激動の10か月~感謝を込めて

第一次と第二次の岸田政権で内閣府副大臣を務めましたが、本日を以ちまして、その任を解かれることとなりました。与えられた任務を全うするにあたって、お支え頂いた全ての皆様に感謝申し上げたいと思います。総裁選を経た岸田内閣の発足、ウクライナ戦争、SWIFTオペレーション、サハリン2オペレーション、携帯接続障害、コロナ、燃油物価高、参議院選挙、と特に激動の時期であったと感じています。特に安倍総理が凶弾に倒れるという痛ましい事件があり、政治家人生のなかで一つの節目を迎えたと自ら感じる期間でもありました。

まずは地元の皆さま、後援会の皆さまに対する感謝です。任期中は帰郷することが通常の半分程度になっていたのだと思います。就任とほぼ同時に行われた総選挙では、前回同様に変わらぬご厚情を賜りましたことは、誠に身に余ることだと思っています。また、全力で地元を守ってくれた地元のスタッフにも感謝したいと思います。

政策作りで共に汗をかいた内閣府や内閣官房をはじめ関係省庁の皆さまにも感謝を申し上げたいと思います。内閣府というと国民の皆様には分かり難い役所かもしれません。実際に、地元の支援者から、え?どこ?なに?と聞かれたものです。単独省庁では対処できない内閣の重要政策を所掌している役所で、その中で私が所掌する分野は、経済安全保障、科学技術イノベーション、宇宙、日本学術会議、健康医療(ワクチンや医薬品の研究開発)、防災、国土強靭化、領土、海洋、有人国境離島、重要土地、国際的マネーロンダリング防止対策と非常に多岐にわたります。しかしそれでも内閣府全体が所掌する分野の1/3程度でしかありません。どれも非常に重要な政策分野で、職員の皆さまには頭が下がる思いです。

経済安全保障では内閣官房の職員とそれこそ膝詰め議論をしたことは記憶に残るものとなりました。論理構成としての立案が困難な政策もありましたが、諦めることなく日本の為に深夜まで議論を頂きました。防災関係の職員の皆さまは、いつ起こるとも分からない災害に対して緊張感を途切れさせることもなく、人知れず世のため人のために汗をかいているのが、とても印象的でした。私はこうした裏方業務に心からの敬意を持っています。健康医療分野では、研究現場の様々な厳しい意見にも関わらず、ワクチン開発を前に進めるために辣腕をふるって頂きました。すべての分野を挙げればきり在りませんが、皆様を本当に誇りに感じます。

日頃の面倒を見て頂いた副大臣室スタッフの皆さまにも最大の感謝をしたいと思います。アレンジが困難な会議や日程をうまく調整頂き、政策面でも全力のサポートをいただきました。当室着任前までは全く異なる政策分野で活躍していたにもかかわらず、1週間も経つと政策面での話が合うようになったのは大変な驚きでした。また、防災の任で、災害発生時に(なぜか休日の夜中が多かった)急遽役所に駆け付けなくてはいけない場面が多かったにもかかわらず、不平不満の一言もなく全力で支えて頂きました。本当にありがとうございます。

社会と言うのは、偉い人がいて強いリーダーシップを発揮して回っている、というのもあるのかもしれませんが、私はそれよりも一人一人がビジョンを共有しそれぞれが司司で最大の力を発揮した時に、全体として強い力を発揮するものだと思っています。ただ、役所に入ると良くわかるのですが、ものすごく仕事が多い。そして批判も多い。それでも目を輝かせて前進できるのは、未来の日本に役に立つと確信しているときです。そういう時は、多分どれだけ働いても苦痛ではないのだろうと思います、と言うと前時代的なので、あくまで印象論です。

悩ましいのは、未来の政策作りをやるだけで事足りるわけではない事です。役所というものは、国民や社会との関係で透明性が必要で、国会やマスコミがその媒介を果たします。しかし国会との関係は是正すべきところが多いと感じています。例えば、役人には極めて不評な質問主意書というのがあります。国会会期中なら議員は議長を通じて行政に対して文書で質問できる制度です。民主主義を支える重要な制度ですが、民主主義のコストが意識されることが殆どありません。諸外国を参考に、コストを開示してもいいのではないかと思っています。

最後に、一番重要なところですが、小林鷹之大臣という真の同志とともに働けたのは、最高の喜びです。これはまた個人的にお礼を言うことにして、今後とも共に汗をかいて参りたいと僭越ながら思っています。また、二之湯大臣とは、災害対処を休日や深夜も含めて共にしたことは永遠に記憶に残るものとなりました。二之湯大臣は任期満了をもって政界を引退されるとのことですが、これからもご指導頂きたいと思います。

皆様、本当にありがとうございました。