もう2か月も経過してしまいましたが、APECが行われた11月の初旬、それに平行して日中韓次世代リーダーズフォーラムという会議が開かれており、それに参加して参りました。今更ですが、簡単に報告申し上げたいと思います。
まずは先日もご紹介申し上げましたが、会議の様子が現地メディアに取り上げられていますので紹介させていただきます。私の喋る英語が中国語に翻訳されるという会議を初めて経験しました。
この会議は、日本の外務省の外郭団体である国際交流基金と、その韓国のカウンターパートである韓国交流基金、そして中国の共産党青年連合会の3団体が主催し、それぞれの国から政治家、外交官、メディア、文化芸術関係者、大学等教育機関を1名づつ、合計で5×3=15名で10日間に亘って毎日朝から晩までそれこそ寝食を共にして会議を行うというもの。
毎年行っていたとのことですが、ここ数年は活動が休止になっていたとのことで、久しぶりの開催だそうです。国会開会中の参加ということで、党命であるとはいえ、国対的には非常に困難な出張となりましたが、逆に非常に有意義な時間を過ごすことができました。
本来この会議の本旨は人脈形成にあり、各国のホスト機関もそれに合わせて会議のアレンジをするのですが、一部なかなかクリティカルな話題を提供する会議もあり、白熱する場面も何度もありました。逆に不思議なもので、参加者側の結束が強まり、話題提供者に対峙する格好になったケースも何度かありました。
日中韓関係は現状では非常にぎすぎすした関係になっていますが、戦後ずっとこうであったわけではありません。非常に良好であった時代もあることを忘れず、放置すべきは放置し、努力すべきは努力し、骨は折れますが良好な外交関係を構築していくべきです。
少しだけ中身に触れておきます。さすがに10日間ですから非常に多岐にわたる話題について議論しましたが、印象に強く残っている話題を2つだけ取り上げたいと思います。
1つは、中国の環境汚染と中国政府の取り組みや国際協力についての話題になった際、中国側から、もともと環境汚染は中国が先進諸外国の工場地帯として投資が行われた結果なので、国際協力を大いに期待する旨の発言がありました。私からは、今、中国は経済大国になり海外投資を行っているので汚染を輸出していることになる。恐らく投資した先の国もしばらく経つと経済発展するため、汚染の輸出ごっこになってしまう。決して中国がいけないということではなくて、国際社会の考え方として、汚染が投資を追いかけることを防止するような仕組みを考えなければならない。例えば、ODAの何%かは環境対策に使うことを国際社会の条件にしたらどうかという提案をしておきました。
もう1つは、中国側から海洋開発と海洋権益の話題提供があった際、所謂9段線の考え方や他の領有権に触れた部分があり、日本側と韓国側から種々の疑問の声があがったこと。私自身もその主張の矛盾を指摘しておきましたが、やはり主張されると、きちんと主張返しを行わなければなりません。言われっぱなしにはできないということですが、さらに大切なのは、言いっぱなしにもしないことです。
実は、再来週、日米韓国会議員会議という国際会議があり、ソウルに出張に行く予定ですのでまた報告したいと思います。