外国人参政権は反対です。平たく言えば国籍を取得してもらえばいい話です。ローマに足を運ばれた方もいらっしゃると思いますが、ローマの有名な遺跡でカラカラ浴場というのがあります。風呂好きの古代ローマ人らしく、カラカラ帝が建設した公共施設です。そのカラカラ帝が歴史上何で有名かと言えば、浴場ではなく、ローマ市民権をあまねく属州人にも分け与えたことです。いわゆるアントニヌス勅令と言われるものです。まさに友愛精神的です。
勅令は元々税収増を狙ったものと言われていますが(現在もその議論がある)、属州人から得られる税収はローマ市内の富裕層に比べて少ないため、結果として支出が多くなり、国家財政は火の車になりました。
加えて、ローマ市民権が既得権益でなくなったため、ローマ市民の帰属意識からくる活力が失われ、さらに慣例的に勅令前市民が勅令後市民を差別するという制御できない人種差別が蔓延ったため、かえって不平等が拡大しました。これは明治以降の士農工商制度廃止と似ています。
やはりビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉を反芻すべきです。
#ちなみに余談ですが、カエサルは属州人の一部に市民権を与え、さらに元老院の議席数を増やし彼らを元老院議員に登用しました。これは天才です。何が起きたかというと、元老院の地位が著しく低下し、カエサルにとって容易に御せるようになりました。また、属州では、元老院入りにより、属州のローマ化に大きな影響を与えました。