香川県護国神社春季例大祭

終戦80年、昭和で言うと100年の節目となる今年。誠に僭越かつ光栄なことに香川県護国神社春季例大祭の大祭委員長を仰せつかりました。歴史の重圧に緊張しつつ、ご英霊の安らかならんことを参列者の皆様とともに祈念いたしました。

祭文

本日ここに、讃岐宮香川県護国神社春季例大祭を挙行するにあたり、明治維新以来、我が祖国の礎を築かれたご英霊の御霊を前に、謹んで哀悼の誠を捧げる次第です。

我々は今、平和と繁栄を享受しつつ、日常を謳歌できる時代に生きています。一方で、街角に立てば、我が国が過去に直面した幾多の困難に纏わる顕彰碑や追悼碑が、ここ善通寺のみならず、いたるところに残されており、見かけるたびに、当時の国情と国民の窮状を感じ、深い思いに至ります。

今から丁度八十年前、大東亜戦争終戦の年、張り詰めた緊張感に包まれた、暑い夏の日に、昭和天皇から「終戦ノ詔書」が発布されました。『堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス』。陛下のこの御言葉は、今を生きる我々の心に、そして未来を生きる全ての日本人の心に、戦禍に苦しみ戦禍に散ったご英霊の、未来に希望を託さんとする熱き想いを、未来永劫、刻み続けるものです。

爾来日本は、八十年間、ご英霊の護国の護神徳によって、平和国家として、経済国家として、そして文化の香り高き民主国家として、世界に確固たる地位を築いて参りました。国連加盟国の中で、大東亜戦争後に戦争を経験していない国は、日本を含め僅か数か国と言われています。

翻って今日を見渡すと、ロシアによるウクライナ侵略や、イスラエルとハマスの武力紛争、北朝鮮によるミサイル恫喝、中国による軍事活動の活発化、など我が国を取り巻く安全保障環境は更に一段と厳しさを増しております。

この祭典を通じて、国の御盾として身を挺し、ひたすら祖国の隆盛と同胞の安寧を念じられたご英霊の、その崇高なる精神に想いを致し、引き続き平和国家の維持と必要な対処に邁進し、以って県民お一人お一人が、その持ちうる誠実さと責任感によって、引き続き日本人としての誇りを持ち、未来の子孫に対して誇れるよう、邁進して参ります。

本日この大祭にあたり、香川県民を代表して、御英霊の安らかならんこと願いつつ、香川県民、そしてご遺族の皆様に、なお一層のご加護を賜らんことを、ご参会の関係者の皆様と共に祈念し、祭文といたします。

令和七年五月五日

讃岐宮香川縣護國神社
春季例大祭委員長
衆議院議員 大野敬太郎