農林産品の輸出は無限の可能性がある

農林水産業が力強い産業として、そして地域を守る守り神として、しっかりとした足場を築くために、党の農林部会(部会長小泉進次郎代議士)で骨太方針策定のための議論を行っています。先般、これまでの議論の論点整理が行われました。

骨太方針策定PTは3つのチーム、すなわち、資材流通チーム、原料原産地表示+人材チーム、輸出チームに分かれて議論しています。私は輸出チームに属しています。輸出チームは福田達夫副委員長が取りまとめています。

農林水産品の輸出額は過去には大体5000億円前後で推移していましたが、第二次安倍政権が始まった2012年から本格的に取り組みはじめてから急激に伸びつつあり、現在7000億を超えるまでになっています。目標は2020年までに1兆円ということになっていますが、関係者によると目標設定をしたときには到底不可能だと言われたらしいのですが、現実味を帯びています。むしろ、前倒し目標達成を目指す方向で議論されています。

まず輸出先のニーズ把握、マーケティングをどうするのかを考えなければなりません。どこに・どれだけ・どのような商品が売れる可能性があるのか、その把握から始めないといけません。現在、誰も俯瞰的に把握できているとは言えない状況だと認識しています。

その次に、流通経路・サプライチェーンの問題があります。全くそこを握らずにごり押ししていくと、当然のごとく国内の食品産業構造と同じことが起きてしまいます。つまり、安く買いたたかれる。海外に組織を作るのか、既存の組織をコントロールするのか、方向性はいろいろ考えられます。いずれにせよ、コールドチェーンは必要不可欠でしょうし、高濃度窒素ガスによる鮮度維持など最先端のことを真剣に考えるべきかもしれません。

国内の卸売市場に輸出の拠点を構築すべきとの論もでています。良いアイディアだと思っています。農家に輸出もできますよという感覚を持ってもらうことも必要です。ただし、ついでに輸出では輸出先のニーズに合致しないことを前提にしなければなりません。輸出用と国内用は最初から別々にすべきです。さらには、現地での市場開拓をありとあらゆる日本食文化普及活動で行い、見えていない可能性を追求する必要もあります。

輸出入に関わる現地の規制などの非関税障壁も外交交渉で取り除いていかなければなりません。検疫やHACCPなどの問題です。原産地表示もフル活用しブランドを構築する必要もあります。さらに言えば、GNI的な発想としては、日本型農業システムごと海外に持っていくという手もあります。

部会長が何度も口にしているように、農業輸出は発展途上段階。誰も本気で考えてこなかったことを、黙々粛々とやっていかなければなりません。