衆議院予算委員会にて岸田外務大臣と議論

党内ではこれまで何度も様々な政策について議論をさせていただきましたが、本日初めて院内で岸田外務大臣と外交問題について議論を致しました。

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私の主張は主に2点。1つは最近衝突に発展しかねない中国との外交について、衝突回避の方策について。もう1点は情報の管理についてです。

第一に、中国との外交という文脈でTPPを考えたときに、中国を包囲してしまうのではないか、包囲してしまったら中国を孤立化させてしまうのではないか、孤立化すれば強硬な態度を助長してしまい、先鋭化してしまうのではないか。中国や北朝鮮は国際社会に引っ張り出して国際社会の中に関与させることが衝突をさける重要な戦略であると感じていますが、そういった意味では、TPPは中国との衝突を助長してしまうのではないか。そんな懸念を感じています。総理は先般、TPPは安全保障に資するというコメントを表明しておりますが、逆に中国との衝突の可能性を助長してしまうのではないかと感じています。だからこそ、TPPには慎重な立場を私はとっております。ただ、仮にRCEPや日中韓FTAがTPPと同時平行的に推進できるのであれば、左はアジア、右は太平洋、その真中に日本がいれる、そういう観点ではまだよい枠組みだとは思います。もちろん経済的・文化的など様々な視点から見た日本の国益が守られるならば、という大方針の中での話です。

第二に、同じく中国に対する外交戦略の中で、海洋権益に関する議論をしました。実は排他的経済水域と呼ばれる領土基線から200海里以内の軍事活動については、航海の自由は守るべきという以外に国際ルールは何も定めていないのが現状です。で、日本は航海の自由を尊重する立場ですから、どうぞ通ってください、という立場ですが、中国は自分の排他的経済水域内での活動は徹底的に排除するという立場です。これはいくら国際ルールである航海の自由を日本は守るんだと言ったところで、中国はそうではない。あたかも中国は、自分のものは自分のもの、他人のものも自分のもの、と主張しているような状況です。非対称な関係です。であれば、日本としては、もっともっと厳密に排他的経済水域内での自国独自のルールを表明したほうが中国などとの衝突はさけられるのではないかと考えています。

第三に情報についてです。尖閣問題などが生じたときに、日本政府は一番目に何をすべきかと言えば、国際世論を能動的に形成することが重要だと感じています。積極的に日本の立場を世界に知らしめることが重要です。その点について、外務省の取り組みはもっともっと積極的になるべきだと感じています。そして、関連して、国内の国民に向けても、例えばなぜ尖閣が日本の固有の領土なのかをより積極的に説明すべきです。国民一人ひとりが外交官もしくは広報官として国際世論に訴えられる可能性を秘めているのですから、なおさら国内向けの説明が重要だと感じています。

第四に、情報の保全です。情報リークが著しい時代ですが、外交もしくは安全保障上極めて問題だと感じています。情報のリークによって、国益に資する軍事演習ができなくなったり、あるいは同盟国である米国にとってみれば、情報が駄々漏れの国とまともに交渉できないと思われてしまうという問題は、極めて根が深い問題だと感じています。情報の保全については、憲法改正も必要な問題であり、ボリュームのある議論だと思いますので、また別途議論させていただければと思います。

以上、感想としては、もう少し時間があれば、より突っ込んだ議論ができたのになと考えると、力量が不足しているなと思っています。精進致しますので、引き続きご指導ご鞭撻を賜ればと思います。