国連女性差別撤廃委員会?女性天皇?選択的夫婦別姓?

昨日、国連女性差別撤廃委員会が日本に関してまとめた見解で、皇室継承が男系男子に限定しているのは女性差別にあたるなどとしようとしたことが報道で明らかになりました。結果的には、外務省の抗議によって削除されましたが、日本の伝統や文化を無視したとんでもない内政干渉であり、二度とこのようなことがないことを強く求めたいと思います。

 ただ、今日はその話で思い出した別の話をしたいと思います。

 今、国会内では、選挙があるのではないかという話題がしばしば聞かれるようになりました。先日もとある会合で話がでたのですが、転じて、選挙時のマスコミによるアンケートの話題になりました。

 当たり前ですがこれは新聞各社が全候補者に対して政策の考え方のアンケートを求め、その結果を新聞紙上で紹介し、有権者に対して投票の参考にしてもらおうという趣旨です。大変すばらしい。

 賛成か反対かという0か1かのアンケートがほとんど。政治という超アナログな世界に超デジタルで答えを求められる。有権者にとっては分かりやすくていい。ただ問題は、前提条件によって結果が変わる政策はままあって、それを主張できないで単純に半か長かを求められると結構なやむ。

 例えば皇室典範の在り方について、私は女系天皇はどうですかと聞かれればどこまで行っても反対ですが、女性天皇はどうですかと聞かれれば、原則反対ですが、仮に皇室が途絶えることが明らかな場合は現実論として選択肢の一つになりうると思っています。女性天皇が女系天皇まで崩壊させる第一歩だという主張もありますが、私はあくまで緊急避難的に(という言葉は望ましくない言葉ですが)一時的に緩く運用するべきという以上のものではありません。そのあたりが境目です。結局、改正については反対ですが未来永劫ではなく前提による。こうした考えは、単純に○か×かと聞かれれば悩む。○と書くと完全容認で女系天皇まで容認しているように見える。×とかくと徹底的に反対に見える。しょうがないから選択肢にない△なんてしてみるわけですが、そうすると、どちらとも言えない、と書かれてしまう。そうじゃないんだけど。

 もちろん、くそ真面目にそんなことをぐだぐだ言わずに×と書けばいいという話はあると思いますが、真意が全然伝わらないですよね。なぜそう思うのかという主張を政治家って生き物はしたいんです。そんなことは選挙アンケートでは許されない。

 またもう1例挙げれば、私は選択的夫婦別姓は原則反対。しかし、前提条件として国民の過半が望むのであれば、検討する余地はあり(何故ならば、事実、社会的精神的物理的に不利益を被る人が僅かながらいるため)。ただしその場合でも、前提条件としては、そうした方の救済措置として極めて厳格に運用することを前提に(例えば家庭裁判所でやむにやまれぬ事情ありと認められる十分な理由があると判断される場合)認めるというところあたりが境目だと思っています。ってなことを、○か×かと言われると、んーとなってしまう。×とかくと、徹底的反対に見えるし、○とかくと全然容認で選択したい人は申請すると認められるみたいに見える。そうじゃないんだけどな。これも単純に×って書けばいいという意見もあると思いますが。

 主張は清くありたい。常にそう思っています。問題は、清さは○と×というデジタルで表現できない場合があることです。その結果、有権者が表面的にしか判断できないということになってしまう。

 であれば、新聞紙上で、それぞれの候補者が具体的にどのように考えているかはそれぞれのホームページを参照してください、と紹介することくらいはできるのではないかと思うのですが、皆さんはどう思いますか。