燃油高騰対策

ガソリン高騰が続いています。現時点でレギュラーが170円程度ですが、現在、政府はリッターあたり40円程度の補助金を出していますので、単純計算すれば補助がなければ210円程度ということになります。経産省が燃油高騰対策の特設サイトを設置していますが、分かりやすいデータを掲載しているので紹介します。

https://nenryo-gekihenkanwa.jp/

では、世界で比べるとどうなるのか。地図でみると。
https://www.statista.com/chart/5316/petrol-prices-around-the-world-visualised/

この地図のデータソースは下記です。
https://www.globalpetrolprices.com/gasoline_prices/

では税負担はどうなのか。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/133.pdf

価格でみると現状で日本は世界の中で下位5分の2程度に位置し、ヨーロッパが特に酷く日本の2倍。安いイメージのあるアメリカも日本を超えています。税負担もアメリカとメキシコを除き、極端に税負担が高いというものではありません。車関係の雑誌であるモーターファンが特集をしていますので紹介しておきます。
https://motor-fan.jp/mf/article/64541/

以上の前提を共有した上で、高騰対策はどうあるべきなのかを考えてみたいと思います。結論から言えば、今回の市場混乱に対応するには、補助額を機動的に段階を踏んで上げていく現在のやり方が正解と思っています。

主な理由は、更なる市場への混乱を招かないからです。トリガー条項という言葉が話題になっています。凍結解除を完全に否定するものではありませんが、そもそも現行の補助金40円(今後も機動的に変化可能性あり)の方が補助率が高い上、解除には法律の改正と施行時期の設定が必要で、そうすると〇月〇日から急に25円安くなる。解除前には恐らく買い控えや駆け込みもあり安定供給にも影響を及ぼしかねず、その対策が必要です。また、灯油や重油など直接対象とはならない燃料を別途手当する必要もある。

従って、市場の動向に合わせて柔軟で機動的に対応できる補助金の方が望ましいと考えています。もちろん、これは全権を政府に委ねることになりますので、議会の特に野党としては嬉しくないはずです。しかし、市場という生ものを見る限り、現行制度の方が優れた手法であると言えます。

一方で、以上のように考えれば、そもそもトリガー条項という制度自体、どのような市場動向になっていたら発動し得るのか、中長期的に考えておかなければならない問題です。同条項は、私が初当選する前の2010年、民主党政権時に導入された制度ですが、東日本大震災をうけて制度が凍結されていました。ただ、解除すると市場に大きな混乱を当然及ぼすものですから、そもそもこのトリガー条項は非常に使い勝手が悪い制度になっています。