土地改良法の改正

圃場整備(農道や用水路なども含めた農業耕作地の整備)の対象範囲拡大など、土地改良法が改正される運びとなり、先般、自民党農林部会でその骨子案が議論され、了承されました(私は参加できていませんが)。あくまで骨子段階のものであって、しかも提出予定だという段階なので、状況次第では変更される可能性もありますが、取り急ぎご報告いたします。

一つは防災の観点。震災被害については、迅速に土地改良事業の対策を打てるよう既に実施権限を国や地方自治体に付与していますが、豪雨災害についても同様の措置を講じるものです。つまり、地震が来ようが豪雨が来ようが、農家の申し出がなくても国や県が直ぐに対策に乗り出すことになるということです。

二つ目は圃場整備です。農地バンクは、農地の集約化を加速するため、預かった農地の圃場整備を実施する権限を持っていますが(正確には都道府県)、農地に接続されているような面的にまとまった区画整理や農地造成のみが対象でした。改正案では、農道や用水路など面に接続されている線的要素も一定の要件で対象とされることになります。(農家負担なし)。

三つめは土地改良事業団体連合会(土連)の資金繰りです。話を単純化すれば、事業を機動的で効果的かつ適正に実施できるようにするため、5か年計画で硬直化していた運用方針を改善するための改正です。具体的に言えば、財投資金を活用するため、債券発行権限を付与することが主な内容です。これで会員である各土地改良区の要望に柔軟に対応できるようになるはずです。

四つ目は書類の簡素化です。担い手不足で解散を余儀なくされている土地改良区は、通常、認可地縁団体や一般社団に組織変更することになりますが、その場合、一旦解散し、その上で新規に設立しなければならなかったのを、ワンストップで組織変更できるようにする改正案です。もちろん、推奨するものではありませんが、現場で本当に困っている方には必要なのだと思います。

繰り返しますが、あくまで案であってそのままの内容や日程で改正されるとは限りませんが、個人的には必要な改正であると思います。