雇用情勢とSDGs

雇用状況が気になってしょうがありません。先日発表された4月の雇用統計によると、有効求人倍率は引き続き全都道府県で1を超えていますし、完全失業率は0.1%上昇の2.6%で完全失業者数の増加は6万人で収まっています。しかし激変しているのは事実です。

http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html

大和総研によると就業者は先月比で▲107万人。非労働力人口も+94万人。特に女性の就業者▲70万人、非労働力人口+68万人。特に非正規の女性の雇用者は▲64万人であることから、コロナの影響で労働需要が急速に萎んでいるのと同時に労働供給も萎んでいて、特にパートやアルバイトの女性でその傾向が顕著になっています。そして休業者が+115万人と激増しており、非正規で+67万人、正規で+26万人となっており、先月の傾向が一層顕著になりました。

http://www.dir.co.jp/report/research/economics/japan/20200529_021573.html

以上の傾向から、各種助成制度を利用するなどで、なんとか雇用を維持して頑張っている企業が多いということの裏返しですが、とある試算によると平均で3か月が限界なのではないかとも言われており、また中小企業小規模事業者はかねてから事業承継の問題が指摘されていることから考えると、今後、助成制度の期間終了と同時に急激に廃業が増加、それにともなって雇用環境が急速に悪化していく可能性もあります。

今夏までに感染が再拡大しないよう全力で取り組み、また皆様方には大変恐縮ながら不要不急な外出はお控え頂き、社会経済活動が通常どおりに再開できるような環境を整えていかねばなりません。また、感染状況を注視し、社会経済活動が通常通り再開できる目途が立たない場合は、第二次補正予算で計上した予備費を使い、生活と経済を政府が下支えする必要があります。

もちろん続く限り政府の下支えは必要ですが、一方で政府が永遠に下支えすることを前提とした戦略などはあるべき姿であるとは思えません。そういう意味で、今年いっぱいは感染症対策と経済財政運営は極めて難しい状況になるのだと思います。そして、それにあたっては、昭和的えいや感でやるのではなく令和型の説明可能な運営方式にする必要があり、その為には運営指標が絶対に必要になるのだと思います。現在、同僚議員とともに検討しております。

一方で、今回のこのパンデミックが仮に落ち着いたら是非取り組まねばならないのが、社会構造の在り方の議論であると思います。例えば、多くのESG投資家が、配当よりも従業員雇用維持を優先すべきだと表明しています。今回のコロナによってSDGsの流れがなお一層加速するような施策を打っていかねばならないのだと思います。危機の際に国家財政のみに頼らずとも協調して危機を乗り越えられる仕組みを構築すべき時代に入ろうとしているのだと思っています。