダウンと惣菜屋

国会の議論で、今話題のピケティがしばしば取り上げられることが多くなりました。ご承知かと思いますが、ピケティは、膨大な統計データを分析して、世界的に見て、資本の収益率が経済成長率を上回っていること、そして格差が広がっていることを実証し、世界的ベストセラーを書いたフランスの経済学者です。

確かに正しい。例えば今、日本では65歳以上の人が2/3の資産を保有しています。その2/3の人に回る社会保障費は毎年1兆円増えています(ざっくり言えばですが)。そしてこの1兆円は65歳未満の人が一生懸命払っている(これもざっくり言えばです)。とてもバランスが良いとは言えない。ではご年配が全員裕福かというと全くそんなことはない。だとすると、ものすごい格差がこの世代にはあるということです。

だからピケティの処方箋は極めてオーソドックスですが十分共感できるところがある。例えば、若者や将来への投資を推奨していること。世界的に見て財政余力の高い先進国はないもので、経済政策としては金融政策がはやっています。日本も大胆な金融政策を打ち出しましたが、それだけではなく機動的な財政も打ち出しています。ただプライマリーバランス(PB)の健全化をも目指しているので(15年中に半減、20年までに黒転)、今後継続して大胆な財政は打てなくなり、金融政策が中心になるのではないかという懸念がでてきます。ピケティは、金融政策オンリーは絶対間違いだとして財政政策の重要性を指摘しています。同感。

そもそも、少し余談になりますが、PBは名目の成長率が国債金利を上回れば改善するので、今は踏ん張りどころで機動的な財政政策を継続していくべきです。PBが十分改善すれば財政政策上の圧迫は改善される。雨中の登山で登り切ったら晴れた場所があるのに、雨がだんだんひどくなったねぇと言って、デフレという名の底なし沼に引き返すことはすべきじゃないと思っています。

本題に戻りますが、一方でピケティの主張を政治的に政権批判に使うことは全く的外れだと感じます。惣菜屋に入って、揚げ物が目に留まったからと言って、体に悪い揚げ物だけ売るとはけしからんと文句を言っているようなものに感じます。いやいや佃煮も売ってますよ、食はバランスですよっ、て言いたくなる。

例えばアベノミクスはトリクルダウンであり格差を広げるだけだという批判。現在の経済財政政策は、政官学金労言、と言われているように、労働者の賃上げという凡そこれまでの自民党政治らしからぬところまで手を付けたり、地方創生というミクロ政策をマクロ視点で本腰で実行しようとしていたり、あるいは中小企業政策ではかなりの事業が用意されています。どれもトップ政策課題です。十分重点です。

やっていないのは、単純バラマキという再配分。自尊心を擽らない再配分のことです。さらに言えば再配分の公平性が担保できないことも問題です。歴史的にこれは失策であることが分かっている。例えば子ども手当というのがありましたが、十分な収入があっても無くても貰える。つまり、本当は困ってないのに困ったふりをする人や、困ってない人が貰うから、本当に困っている人に十分に手を差し伸べられない。あるいは、生活保護の基準の議論がありましたが、困っているのだけど、そこに安住してしまって困らない努力を自分でしなくなる。だからそこへの給付がさらに他の本当に困った人に回らない。

先の記事「どうなる日本経済、どうする日本経済」でも書きましたが、今やるべき本丸は実質賃金の向上です。これをありとあらゆる規模のあらゆる産業で目指すべきであり、引き続き頑張って参りたいと思います。

日米韓国会議員会議

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日米韓国会議員会議が2日間にわたって開催され、昨年に引き続き参加いたしました。1日目は日米のバイラテラル。2日目は日米韓です。この会議は、我が親父も創設に関わったとのことで、26年目にもなります。年に2回の開催。1回はアメリカで、1回は東京かソウルで交互に行われるのですが、今回はソウルでした。私は議員としては2回目の参加です(秘書として過去に何度か参加したことはありますが、それを合わせれば5〜6回目かもしれません)。

議論の内容は詳述公開できませんが(チャタムハウスルール)、非常に多岐にわたる議論を行いました。1、米国も日本も選挙がありましたので、国内の政治情勢と国民の意識の変化について。2、それぞれの国と世界の経済情勢、そしてそれぞれの国にできることと協力できることについて。3、TPPやRCEPなどの経済連携と貿易について、4、安全保障と外交についてです。

冒頭、米韓両国から後藤健二さんがISILの非道な犠牲になったことについて深い悲しみとお悔やみが伝えられました。こんな時期にこの会議になったことをお詫びするという言葉も頂きました。世界で協力していかなければならない課題です。経済問題については、日本のアベノミクスの議論が中心で、他にアメリカのテーパリング、韓国の経済政策などが論じられました。安保問題では、主に普天間問題。貿易関係ではTPPやRCEP。外交問題については幅広い議論がありましたが、韓国側から歴史問題が取り上げられ、日韓間でかなり激しいやり取りともなりました。

通訳を介さない英語での会議ですので、当方も奥歯に物が挟まった表現もできるわけがなく、だからエキサイトするのかもしれませんが、改めて日韓関係の外交上の困難さを浮き彫りにした形となりました。

TPPとRCEPや東アジアの安保環境、世界経済情勢と原油価格動向、そして中東情勢や北朝鮮情勢を考えれば、この日米韓の関係は非常に重要にもかかわらず、いまいち日韓がギスギスしているのは大きな問題。困難でも粛々と根気よく努力し続けるしかありません

ただ、こうした議員外交の利点は、会議では言いたいことを言い合って、飯を食う時は冗談話で仲良くなる。こうしたことが、本当に大切だと思います(ちなみに、昨年末に参加した日中韓次世代フォーラムで出会った韓国の友人も駆けつけてくれました)。