北朝鮮ミサイル

北朝鮮がミサイルを発射した事案について、それ自体、一連の安保理決議を無視し、国際社会情勢をないがしろにした、自国さえよければというわがまま勝手な、地域の安定と平和を著しく乱す行為であり、断じて容認できるものではありません。

しかし今回言いたいのはそういうことではありません。

1.政府批判も良いが海外へのメッセージを考えよ。

第一に国内の政治についてです。報道によると、発射事実を公表するタイミングがかなり遅れました。確かに政府の情報伝達体制はうまく構築できているとは言えない状況であることが分かりました。全く言語道断です。不意打ちだという言葉が閣僚から出てましたが、ずいぶん前から発射予告を期間も定めてしていましたのでそれはおかしい。ずいぶん準備期間があったはずであり、危機管理意識があるのかどうかさえ不安になります。しかし同時に、海外へのメッセージ性も考えなければならないのではないか。醜態は醜態を演じたほうに一義的な責任はあるが醜態だと意味もなく騒ぎ立てることは控えたい。同じ日本です。それを追求するがあまり、誤ったメッセージを国外に発してしまっているようなことにならないように注意しなければなりません。

第二に北朝鮮自体の動向です。あまり報道されませんでしたのであえてつまらないことを書きますが、なぜ北朝鮮は大勢のマスコミを高級そうなプレスセンターまで作って呼んだのか。目的は、マスコミの言う金ジョンウン氏の威厳付けや金日成生誕100年前のけいきづけという意味ももちろんあるとは思いますが、私は外貨獲得のための最大の宣伝であったと思っています。それこそテレビコマーシャル。

北朝鮮は、海外に毎年1億ドル程度の武器輸出をし外貨を獲得しています。これは武器輸出では世界で10番目くらい、GDPの0.6%を占めています。日本で言えば消費税1〜2%分くらいを武器輸出だけで稼いでいるような感じです。

非公式な記録で言えば、シリア・イラン・イラク・イエメン等中東への輸出が中心ですが、正確には把握できていません。各国の国際空港で北朝鮮貨物から種々の武器が押収されています。小分けにどんどんと売っているのでしょう。

日本はこれまで北朝鮮に対しては拉致核ミサイルの三拍子を目標に対応してきましたが、手段は経済制裁と外交(米・6者協議・国連)でした。そろそろこうした武器輸出ルートの解明と武器取引の国際市場からの締め出しに本格的に取り掛かる必要があるのではないかと思っています。