地方版地方創生総合戦略と分析ツール

昨年末、地方創生法が成立しました。

http://www.cas.go.jp/jp/houan/140929_1/houan_riyu.pdf

それにともなって政府は地方創生総合戦略を発表しました。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/souseikaigi/dai3/siryou1-2.pdf

目を通していただければわかる通り、大方針を策定したに過ぎませんが、非常に重要なことが書いてあります。今後、1年間かけて、地方自治体(県・市町村)も地方版の総合戦略を策定することになります。

地方に総合戦略策定の努力義務を課す法律になっているのですが、策定にあたっては国は地方の後方支援も行います。例えば要請に応じて国は人を派遣することもあります。財政的な支援も行います。私が一番注目しているのは、地方経済の分析ツールの提供です。

というのは、これは全く新しい視点に立った中小企業政策になりうると2年前から注目していたもので、中小企業庁が取り組んでいるプロジェクトでした。私自身、多少議論に参加してきましあが、当時はあくまで中小企業政策の一環として取り組んでいましたので、ここで使われることになるとは思いもしませんでした。

https://keitaro-ohno.com/?p=2281

地方創生についての党の方針にも明記されていますので、以下に添付しておきます。いずれにせよ、地方丸投げにならないようしっかりと私自身も取り組んでいきたいと思います。

地方創生がめざすものは何か?

・人口減少と地域経済縮小の悪循環というリスクを克服する観点から、東京一極集中を是正する、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる、地域の特性に即して地域課題を解決するという基本的な視点の下、まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立により、国民の希望を実現して人口減少に歯止めをかけ、50年後に1億人の人口を確保し、活力ある日本社会の維持をめざしていきます。

地方創生は、これまでの地域活性化とは何が違うのか?

・国として、人口減少問題の克服に初めて本格的に取り組み、地方を主役に据え、各府省庁縦割りを排し、具体的な成果目標を示しつつ、政策評価を行う異次元の取組みです。
・地方に新しい価値を生み出し、「ひと」が「しごと」をよび、「しごと」が「ひと」をよぶ好循環を構築します。そのためには、これまでの地域活性化とは異なり、地方が主役となり、地域特性に応じた地方創生を展開することが必要となります。国は伴走型支援(情報支援、人材支援、財政支援)を行います。

「まち・ひと・しごと創生総合戦略」のポイントとは何か?

・日本の人口の現状と将来の姿を示し、今後目指すべき将来の方向を提示する「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」を実現するため、今後5か年の目標や施策の基本的な方向、具体的な施策を提示するものが、「まち・ひと・しごと創生総合戦略(総合戦略)」です。
・「しごと」と「ひと」の好循環として、また併せて、この好循環を支える 「まち」の活性化として、次の目標に対応する施策を提示しています。
・2020年までの5年間で地方での若者雇用30万人分創出などにより、「地方における安定的な雇用を創出する」
・現状、東京圏に10万人の転入超過があるのに対して、これを2020年までに均衡させるための地方移住や企業の地方立地の促進などにより、「地方への新しいひとの流れをつくる」
・若い世代の経済的安定や、「働き方改革」、結婚・妊娠・出産・子育てについての切れ目のない支援などにより、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」
・中山間地域等、地方都市、大都市圏各々の地域の特性に応じた地域づくりなどにより、「時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する」

どうやって地方に若者の雇用を創出するのか?

・地域経済の特性や課題を抽出する地域経済分析システム(国が開発し、地方公共団体に提供)を活用し、地域の産官学金労言(産業界・行政・大学・金融機関・労働団体・言論界)が連携した体制の下、創業支援・事業再生、地域イノベーションなど業種横断的な取組みを推進します。
・地方大学等における地域ニーズに対応した人材を育成するとともに、都市圏から地方へのプロフェッショナル人材の還流を円滑にし、地域の中堅・中小企業の競争力強化や生産性向上を図り、地域雇用を促進します。
・サービス産業の生産性向上、農林水産業の成長産業化、観光地域づくりなど地域産業競争力の強化や、起業支援、中核的企業支援により、5年間で30万人分の若者の雇用を創出します。

地方への新しいひとの流れをどうやって創るのか?

・近年高まる地方への移住希望を現実のものとするため、地方での雇用創出や企業の地方拠点機能の強化を推進するほか、地方移住希望者のためのワンストップ相談体制を整備します。
・地域ニーズを踏まえた地方大学の活性化により地元への進学、地元での就職を推進することで、地方からの人口流出を低減させるとともに、都市部の学生の地方就職を促進します。
・これにより、5年後に東京圏への人口流入超過を解消します。

若い世代の結婚・子育ての希望を実現し、出生率を向上させるために、何をするのか?

・若い世代の結婚・子育ての希望が実現された場合の出生率は1.8程度に向上すると見込まれています。このため、若者の正社員化など若い世代の経済的安定、待機児童解消など子ども・子育て支援の充実、子育て世代包括支援センターの整備など妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援、長時間労働の見直しなどワークライフバランスの実現などにより、若い世代の期待に応え、結婚や子育ての希望の実現を目指します。

時代に合った地域をどうやって創るのか?

・中山間地域等における「小さな拠点」(多世代交流・多機能型)の形成、都市のコンパクト化と周辺等のネットワーク形成、「連携中枢都市圏」の形成・安定自立圏の形成促進など、地域の実情に応じた「まちづくり」・地域連携を促進します。