自民党の政務調査会に科学技術イノベーション戦略調査会という会議が設置されてい
ます。この問題は中長期的に日本の成長の原動力になりうる議論ですので、初登院以
降積極的に議論に参加をしております。
いわゆるアベノミクス3本目の矢である成長戦略のためには、産業の競争力を強化す
ること、そのために必要かつ適切な規制改革を行うこと、そして科学技術政策を推進
すること、が必要です。これを総合的に扱うために、首相官邸に、日本経済再生本部
が設置されています。会議体としては、記述に対応した産業競争力会議と規制改革会
議がこの本部の下に設置されています。一方で、科学技術は既存の総合科学技術会議
が担う構造になっています。そして、これらの会議体が、お互いに連携して総合的に
成長戦略を立てるというものです。
で、冒頭の自民党会議の目的は、字義通り、科学技術政策の議論です。
日本の科学技術政策は、平成7年に制定された科学技術基本法に基づいて、5年に一
度、科学技術基本法が策定され、現在は平成23年に設定された、第4期のものに
なっています。
前置きが長くなりました。
科学技術はPDCAサイクルを回していくことはもちろん大切ですが、国家が成長戦略と
して科学技術を推進していく上で絶対忘れてはならないのがリスクを政治が取るとい
うことです。投資して絶対に利益があるとわかっている、あるいはかなりの確率で予
想できる課題に対しては、民間が絶対に研究投資を行っています。国がやることは、
リスクが大きすぎて民間では手を付けられないけど、ひょっとしたら莫大な利益がで
るかもしれない分野です。
一時期、事業仕訳がはやりましたが、これはこれで必要な観点ですが、科学技術投
資、特に基礎研究に近い分野は、無駄か無駄でないか、という視点には馴染みませ
ん。無駄から莫大な利益がでる世界です。0から1を生むことにはリスクが必ずとも
ないます。
そこで同会議では、ずうぅっと主張していた点があります。アメリカのDARPAという
軍が運営している組織です。ここは何人かの目利き役マネージャがいて、彼らが年が
ら年中、国内の研究機関を回っていて、これだ!と思う研究分野に多額の投資をす
る。だから驚くような研究成果がでます。
主張していた結果、戦略調査会の提言書に盛り込んでいただき、官邸に提出すること
ができました。もちろん、官邸が採用するかどうかは別問題ですが、主張が官邸に持
ち込まれたことについては一定の満足感を得ています。
これからもがんばって参りたいと思っています。