国家戦略特区と地方創生について

地方創生の本質的なポイントは、地方のやる気です。しかしこう言うと、上から目線だ、と地方から言われると全く話がかみ合わなくなります。
これまでの日本は、法律体系が大陸系であることもあり(※)、護送船団方式です。国が国家戦略を定めて地方も一丸になって日本全体の方針を決めれば日本は安泰という報式です。しかし、これだけ多様化し、護送船団方式で方策尽きている時代、国がそれぞれの地方の実情を勘案し全てにプラスになるような1つの政策方針を打ち出すのは実質的に大変困難な問題です。さらに言えば地域限定の政策を国が法律を作って応援することは憲法上の問題を提起することにもなりかねません。だから、地方が提案し国が応援するという構造が必要になりますし、地方が潤わなければ日本は地盤沈下する。先般話題になりました、保育の問題も、地方がもっと活気づけば解消する問題です。

そこで国家戦略特区という制度を国は設けています。仮に企業が農地を所有したいとなると現在の国家の法規制にひっかかる。でも、それが地方にとって存亡の危機に触れる問題ならば、その特殊事情に鑑み、その地域限定で規制を緩和しますよ、という制度です。

今年で2年目になる制度。26年度は残念ながら我が県から1件も申請がありませんでしたが、27年度は香川県から1件の申請がありました。

実は申請は、誰でもできます。個人でも、会社でも、自治体でもできます。制度としては、それが本質的に地方の好循環につながるかどうかを審査し、仮に是となれば、特区法として国会に付託されるという制度です。

特にこうした制度に取り組んでいる地域は、兵庫県、大阪府、新潟県、福岡県、沖縄県、京都府、秋田県、岡山県、広島県、愛知県などです。香川県は、もっとどんどん申請するべきです。特に、若い経営者は法規制に拘らず、発展に繋がると感じれば、チャレンジすべきだと思います。

今回の国家戦略特区法案で承認された案件は、課税特例を除けば、7軒。離島などを中心とした医療イノベーション(テレビ電話で服薬指導ができるようにする:兵庫、秋田)、医療機器の製造販売の承認手続きの円滑化のためにPMDAが臨床研究病院に助言相談するプログラム推進(大阪府・阪大・東北大)、企業の障害者雇用義務規定の比率(2%)の運用面での緩和を中小企業にも拡大(徳島)、過疎地での自家用自動車の活用拡大(シェアリングエコノミーの一歩手前の事業:兵庫、秋田、京都)、クールジャパン外国人材の在留資格の緩和に関する検討規定(新潟経済同友会)、インバウンド人数増大に対処するための民間と連携した出入国手続き迅速化に関するプログラム規定(福岡、沖縄)、そして先ほども触れました法人による農地所有規制の緩和(大阪府、新潟県、兵庫)です。

アイディアさえあれば、規制があってもチャンスにつなげられる様な制度ですので、香川県からも多くの提案があることを期待したいと思いますし、自分でもアイディアを出し続けていきたいと思います。

日本の法律は大陸系の体系を採っていると言われています。英米は英米系と言われています。何のことかというと、前者は、基本的に出来ることを規定している。後者はできないことを規定している。何が起こるかというと、日本では、できることが書いてある国家の規制の範囲で動いている分には困難にぶち当たりにくいという護送船団方式になります。メリットは問題が起きたときに訴訟コストを抑えられる。デメリットは、やりたいことを自由にできないということ。つまりイノベーションが起きにくい。一方で、英米では、できないと書いてある以外のことは何でもできるので、新しいアイディアを想いついたら、とりあえずやってみることができる。イノベーションが起きやすい。デメリットは、訴訟コストが増えるということです。

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