パックスアメリカーナ2 −集団的自衛権

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アメリカには影響力のあるシンクタンクが複数存在しますが、先日、その内の1つであるスティムソンセンターから将来有望な若手研究者が5名お越しになり、自民党の国際局としてお受けをし、魅力的な議論を通じて非常に有意義な1時間を過ごすことができました。

先に書きましたパックスアメリカーナの延長線上の話です。

https://keitaro-ohno.com/?p=2171

この中では、アメリカがいつまで世界の安全保障に関与する意志が続くのか、逆に言えば、アメリカには引き続き強い関与意識をもってもらわなければならない、ということを申しあげました。

アメリカの国力はシェールガス革命やRMAなどを通じて、当面の間は世界一であり続けるはずです。そしてアメリカの潜在的なな脅威は中国の経済的軍事的膨張です。さらにアメリカの一般国民の意識は内向き傾向が加速する一方で、アメリカ政府としては、アジア太平洋に関心の軸足を移すと同時に、中東の関与を粛々と進めなければならなくなります。

つまり、世界の安定がアメリカの発展との認識のもと、安全保障の傘を世界中に提供し続けることはアメリカにはもはや困難であり、米軍の前方展開戦略はコスト的に、よりシビアになるということは明らかです。

以上の見立てで言えば、覇権のコストに喘いでいるアメリカがこのまま覇権を単純に維持するわけはなく、ただでさえ北東アジアの安全保障バランスが崩れかけている現状で、日本として、ただただアメリカの安全保障の傘を空気のように扱っていては、間違いなく日本は危機を迎えるはずです。

であれば日本としては、必要最小限の集団的自衛権行使を可能し必要な法律と装備を整備し、アメリカを国際社会の安全保障に巻き込んでおかなければならないわけです(よく集団的自衛権行使解禁は紛争に巻き込まれるという論がありますが時代錯誤です。これからは巻き込んでいかなければなりません)。

実は現在の急速に厳しくなっている安全保障環境に対応するための方策は、もう一つあります。それは日本が海兵隊機能をもち、空母を調達し、航空戦力を高め、装備を拡充することです。実際に単独の自衛権で安全を保障するためには防衛費を2倍から3倍にする必要があると言われています。しかし、これは妥当だとは思いません。

本日、たまたま石破幹事長のご講話を拝聴する機会がありましたが、まさに集団的自衛権の行使についてであり、大いに納得できるお話でした。今、日本が置かれた非常に厳しい環境のなかにあって集団的自衛権を否定するがごとき無責任なことは、私にはできません。

問題は憲法改正の正式な手続きを経るべきなのか、解釈変更でいくのかです。ここは種々の議論が何十年にもわたりなされてきましたので触れませんが、しかし解釈変更は大きな問題です。私はもともと正々堂々と憲法改正を通じて集団的自衛権の行使を可能にせしめる方法を考えていましたが、ただ解釈変更でも可能な部分はあると思っています。

1.当たり前ですが、全ての自衛隊の行動は法律に根拠があります。つまり、閣議決定で示された方向に従って関係法令が整備されて初めて集団的自衛権が行使可能になること。

2.そしてその行使可能になる集団的自衛権、つまり各法律で規定される内容は、安保法制懇で例示された類型が対象となること。

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