アメリカ出張報告

アメリカに出張に行ってまいりました。この出張の目的は、国際社会に日本の社会構造をわかってもらうこと、それを起点として、国際社会のあり方と日本の役割を同盟国と議論すること、それを通じて日米同盟の安定的運営に向けた次世代のコミットメントです。小泉進次郎代議士を団長として、福田達夫代議士、村井英樹代議士とともに参りました。大掛かりなテーマの出張でしたが、発信力の高いメンバーでしたので、成果もあったものと思います。

背景には国際社会の構造変化と秩序の揺らぎがあります。それを見越して戦略的にとは言いませんがアクションを起こしておかねばなりません。日米関係も首脳同士の個人的な関係が大きく寄与していますが未来永劫安倍トランプ関係に頼れるわけではありません。若手議員によって日米同盟の維持強化に対して将来的な積極的コミットメントの意志を示すことは重要なことです。そのためには、日米双方の社会構造の変化と政治を相互に理解しておかなければなりません。また、二国間だけではなく、WTO改革など、日本が果たしうる役割を考えつつ、雰囲気を醸成していくことも重要です。

因みに、こういう雰囲気というのはすぐに変わります。例えば◯◯国は良い国だという雰囲気が、数年経つとあっという間にダメな国だ、となり、◯◯同盟の方が良い、などということになってしまいます。そしてその雰囲気は、ワシントンDCのものと郊外のものとのズレもあります。したがって政治におよぼす影響もかなりのダイナミズムがあります。そういった意味で、常に努力をし続けなければならないのだと思います。

さて、日程は5月1日から5月6日まで。CSISでの団長の講演を中心に、同会場でメンバーによるパネルディスカッション、上院議員やシンクタンク、政府関係者との意見交換などを行い、情報発信に勤めました。いつものことですが、海外出張にくると、全力で日程を詰め込むので、朝は7時台から活動を開始し、夜は11時頃になるという、まぁこれは結構しんどいことになります。

 

 

CSISでのパネルディスカッション後の一幕

CSISでのパネルディスカッション後の一幕

多少具体的な日程に触れると、アーリントン墓地での献花、マーシャ・ブラックバーン上院議員、コリー・ガードナー上院議員、アレクサンダー上院議員、エド・サリバン上院議員との意見交換、経団連主催のレセプション、ヘリテージ財団、アーミテージ、CSIS、ブルッキングス研究所、CAPといったシンクタンクとの意見交換、政府関係者との意見交換、そしてアナポリス海軍士官学校への訪問と昨年他界したマケイン上院議員のお墓に献花して参りました。

最後のマケイン議員の追悼から触れます。マケイン議員はアナポリス出身の元海軍パイロット。アナポリスはエリート中のエリートが行くところで国民の尊敬と期待が集まるところですが、そこ出身というだけではない多くの魅力がマケイン議員にはあったと思います。特に軍関係者の同氏に対する尊敬は絶大で、多くの軍施設で他界後長きにわたってアメリカ国旗が半旗掲揚されていました。改めてご冥福をお祈りします。

マケイン上院議員

マケイン上院議員

また到着早々に訪問したアーリントン墓地は国が運営する国のために亡くなった兵士を祀る墓地で、私もしばらく行く機会がなかったので、貴重な機会となりました。改めて哀悼の誠を捧げます。

CSISでの団長の講演は、冒頭述べた趣旨に基づくものですが、海外の評価は非常に高かったのだと思います。よく耳にした意見の代表的なものは、次世代の政治が人口減少などの諸課題に非常に明るい前向きな姿勢で挑んでいるという印象を持った、というものです。また、後半のメンバーによるパネルディスカッションも比較的好評で終始英語で明るく直接訴えたことも功を奏したのだと思います(私は少しクソ真面目だったなと反省)。特に、村井英樹代議士の発言は、爽やかで心温まる雰囲気を会場に作ったのだと思います(上記動画の51分あたりから)。

各上院議員での意見交換で、それぞれから日米関係の重要性について、表面的社交的なものではなく熱いメッセージをいただきました。ありがたい事に、コリー・ガードナー上院議員は我々との面談の翌日に、メネンデス上院議員ら4名での超党派連名で、日米同盟強化に関する国会決議を提出してくれました。ありがたい事です。

Resolution Calling For A Stronger U.S.-Japan Alliance, U.S. Senate Committee on Foreign Relations, May 02, 2019

シンクタンクでの議論は、深い議論になる場合もあれば、表面的なものに終わることもありましたが、全般的に言えば良い議論ができたものと思います。

ハドソン研究所

ハドソン研究所

 

ハドソン研究所ワインスタイン所長

ハドソン研究所ワインスタイン所長

アナポリス。アナポリスには現在も毎年海上自衛隊の幹部職員が派遣されており、日夜日米同盟の強化を下支えしてくれています。そしてアナポリスは日本を感じさせるものであることを実感しました。例えばアナポリスは設立1845年ですが、爾来、日本人も入校しており、驚くことに、先程触れたマケイン議員のお墓と同じように、亡くなった日本人のお墓もあります。また、琉球の鐘(本物は日本に返却・現在レプリカ)や戦艦大和の模型、苦戦したミッドウェイ海戦など、負の歴史なのにも関わらずそれを乗り越えた関係であることに気付かされます。

アナポリス

アナポリス

因みに、咸臨丸もアナポリス出身の米海軍にお世話になったのだとか。咸臨丸は日米黎明時代に活躍した軍艦で、日米修好通商条約調印のために帰路についていた米艦船に随伴し、福沢諭吉やジョン万次郎を乗せて米国に向かった船として有名ですが(我が地元の塩飽水軍から水夫が多くでている)、途中で嵐に遭遇し操船が危ぶまれたところを救ったのが、アナポリス1期生卒業の米海軍士官であるブルック大尉。本当は自国の船で帰るはずだったところ、事情で乗れず、咸臨丸にたまたま乗せてもらったのだとか。アナポリスが無ければ、福沢諭吉もおらず、日本の発展も遅れていたかもしれません。

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