補正予算案が衆議院を通過しました。数日後には参議院で成立することを願っていますが、この補正、何の事かと言えば、主に景気対策です。しかし単なる景気対策ではなく、とにかく地方が元気になる補正予算とお考えいただければと思います。
がんばる中小企業や農家、猟師、そして地域づくり、まちづくりに真剣に取り組む人など、日本の元気を下支えする人を応援する施策に1.4兆円、女性や若者、高齢者や障害者などで働く人を応援するための施策が0.3兆円、地域経済のためのインフラ老朽化対策など減災防災関係で3.1兆円、消費税増税による影響緩和策として0.7兆円。あわせて5.5兆円の補正です。
今の経済の状況と補正の意味ですが、分かりやすくするために、誤解を恐れず、物事を単純化してみます。日本の人口が4人だったとします。総理大臣と銀行頭取と寺田社長と山下君(もちろん架空の人物)。山下君は寺田社長の会社で食べ物を作る仕事をしています。お金を稼いで、そのお金で会社の商品である自分で作った食べ物を買って生活をしています。
山下君は景気が悪くなったと思い、なるべく余計な出費をしないようにしていました。ところがそれでは寺田社長の儲けが少なくなります。社長は困って給料を下げました。給料が下がった山下君。困って余計に食べ物を買わなくなりました。すると社長もさらに困って更に給料を下げました。
これがデフレスパイラルですが、こんな状態だと総理は国を案じて何かしたいと思う。でも総理は山下君の将来の年金のために借金が既にたくさんある。こんな状況を脱却する方策はなにか。前の総理は、山下君と寺田社長からお金を借りて(国債)、生活が苦しい山下君にお金をあげた(子供手当てなどの給付)。
しかし、山下君はこう考えた。総理からお金をもらったけど、総理は借金まみれでそんなに給付は続かないだろう。一方で給料は下がったままなので、将来に備えて総理からもらったお金は貯めておこう。結果、デフレは解消されず総理の借金が増えた。しかも、もう山下君や寺田社長も、国に貸せるお金がなくなってしまった(累積債務と国民総資産)。総理が借りるとしたら、外国人か銀行だけになっている。
そこで頭取も腹をくくってお金を総理に大胆に貸そうということになった(アベノミクス)。山下君も寺田社長もこれでお金が回りそうだと感じた(期待インフレ率改善)。でも実際は、総理はいくらでも銀行から借金できるわけではなく、借りれば借りるほど金利が高くなるリスクがある。金利が高くなったら借金も雪だるまなので、総理としては借金返済も考えていかなければならない。だから山下君や寺田社長から取っていた税金(消費税)を少し増やすことにした。
ただ税金を増やすと、またデフレ気味になるので、寺田社長に発注する仕事を少し多めにした(今回の補正予算)。ただ、単に発注するのではなく、寺田社長が効率よく製品をつくったりするように誘導することにした。そうすると、寺田社長もより儲けることができ、山下君は同じ働きで、よりたくさんの食べ物が食べられ、より多くの給料がもらえる。すると山下君も寺田社長も元気がでてきてがんばろうとする。デフレが解消できれば総理も寺田社長に発注していた仕事も少なくでき、寺田社長も元気なので税収は多くなり、総理も借金返済ができる、という算段。
かなりゆるい議論で、それほど簡単にはいきませんが、単純化すればこんな構図です。
事業の詳細についてご関心の向きは事務所までお問い合わせ頂ければと思いますが、とにかく今年は日本にとって正念場。全員でがんばって日本を復活させましょう!