国家安保上等のSNS規制

台湾やアメリカでは既に始まっている外国勢力による選挙介入。当該国に有利になるようSNS等で選挙結果を誘導するものですが、結論から申し上げれば、日本でも、悪意の外国勢力の影響工作に対して、強靭な民主主義を作るため、選挙におけるSNS利用について何らかの規制をかけることを検討すべきだということです。

こうした国家安全保障としての対応はもっとも重要だと認識していますが、その他、先日投稿しましたフィルターバブル(似た意見の者同士で先鋭化する現象)や品位をかく投稿などによる個人の精神錯乱や社会の騒乱、加えて名誉毀損などの他人の権利侵害もあります。

もっとも私個人として憤りを感じるのが、収益目的のものです。カネのために嘘をついたり人に迷惑をかけるタイプ。閲覧数向上による収益向上を狙って、ひたすら人目に付く動画をつくるタイプです。選挙だけではなく、災害の際にも現れました。回転寿司屋で醬油を舐めまわして動画収益を上げたのも同様です。人の不幸で商売するのは言語道断です。

オーストラリアは最も大胆で、子供を虐めやうつ病から守るため16才以下の利用を禁じました。米国カリフォルニア州では時限措置ですが選挙投票日60日前からのディープフェイク等の偽情報・偽情報を禁じました。その他の地域や国でも、その脅威意識は高く、様々な取組が行われているのですが、日本でも、お花畑的に表現の自由が~と言っている場合ではないと改めて強く認識しています。

思えば今から5年前、台湾で開催された日米台によるフェークニュースに関する会議が開かれ、なぜか私もご推挙いただき参加しました。様々な学びがありましたが、世界の危機意識の高さを強烈に認識して帰国、爾来関心をもって政界で対策の必要性を訴えて参りました。繰り返しですが、規制は表現の自由との闘いなのですが、ようやく日本でも実質的な脅威に対する認識が高まり、規制の必要性が認識されるようになりました。

今般、図らずも選挙制度調査会の事務局長に推されましたので、具体案を関連する情報通信調査会等と共に練っていきたいと思います。尚、表現の自由が~の方々もいらっしゃるので、本格的な対策を練り上げるには相当な時間を要することになります。従って、まずは例えば情報流通プラットフォーム対処法の選挙特例で投稿削除免責条項に支払い停止免責も同時に埋め込むことなど、直ちに取り組めるものから実施する方向で、提案していきたいと思います。