治療薬とワクチン

オミクロン株の感染拡大がいよいよ深刻になってきました。重症化しにくいという傾向は明らかで、感染症法上の取り扱いも総理が発表したように、オミクロン株にマッチするような方向に転換していけるのか議論するべきタイミングが来ていますが、重症化する人がいないわけでは決してないので、少なくとも感染拡大防止に向けて一人ひとりが引き続き努力することは必要になるのだと思います。再び人流抑制や営業自粛などといった公衆衛生学的抑制政策を打たなくても済むようにしなければなりません。

その上で、第一には医療機関等の関係機関の負荷を抑制すべきは論を俟ちません。様々な方向が考えられますが、そのうちの一つである、治療薬やワクチン開発の現状について今日は触れておきたいと思います。

中和抗体カクテル療法と言う言葉が一世を風靡しましたが、現在ではどうなっているのか。またエボラ出血熱の治療薬として開発されていたレムデシビルはどうなったのか。寄生虫薬として開発されていたイベルメクチンはどうか。アビガンはどうなったのか。また、国産ワクチンはまだなのか。様々な問いかけを私も地元で受けます。テレビニュースの影響で、皆さんがとても詳しく、それだけ関心の高さを実感します。

私は専門家でもないので不用意なコメントは控え、政府がまとめた現在開発中の主な新型コロナウイルス治療薬とワクチンの一覧をもって紹介とします。

ワクチン開発状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00223.html

治療薬開発状況
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000888699.pdf

昨年末に注目されたファイザーのニルマトレルビルと塩野義製薬のS-217622は、経口剤であることと共に、第III相試験(臨床最終段階)に入っていること、特に前者は統計的優位差が示されていることが読み取れます。期待された中和抗体カクテル(カシリビマブ・イムデビマブ)は、オミクロン株の場合は推奨されないとあります。一方でソトロビマブという中和抗体剤は変異株にも効果を持つことが期待されるとあります。アビガンは海外試験で優位差が示されなかったとあります。その他、表をご参照ください。
ワクチンは、アンジェスが話題になりましたが、報道にあった通り、期待された効果が得られなかったとあります。一方で、塩野義製薬の組み換えワクチンや第一三共のmRNAは臨床試験に入っているとあります。その他、表をご参照ください。

全力で支えて行きたいと思います。