一部でその手の議論があるという程度の話ですが、それでも気になる報道に接しました。保育所運営費の廃止です。
私立の保育所の話です。
ここ最近、厳しい財政状況とも相俟って、何でも民営化は良いことだ、という風潮が見え隠れする世知辛い世の中になりました。皆様どうでしょうか、公的な事業でも、おカネの切り口だけで物事を判断されることが多くないですか?しかしおカネだけの切り口だけで全ての公的事業を判断するのは難しい。だから政治が必要だと思っています。例えばミサイル。要るかといえば私は要ると答えますが、使わないから無駄だとお答えになる頓珍漢もいらっしゃる。スパコンも同様。まだ成果があったからすくいもの。
そして今回は保育。
これまで国は保育所に4000億円の運営補助を出していましたが、来年から始まる新設児童手当の財源がないからという理由で、これをカットしようという案が出ているとのこと。正確に言えば、住民税の扶養控除が来年から廃止になり地方の増収につながるのですが、新設児童手当の財源を、これに求めたところ、地方から相当の反発があったので、保育所補助カット案がでてきたとのことです。
カットされたて保育所はどうなるかと言うと、地方税控除廃止分の増収分を、一般財源として、保育補助でもなんでも好きに使ってください、地方の時代ですから、ということのようです。
一番気になるのは、地方分権の推進に繋がると考えていること。
それはまずいでしょう。外交安保・教育・社会保障など国家に必要最小限のことは国がやるべきで、国がやる最低限のことの上乗せを各地方が独自にやるというのは分かりますが、全部まる投げは国家感の無さを露呈していると思います。
しかも住民税の年少扶養控除ということは、山間部の田舎ほど子供は少ないわけで、廃止に伴う税収増が少ないわけですから、子供の多い都会ほど増収が多い。益々若者は都会に出て行き、地方分権の本来の趣旨ともかけ離れる。国はこうしたところにちゃんと関与して、地方分権の本質的な形を作るべきだと思っています。