ドバイショックと為替とドル機軸通貨

ドバイショックで為替が大きく影響を受けています。

単純に言えば、

1.ドバイのバブルが弾け、そこに最も投資されていたユーロが暴落。
2.アメリカは、暫くFRBが低金利政策を続けそうだとの観測(大元はFOMC(連邦公開市場委員会))が流れたことと、9月頃に日米の金利が逆転したことから、ドル売りが続き、さらにドルキャリートレードが拍車を掛けたため、急激なドルの暴落。

の2点から、円が3市場の中で相対的に強くなっているということだと思います。

もともと、現政府の莫大な国債発行示唆によって金利は上昇しつつあるので、以前書いたように、長期金利は上昇する圧力を受けています。すると、これも以前書いたように、更に円高に拍車がかかる可能性があります。

これについて、第一点目として、景気という観点から申し上げると、急激な為替変動は望ましくないからと、為替市場に日本単独で介入したらいいという関係者がいます。これは大反対。ここ10年、単独介入で意味があったことは殆どないからです。やはり、十分内需を拡大して、景気を底上げするしかないと思っています。

第二点目として、これはもっと深刻ですが、アメリカの機軸通貨体制は崩壊したのかどうか、という点です。そもそも、いわゆる双子の赤字を抱えたままドルが維持できているのは機軸通貨だからですが、ドバイの例もあるように、世界各国が、ユーロ建て、円建てを採用しつつあります。実際にアメリカが無視されつつあります。本当に崩壊ということになると、一気に崩壊することになりますので、日本などもその波に飲み込まれてしまいます。

こうした観点からは、先進国首脳会談・中央銀行総裁会議などでは、通貨の安定などをもっと真剣に話し合う時期に来ているのではないかと思います。