新年のご挨拶

寅年の新しい年を迎えました。謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中は皆様方には、一方ならぬご厚情を賜りましたこと、改めて心から感謝申し上げる次第です。今年の干支は寅。含意が豊富で引用に苦労することなく、安心して迎えられる年となりました。

しかし安心できるのは干支に因んだ引用くらいで、日本を覆う空気感は未だに晴れやかなものではありません。中国武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症による影響は甚大で、何よりも人々の心に大きな影響を与えました。虎口を脱すべく引き続き国がしっかりとした対策を講じていくべき状況が続いています。一方で、国際協調とは言え、補正予算も含め過去に類を見ない大規模な財政をコロナ対策に投じているため、特に若い世代からは将来負担の不安の声を耳にします。

現時点では財政は引き続き拡張すべきです。しかし、これも虎の子の税金で、同じ使うなら今までと異なる価値を生むものに誘導していくべきです。昨秋就任した岸田文雄総理は、成長と分配の好循環を生む新しい資本主義を訴えました。いわば、サステナブル資本主義を目指すものだと理解できます。

例えば温室効果ガス排出削減という社会課題解決を経営目標に積極的に掲げる企業が増えていますが、日本の企業はそもそも旧来より公益精神に富んだ三方良し経営の精神論型企業が比較的多い一方で、GAFAやテスラに代表される欧米新興巨大資本は急成長するESG投資を虎視眈々と取り込み資金調達する新自由主義の延長線上にあるものです。日本はまさに、竜虎相搏つが如く、日本型の公益精神論を、日本に馴染むような形で、社会課題解決と資本主義の資金循環メカニズムに再構造化するべきで、これが結果的に成長と分配の好循環を生み出すはずで、目指すべき新しい資本主義なのだと思います。

課題も残ります。国際秩序や経済安全保障です。岸田内閣で担当の内閣府副大臣を拝命いたしました。全力で任務を全うして参りたいと存じます。最後になりましたが、今後とも引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げつつ、皆様の益々のご隆盛とご活躍を心からご祈念申し上げます。