政権公約は絶対的なものか

本日、山が動く予定らしいので、その日の朝にあたって一筆啓上申し上げたいと思います。

政権公約は絶対的なものか。

政権公約が修正されたことは民主党に限らず過去に何度かあります。ただ、過去の自民政権の場合は、なぜ修正することになったのかについて、程度の差はあれ説明の努力はありました。説明してボコボコにされることが通常であったと記憶しています。しかし、あえて説明するのは、経験からくる「これではもたん」という直感による政治家としての素直な行動だと理解しています。

野田首相の政治を愚直に前に進めるという手法は嫌いではありません。ただ、ストイック過ぎはしませんか。私はこういった手法を見ると幕末の新撰組をいつも思い出します。一途でカッコイイ。だけど、客観的にみれば、やっていることが時代に必ずしもマッチしていない。

第一、さきほど申し上げた「これでは政治がもたん」と思う感覚が欠如しているのか、逆に言えば「政治がもたなくてもこれさえやれればいい」と思うのか、なぜ先んじてやるべきことが多くあるのに消費増税なのかを、国民に十分に説明しているとは到底思えません。大多数の国民が納得いかないのでは、それを代表する国会議員に納得いかない人がいても不思議ではありません。逆も真なり。国会議員に説明し説得できていないのに国民が納得するはずがありません。

1.政権公約の修正を公表し、謝罪し、説明すべきです。
2.政策理念を丁寧に説明すべきです。

これが政治の地盤沈下を防ぐ唯一の方法です(もう遅いか・・・)。このままだと、政治というものは、選挙のためには、有る事、無い事何でも言う集団だと思われてもしかたありません。これは民主党だけの問題ではなく、政治全般の地盤沈下に繋がる問題です。

あくまで政党は理念と政策を語るべきです。

もちろん、それを実現するために裏ですったもんだの駆け引きがあってしかるべきだとは思います。なければ絶対にうそですし、簡単にできるのであれば官僚でもできます。表に立っては理念と政策を語り、裏に入っては実現に汗をかき、醜い部分が衆目に晒されたときは、潰れようが何しようが正々堂々と理念と政策を語るべきだと思っています。

ちなみに、政権公約を守らなかったからけしからん、と言って党を出て行くグループは如何なものか。第一の問題は、そもそもその政権公約が達成困難なものであることが明るみになっているではないか。第二に、政権公約維持に秘策があるとしても党内で主張が通るようにがんばるべきなのではないか。一度選んだことを、コロコロと変えるのは少なくとも私は是としません。自分の立場が悪くなろうが一度選択した道は貫き通したいものです。それが政治の信頼に繋がってくるものだと確信しています。