先日、同趣旨の記事をアップしましたが、昨日、人口減少・地域創生に関する議員連盟が設立される予定で、その準備のため、改めて増田寛也元総務大臣よりヒアリングをさせていただきました。そのご指摘や議員同士の議論を踏まえて、簡単なメモを作成しておきたいと思います。今後、定期的にこの問題について触れていきたいと思っています。
■現状認識
・人口は確実に減少。西高東低の傾向があり東北地域は危機的状況。
・2040年に出産適齢女性人口が半減する市区町村は896/1799(48%)に上る。
・896市区町村の大半が人口5万人未満の市区町村である。
・全1万人未満の523市区町村の29.1%、全5万人未満の316市区町村の17.6%が半減地区に該当する。
・結婚世帯の出生児数(夫婦の完結出生時数)は2に近い。
・未婚率が1980年代以降急上昇
→男性20代後半は50%→70%
→女性20代後半は25%→60%
→男性30代前半は20%→50%
→女性30代前半は10%→35%
・TFR回復欧州国(Fr,Sw)は家族関係支出GDP比は3%以上(日本は1%程度)
・東京は、2040年には生産年齢人口は6割に低下。
・東京の待機要介護老人は4万3千人(舛添知事)
■解決の基本方針は
・20~39歳の女性に着目すべき。
・東京への人口移動に歯止めをかけるべき。
■具体的対応その1:出生率
・希望出生率の実現を基本目標にすべき。2025年に1.8を目指すべきであり十分可能。
→{(既婚者割合×夫婦予定子供数}+(未婚者割合×未婚者結婚希望割合×未婚女性理想子供数))×離別等効果={0.34×2.07}+(0.66*0.89*2.12)}x0.938=1.8
→現在40%である20代後半結婚割合を60%にすれば1.8は可能。
→現在 8%である20代前半結婚割合を25%にすれば2.1も可能。
→晩婚化に歯止めをかけることが大切。
=35~39歳の第一子出生が35%、40歳以上は40%。
=30歳後半以降の初産では2人目は困難。
=早期結婚のインセンティブ政策を実施すべき
=住宅支援(結婚した人・新婚世帯)が必要。
→若者の雇用収入安定と子育て支援拡充。男性の育児参画と長時間労働の是正。
→高齢者世代から次世代への支援のシフト。
→初等教育での結婚出産の意識醸成
■具体的対応その2:人口移動対策
・地域資源を生かした産業創出。故郷で暮らせる国家構造。
・東京になくてもよい機関の地方分散
→政府機関の地方分散が必要
→若年層定住の拠点としての大学の地方分散と拡充が必要
・法人税改革の一環で、地方移転企業の税制優遇の創設が必要
■政府発表の1億人維持政策の中身
・2025年にTFR1.8、2035年に2.1を実現すれば可能。
・2090年に1億人弱で安定期。高齢化率も27%程度に抑制可能。
・とにかく2025年に1.8を目指すことが大切。
■政府の少子化対策
・子育て支援や働き方改革→結婚・妊娠・出産支援への転換
・地域少子化対策強化交付金30億円(10/10補助):地域ごとに実情違う。
・次世代育成支援対策推進法
→国がガイドライン策定=地方自治体+事業主がガイドライン策定
・育児休業給付を50%から80%程度に引き上げ。
・幼児教育無償化(低所得世帯の保護者負担軽減)=保育所と同様に生活保護世帯を無償化
・多子世帯の保護者負担軽減の拡充=保育所と同様に、第二子半額+所得制限撤廃、第三子も所得制限撤廃。
・待機児童解消加速化(2年で20万人、5年で40万人分の受け皿確保、2017年までに待機児童解消)