研究不正問題で荒れた2年間でしたが、理化学研究所は継続的に斬新かつ先端的な研究成果を着実に挙げていることが分かります。
もちろんSTAP細胞問題以降、研究不正撲滅のためにこの2年間、様々な取り組みを自主的にし、また同時に自民党でも不正撲滅のための議論をしてきました。これからも、不断の努力をしていかなければならないのは論を俟ちません。(ちなみに、私は同問題は、もちろん理研の研究体制の問題でもありますが、むしろ一義的には学術雑誌の査読体制の劣化を大いに指摘しておきたいと思っていますし、そもそもの本質的としては、研究者の評価を論文数などの具体的成果に求めすぎて研究者が雑念を捨てじっくりと研究に没頭できない体制にこそ問題があると思っています。)
ただ、冒頭に触れたいように成果は成果として大いに歓迎したいと思います。
今般、日本は偉業を成し遂げたんだと、日本人として喜びたいと思います。原子番号113、自然界には存在しませんが、人工的に安定的な原子番号113の原子の存在を確認し、命名権をアジアで初めて取得しました。
すいへいりーべーぼくのふね。高校生のときに覚えた原子番号表の語呂合わせは未だにしっかりと頭にこびりついています。あの原子番号表に日本人が発見し命名する原子が登場することになるとは思いもよりませんでした。
世界一の研究開発拠点を目指すべき。目的は箱をつくることではなく、世界の優秀な人材がこぞって日本に集まって、価値の高い知的生産活動を行ってくれること、それによって日本はもちろん世界に貢献するような知のハブ・人材のハブになってくれることを望んでやみません。だからこそ、一時断念した、特定研究開発法人への指定を、他の主要研究所とともに、早急に実現しなければなりません。
以前も書きましたが、古代ローマの時代、エジプトのアレクサンドリアに当時世界最大を誇る図書館がありましたが、とある事件で焼失するということがありました。それをクレオパトラがみて、わざわざトルコのベルガモンから、当時世界第二位の規模を誇る図書館を巨費を投じてアレクサンドリアに無理やり移築させたのた何のためかというと、クレオパトラが図書館というものがあれば世界から優秀な人材が集まってくることを、そして集まってくると自然に地域が発展することを知っていたからに他なりません。