そういえば、地方主権?

  

民主党がいよいよ目玉の地方「主権」の文字を使わないようにする方針を固めたそうです。野党に配慮した結果とのこと。と言っても何のことか分からないと思いますので少し説明します。

自民党政権時代、政府は道州制を視野に入れた地方分権改革をすすめてきました。「分権」です。しかし、民主党は、分権ではあくまで国があって権利を地方に分け与えてやっているようなイメージがあるので、地域中心だから地方「主権」とした。

民主党の言葉の使い方は選挙的にはキャッチーで素敵です。"Change"とか言われると、私もホロホロしてしまいますが、政治や外交を少しかじれば、主権、と言う言葉の定義はなんだっけ?と思ってしまいます。

たかだか言葉と思われるかもしれませんが、言葉によって思わぬ方向に議論が持っていかれることもあることを考えれば、不用意にあらぬ方向に走りかねない言葉を使うのは問題だと思っています。

主権とは(政治学入門、山岡龍一)、「一定領域内における最高権力であり、あらゆる権力のなかで究極的なものである」。

で、何が言いたいかと申し上げますと、地方「主権」と言う言葉だと、目指す意気込みとかは伝わるのですが、では最終的に、ぶっとんだ県知事が現れて、県の軍隊を作る、とか言っても阻止できない枠組みになる可能性がある。少し大げさですが、要するに、アメリカ合衆国よりも更にばらばらな日本となり、もはや日本ではなくなる、ということも考えられます。

ということで、ずぅ〜と主張してきましたが、こういう状態で主権の文字がなくなるのは少し寂しい気がします。