どうなる日本経済、どうする日本経済

先の選挙で、我々は期限を切って日本経済再生を国民の皆様にお誓いしました。そこで私なりに今年の展望を書き残しておきたいと思います。

昨年から今年にかけての特徴は、地方の活力を取り戻さないとダメだということが、マクロ面から政策を論じる者の共通の認識になってきた、ということに尽きます。マクロとミクロの両面から取り組むことこそが、日本の経済を取り戻す唯一の方法だ、ということです。

まず現在の経済政策の基本方針について改めて簡単に書くと、雇用を始めとした規制改革を断行し、地方創生によるミクロ政策(第一弾は国により第二弾は地方による)によってサプライチェーンを再構築し(地方創生は本丸なので後日詳述します)、税制と社会保障制度の見直しによって公金の流れを純化させ、EPA・FTAによって外需拡大を図り、さらに地方創生と同じくらい重要なイノベーション戦略によって青色LEDのような成功事例をたくさん作り、あらゆる産業の賃金上昇を実現していかなければなりません。2年越し計画です。

今年のマクロ面の政策ポイントは、実質賃金の上昇です。名目賃金は上昇していますが、実質賃金は低下しています。消費税増税によるものです。物価上昇以上に賃金が伸びないと、消費も伸びません。だから設備投資に勢いがでない。好循環を生んでいる状況には未だありません。地方創生、消費拡大、中小企業対策を中心に、徹底的に政策を打たなければなりません。実質賃金上昇は十分実現可能な環境は整っています。少し説明しておきます。

財政金融のマクロ政策によってデフレマインドの脱却は順調で、全体基調としては悪くはありません。しかし成長率は完全に鈍化。消費税増税によるマイナスインパクトは予想以上に大きいものでした。第2四半期でー6.7%、第3四半期は大方の予想に反してー1.9%。2014年の政府経済成長見通しはー0.5%となっています。特に地方経済は、消費増税に加えて過度急激な円安によって負担が大きくなったため、回復が遅れています。

2015年の経済成長の政府見通しは、+1.5%(名目+2.7%)。前述しましたが2014年の設備投資・消費ともにぱっとしませんでしたが、今年は、本予算96兆円、補正3兆円を使って、地方創生・消費拡大・中小企業が重点政策になっています。

注目すべき指標は原油価格です。昨年夏から下落傾向で、1バレル100ドル程度であったものが、現在は45ドル程度。日本経済にとって(資源輸入国にとって)大きなプラスになります。先の政府見通しはIMF予測に従って1バレル70ドルで計算しているのですが、仮に50ドル水準が続けばGDP押し上げ効果は1%以上という試算もあり、原油価格は今後注目しておかなければなりません。そのほか、消費税のマイナス効果も緩和されつつあり、設備稼働率も高水準なことから、現状でも生産余力が十分なわけではなく、設備投資は増加すると見込めます。政府見通しでも設備投資増加率は5.3%を見込んでいます。

国際収支は、貿易収支でみると今年は過去最大のー12.7兆円の赤字ですが、月別にみれば、原油価格の下落によって、赤字幅は圧縮傾向にあります。だからと言って、外需が大きく望めるかと言えば、世界の経済で好調なのはアメリカ位。欧州はデフレ局面に入り量的金融緩和を開始予定。為替も下落しており、ギリシャ問題再燃で今後の動向がはっきりとは見通せない状況です。中国も7%以上の成長はあるとはいえ、鈍化。過剰労働力が解消したため(ルイスの転換点超え)、賃金上昇の局面にあり、過剰設備投資や金融不安など不安材料は払しょくできていません。可能性のあるのは、インド。日本と同じ資源輸入国であり、原油下落で強い経済成長を望める可能性はあります。

中小企業需要創生法案

頑張る人が報われる社会。使い古された表現ですが、やはりここは応援したくなる領域です。この国は実は新しく何かを始めようとする人にはまだまだ優しくない。それが実感です。スタートアップ企業の状況はいずれも厳しい。なぜかと言えば、当然ですが全部を相手にすることができないからです。ずぶずぶに補助金を投入することなんてできません。各府省庁が支援策を打ち出しておりますが、かゆい所にまで届いていない。

そしてもう1つ言えば、地方創生。これをやれば絶対に創生するというものはない。しかし、有効だと思われる政策を、その政策の玉は小さくても大きくても、一生懸命そういう玉を込めてたくさん打って行かないと、地方創生というのにはなかなか行き着かない。どれだけの玉を打てるのかというのが勝負だと思っています。

今日、資料を整理していて思い出したのですが、昨年、臨時国会に提出されたはいいものの、残念ながら廃案となった(衆議院は通過)、いわゆる中小企業需要創生法案。具体的には3つの法律の改正のことです。これもそうした類のものです。

何かと言えば1つは、官公需から見れば創業間もない中小企業は信用が十分でない場合があり、発注機会が限定されていることを解消しようとするもの。いわゆる箔付けの意味もあるため、意義は十分あると思います。(官公需中小企業受注確保法の改正)

また、個別企業の取り組みがメインだった、ふるさと名物(農産品や工業品)を活用した事業を、市町村が積極的に関与して地域ぐるみの活動に広げるためのもの。消費者との接点を創造できる。(中小企業地域資源活用促進法の改正)

そして、中小機構は官公需やふるさと名産の情報を提供したり融資をしたりすることができるようになる。(中小機構法の改正)

地方創生に繋がるローカルアベノミクスの政策の玉であったので残念ですが、これからも頑張る人が報われる社会を目指したいと思います。

寄付文化の醸成

学校法人に寄付をされた方もいらっしゃると思いますが、寄付をすれば所得税の特別控除を受けれます。ところが、これには条件があって(PST要件)、寄付金の収入額が学校法人の経常収入金額の20%以上か、または3000円以上の寄付者数が年平均100人以上の学校法人が対象の場合ということになっています。規模の小さな学校だと前者は難しい。後者も難しい。だから難しい。

このPST要件が昨年の税制改正要望で緩和され、先日閣議で決定されました(対象は学校法人・準学校法人・学校等を設置する社会福祉法人)。施行されることを強く望みます。

新しい要件は、20%要件は同じですが、人数制限が大幅に緩和され(本当は撤廃してほしいけど)、但し書きとして、収容人数が5000未満の場合には、定員÷5000×100人(最低10人)でかつ合計寄付額が30万円ということになりました。つまり、例えば小さい学校法人(500人以下)であれば寄付者10人寄付合計額30万で控除が受けられることになります。

幼稚園であれば全国の99%が500人以下、小学校では77%、中学で75%、高校では28%ですが、1000人以下は71%です。

現行制度の問題は何かと言えば、例えば幼稚園などは園児100人くらいのものが多いので、そこに100人毎年寄付があるとは思えないので、寄付はなかなか進まない。幼稚園など大規模法人しか寄付控除適用されない。また、なぜPSTなんかあるのかと思ったら、学校法人が寄付を募る努力もしないのに控除なんかできないというのが当局の理由であったそうな。

そもそも寄付集めに頑張るから控除するという発想自体に私は違和感を覚えます。寄付は個人の自発的行為に依拠するものであって、実態は別としても理念的には学校側からの依頼に基づくものではないはずです。寄付して頂けるほど子供にとって魅力的な学校にする努力は政策的に促すべきですが、そもそも寄付自体にハードルを課しておいて寄付が少ないとして魅力づくりの努力を阻害するのは違和感を感じます。魅力あるところは寄付がどんどん集まってより魅力ある学校法人になるのが理想ではないかと思います。

学校法人だけではありません。他にもたくさんあります。例えば大学。そして国立研究開発法人。そもそも認められていない。面白いのが、衛星のはやぶさが一世風靡をし映画もたくさん作られたのは記憶に新しいですが、寄付が結構集まっているそうです。また、iPS細胞のノーベル賞受賞者山中先生のところにも集まっているとのこと(それぞれの努力も当然あります)。

善意のお金を回していく。それを公共に集める。税ではない。寄付文化の醸成をしていかなければなりません。アメリカでは、そもそも大富豪が多額の寄付をする。私もお邪魔した大学にはビルゲイツホールというのがありました。ノーブレスオブリージュの発想にもつながります。古代ローマでも、個人が私費を投じてローマに通じる道を創りました。アッピア街道などです。イタリアでは、近代以降になっても、この文化は生きているのか、民間の銀行か投資会社だったと思いますが、社会貢献の一環として、フィレンツェからシエナに行くスーパーストラーダ(無料の高速道路)を建設しました。

地方創生の方程式

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地方創生・人口減少対策について、少しだけ大風呂敷に言えば、本予算で合計1兆7千億、補正予算で4200億円の予算を組み、合計で2兆円の対策を講じています。

この地方創生。理念的に地方分権に逆行するのではないか、との下らない指摘が一部でありますが、全くそうではないことを改めて申し上げておきたいと思います。

ちなみに、なぜ逆行などと騒いでいるのかというと、傾向として、財政運営が厳しく主要産業も少ない消滅可能性の高い地方の国への要望は、使途を限定しない交付金の創設や、公共インフラの充実、東京一極集中の解消などです。つまり、こうした伝統的な政策は、21世紀に入った頃から、地方への財源税源移譲や、規制緩和、公共事業削減という流れだったからという。

改めて、地方分権を正しく理解していれば以上のようなことは言わないと思うのですが、念のため、地方の全域に対して税源財源移譲と規制撤廃を突き付けたら、財政基盤の弱いところは一発で破たんするのは誰が考えてもわかる事です。規模の大きい成功都市はその方がありがたいと思うはず。だからシンプル分権が正しいと主張していました。しかし、正しい分権は、2段階分権、ということで纏まっていたはず。つまり、各地方が同じような財政構造になるよう国がしっかりと面倒をみるのが第一段階。第二段階は財源税源の移譲です。

そしてそもそもなぜ地方創生か。私の中では以下の通りです。

中長期課題という時間軸での国家戦略としての政策目的は人口減少対策です。その人口減少対策の柱は3本。最大の柱が地方創生、2番目が少子化対策、3番目が東京一極集中対策。地方創生の柱は、第一に地方経済の好循環創造と、第二にネーミングが定まっていませんが暖かい地方環境の創造です。

第一のポイントについて、地方経済に好循環をもたらし地方が経済的に豊かになっていくことは大前提で必須の課題です。そのためには農業や中小企業などあらゆる産業の政策が中心課題になります。あらゆる産業の底上げが大切です。農業は底上げ政策のなかでは一番大切です。農業については既にこの場で申し上げましたので省略します。しかしその上で、全体底上げではない、コア産業、コネクターハブ企業の存在が必要です。

例えば中小企業という切り口。勝ち組小規模地方の典型例である徳島などは、青色ダイオードで有名な日亜化学が居続けてくれた(だけかどうかは定かではありませんが大きな貢献)ために全産業で見ても毎年大きく成長しています。成功のロールモデルです。だからこそ地方創生のためにもイノベーション政策に私は注力しています。詳細はこれも何度も触れてきましたので省略しますが、ポイントは、アイディアを育ててくれる地方企業と投資してくれる地方金融のバインド、さらにはサプライチェーンの見える化を通じた戦略性のある中小企業政策です。もちろん、中小企業政策だけではなく、アイディアの種を生む科学技術政策なども重要です。

そして、インフラも戦略的なものは先述しましたが必要です。近視眼的な経済波及効果のみのためのものはもう投資すべきではありませんが、中長期的な意味のあるものは今こそ積極的に投資すべきです。地方に人がいないから投資しない、投資しないからいなくなる。人口減少スパイラルです。これに歯止めをかけれる戦略性と具体性が描ければ投資すればいい。無理無理と思ったらできるものもできないと思います。

結局どの程度地方という不合理に投資できるかという問題と、投資すべきかという問題です。だからこそは私は、資本と社会の在り方、バランスをここで真剣に議論しなければならないと考えています。ピケティというフランスの経済学者の本がバカ売れしているのも分からなく内でもありません(結論は賛同しませんが)。

いずれにせよ、全体として地方経済の好循環が生まれれば、若者の就職環境が整い、初めて住んでもらえる。

第二のポイントとして、暖かい地方環境の創造と書きましたが、これも何度も書いていますので多くは書きませんが、基本的に社会保障の在り方の問題です。第一のポイントがお金の好循環の話だとすれば、第二のポイントは地域や家族の心の好循環の話と言っても差し支えない。自助・共助を中心に、と言ったら薄っぺらく聞こえるかもしれませんが、実際には絶対に必要な取り組みです。

例えば、家族近居政策。フランスでは同居政策としてN分N乗という政策が導入されていますが、祖父母と孫と三世代で近居することを考えれば、育児ノイローゼや孤独死という悲し過ぎる言葉もなくなるでしょうし、自助共助によって国家的な財政も軽減される分だけ、それぞれの自助共助を補助した方がニーズにマッチすると私は思うのです。そしてさらに言えば、キーワードは自尊心ですが、困ってない人や困っているふりをする人まで保障してしまっているから本当に困っている人が困る。そうした、社会のセーフティーネットの少なさを見たら、働く世代が安心してリスクをとって働こうとはしない。どんどんと小さく生きようとしてしまう。そういう心と社会保障の悪循環を断ち切ることが地方創生の1つの柱になると考えています。

しっかりと取り組んでいきたいと思います。

なお、冒頭申し上げた予算について簡単にご紹介します。

1.地方財政:本予算として1兆円計上。地方自治体が自由に使えます。
2.個別政策(小さな玉シリーズ)に本予算として7225億円
  地方雇用環境創造に、1744億円
   (地方に若者雇用30万人新規創造目標)
  地方への人口移動に、644億円
   (東京:毎年転入を6万人減らし転出を4万人増やす目標)
  若い世代の結婚出産子育てに、1096億円
  インフラ・地域間連携に、3741億円
3.がんばる自治体への交付金
  UIJターン助成、創業支援、販路開拓、観光振興、多世代交流、少子化対策など、地方の総合戦略の先行的実施のため、補正予算として1700億円。
  経済対策(生活者・事業者への支援)として、例えばプレミアム商品券、ふるさと名物商品券、旅行券、低所得者向け灯油購入助成、低所得者向け商品券、多子世帯支援策として、2500億円。

  

ISIL。日本はどうすべきか。

年始早々、日本中、そして世界中をも震撼させるニュースが世界中を駆け巡りました。

昨日20日、ISILによって、拘束されていた日本人2名の人命を盾にとった脅迫動画が公開されました。日本に対する脅迫であると同時に国際社会に対する脅迫でもあります。

ここでは、今回何をすべきか、そしてその延長線上で今後国際テロに日本人が巻き込まれた場合に何をすべきか、外交戦略としてこうした国際テロ組織にどう対峙すべきかについて触れたいと思います。

まず今回何をすべきかについて。

第一に、これはテロであり、暴力による強制はいかなる事情があるとしても、国際社会から断固として非難されるべきであり、私自身も強い憤りを感じています。

第二に、人命を最重要視して判断しなければなりません。

第三に、しかし、安易に要求に応じることは、間違いなくテロを助長します。ですから、テロによる脅迫に屈することは絶対にできません。

そして今回も含め、今後の方針について。

第四に、戦略として最も重要なのは、イスラムとISILの分離です(後述しますがISILは単なる国際テロ組織。この行動はイスラムの敬虔な教義とは無関係)。ISILに対峙するに、イスラム教の諸国を始め国際社会と密接に連携協力しながら、事態収拾に努力すべきです。そして、あらゆるルートを通じてISILとの接触を図ることに尽きます。現在ヨルダンで中山泰秀外務副大臣が対応の陣頭指揮にあたっています。

第五に、最も重要なのは月並みですが情報です。情報の収集、管理、発信。2年前までどれ一つ真っ当に整っていなかった。やろうとすると、やれ右翼だ滅茶だと反対のオンパレード。しかし、生身の国民を守っていくためには絶対に必要な処置です。そして忘れてはならないのが、目的は平和であって紛争を絶対に回避すること。守るのは組織や法律ではない。守るべきは生身の血が通った人間なのです。

第六に、中東の国際テロ組織に対峙するに間違ってもやってはいけないのは軍事部門への直接関与です。日本は独自の外交方針で米国とも欧州とも違う路線を歩んできました。だからアラブ諸国からも多少は信頼がある。今回、安倍総理は2億ドルの資金協力をアラブの周辺国に行うことを発表しましたが、これは人道支援の非軍事部門に限定されたもので、実に正しい。ごちゃごちゃ言われる筋は無い。基本的に我々はこのまま人道支援最優先で突き進むべきです。

第七に、こうした国際テロ組織に対峙するに国際社会はどういう方針であるべきなのか。以前、シリアで発生したアサド大統領による化学兵器問題の時のアメリカ外交方針について、この場で述べたときも同じですが、こうしたテロ組織に対峙するに、もっと国際社会は強くでなければなりません。理由は人道的観点です。

https://keitaro-ohno.com/?p=1834 

アメリカのオバマ大統領は早速今日、ISIL打倒を一般教書演説で表明しました。空爆と同時に地上軍の投入のことかと思ったらそうではないらしい。いずれにせよ、空爆は続行されるはずです。なお、軍事作戦に参加している国は把握しているところでは、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリア、トルコ、イタリア、ポーランド、デンマーク、イラン、サウジアラビア、UAE、ヨルダン、バーレーン、カタール、オランダ、ベルギーなどです。それぞれ支援の仕方は違います。戦闘機を出す国、シリア空爆は反対だけどイラク空爆はやる国。トルコは、国境でクルド人問題を抱えていますので難しい選択だったと思います。人道作戦を含めるともっと広がります。ハンガリー、ギリシャ、クウェイト、北欧、韓国、日本など、全部で42か国以上とされています。中国とロシアは空爆を批判しています。

次に少し苦言。

第八に、米国を中心に、ISILに対する空爆などの軍事作戦が展開されていますが、日本は、新しい自衛権発動三要件を適用すると(つまりそれに沿った新安保法制ができると)、自衛権発動としての自衛隊の参加の可能性はあるなどと、軽々に一部新聞社はしきりに喧伝して国民の恐怖心を煽っていますが、ありえません。発動要件を満たしません。新発動要件を良く読んで頂きたいと思います。絶対にありません。邦人輸送のための自衛隊派遣ならあります。これは現時点での法整備でも可能です。

第九に、少し付け足しですが、安倍総理が周辺国支援を表明したから拘束されたわけではなく、既に拘束されていました。因果分析を正確にしなければなりません。

ついでに、ISILのことについて、少し書き足しておきたいと思います。

まず、念のためですが、ISILは国家ではありません。もともとのルーツで言えばヨルダンあたりの過激派組織だと言われていますが、単純化すればアルカイダ系の国際テロ組織の分派で、本拠地はシリア。現在イラクとシリアをまたぐ地域で活動する、歴史上もっとも残忍で人権蹂躙甚だしい組織です。ここ数年で暴虐性は増し、勢力範囲は拡大。特に昨年、反アサド政権組織からの支援を受けて急速に勢力を拡大し、シリアだけでなくイラクの主要都市を次々に攻略しています。

先にも述べましたがイスラムの崇高な教義とは全く関係ない。主張は同派によるイスラム圏内の新秩序形成。つまり支配。そして拉致脅迫ビジネス。ですから、アラブの国も含めて国家承認をしている国はありません。シリアのアサド大統領も当然アンチです。そういう意味では、そしてアラブ連盟はアメリカを中心とするISIL包囲網に参加しています。そもそもアルカイダ自身もISILを非難していると聞きます。一方支持するグループはありますが、同じく国際テロ組織です。例えば昨年有名になった、人身売買組織のアフリカ・ナイジェリアのボコ・ハラムなどです。

シリアの臨時代理大使と

シリアのワリフ・ハラビ臨時代理大使と

日経BPより「日本未来図2030」が刊行

先般、日経BP社から刊行された、「日本未来図2030」(自由民主党国家戦略本部編)に寄稿した文を掲載いたします。この本は、党本部国家戦略本部の中で長きにわたって議論した結果をまとめた本です(実はこの会議には大きな想いを持って結構時間をかけて議論に参加したんです)。ご笑読ください。

ここから・・・

演繹と帰納の狭間で

夢なき者に理想なし。理想なき者に計画なし。計画なき者に実行なし。実行なき者に成功なし。故に夢なき者に成功なし。明治黎明期に活躍した政治家の精神的支柱となった吉田松陰の言葉です。この言葉には、私が申し上げたいことが凝縮されており、国家戦略本部の意義を表しています。

政策を議論する上で最も大切なことは、3つの基本軸、つまり、基本的・長期的・国際的な視点を常に意識することであり、更にこれらの軸について、演繹的・戦略的・マクロ的視点と同時に、帰納的・実務的・ミクロ的視点の両面から見つめることだと思っています。

つまり、何のための政策なのか、どうして必要なのかという原点を明確に意識しつつ、過去から現在を見つめ、逆に未来から現在を見つめ、その時間軸の中で連続性は必要なのか、長期的に持続可能なのか、などを見つめ、一方で、世界の中の日本を、また日本から世界を見つめ、その空間軸の中で政策の立ち位置を吟味する視点です。

社会は多様化しています。つまり生じる問題も多様化しているということです。人口減少、地方創生、社会保障、経済財政、外交安保などと一口に言われますが、これらでさえ相互に密接に複雑に関係しています。生じた問題を逐一議論するという帰納的視点は絶対に必要ですが、俯瞰的総合的に見て問題点を単純化し、見通しを良くして演繹的視点から議論し、演繹と帰納の狭間を生める作業が最も大切です。

自民党には、多くの会議体が設置されていますが、第二次安倍内閣で再始動となった国家戦略本部は、まさにこうした演繹と帰納の狭間を生める初めての会議体であり、私自身、参加メンバーとして、本当の意味での戦略的国家形成の始まりにしなければならないとの強い思いをもっています。今後とも、自民党国家戦略本部の壮大な取り組みに期待をお寄せ頂ければ幸甚です。

 

堀口大学と閔妃事件と戦争の世紀と

先に発生した風刺画週刊誌出版社襲撃テロでフランスに触れたついでに、ふと思い出したのですが、小学生の頃、何かのきっかけで見たフランスの画家、マリー・ローランサンについて、母親がその名前を何度も呟いていたことがあり、その作品が良いとも悪いとも何の感想も持たず、ただ漠然と、しかしハッキリと覚えているのを、40歳を過ぎて自分で不思議に思ったりしています。

司馬遼太郎風に少し脱線すると、このマリー・ローランサンは、第一次世界大戦の直前にドイツ人伯爵と結婚したことによって亡命生活を余儀なくされるという戦争の歴史に翻弄される人生を歩んだ有名なフランス人画家。同い年にココ・シャネルもいます。2人は有名人同士ということもあってか交流があったようで、シャネルはローランサンに肖像画を描いてもらっています。しかし、気に入らず返品。その作品が今でもどこかの美術館にあるそうですが、それはどうでもいい話で、シャネルも戦争の歴史に翻弄されている。というのは、二次大戦の頃に進駐してきたドイツ人将校と親密な関係になって、情報を一生懸命ドイツに流す。だから、戦後はシャネルはフランス国内では売国奴扱いされながら惨めな生活を送ったそうですが、結局はデザインの才能を見いだされ国内でも認められるようになる。如何に戦争とは生身の人間の人生を翻弄するのかと思い知らされます。

脱線しましたが、なぜ、この自分では特段の関心の無いマリー・ローランサンについて書き始めたのかと言えば、先日、NHKのドキュメンタリー、彼女と恋仲にあった日本人がいた、ということをやっていた。誰だろうと思ったら、詩人の堀口大學。私自身は堀口大學に大きな関心があるわけではないのですが、そのお父さんには大いに関心あったので、ついつい引き込まれてしまいました。

堀内大學の父、堀口九万一。日本で初めての外交官試験合格組です。後にサムライ外交官と呼ばれる人です。最初の任地は仁川。ところが初っ端から大きな事件を扱うことになる。いわゆる、閔妃(ビンヒ)事件です。日清戦争が終わった直後くらいの朝鮮半島で発生した、国母と言われた王后、閔妃、の暗殺事件のことです。日本ではほとんど知られていませんが、韓国に行けば、それこそ日本で言う忠臣蔵と同じように語られる事件です。

閔妃は夫である王が政治的に無欲かつ非主体的であったこともあり、卓越した政治能力を駆使して、国内を独裁的に思うがままに操っていた一方で、大院君(閔妃の義理の父親)と実権を巡り異常な対立関係にあった(実権は2人の間でコロコロ変わっていたのか)。

壬午事変(じんごじへん)はこの対立の中ででてくる話で、近代化を進める改革開放路線の閔妃と守旧派で鎖国攘夷政策の大院君という構図の中で、大院君側の閔妃側に対するクーデターであり、近代化に加担した日本公使館の多くの館員も犠牲になっています(事後処理に朝鮮は関与しておらず清国によって裁判が行われ関係者が処刑されている)。

その後、東学党の乱(甲午農民戦争)が起きる。東学とは、道教などの中心とした思想で攘夷・減税が基本姿勢。閔妃と大院君の間で繰り広げられる政府内の権力闘争で一般庶民は疲弊の極致にあり、政府を頼れない東学に影響を受けた農民が蜂起。主要都市を占拠する事件です。

この東学党の乱の際に執政を握っていた閔妃は、混乱収拾のため清国(袁世凱)を頼る。日本は朝鮮半島での清国の影響が強まるのを嫌い、国内ですったもんだの議論の末、軍隊を派遣する。清国の軍隊派遣理由は清国は朝鮮の宗主国であり朝鮮の派遣要請に基づくものとされた。日本の派遣理由は、日本は清国の朝鮮への支配を認めていないというもの。いずれにせよ、清国も日本も急激に朝鮮への関与を強めていった結果、対立が避けられない状況になり、日清戦争が発生する。そして下関講和条約で朝鮮は清国から独立することになり、清国に代わって日本が朝鮮半島に対する影響力を強めることになる。

その際、日本側の影響力拡大と大院君の権力奪還の思惑が合体し、閔妃の暗殺という誠に19世紀的で現代的文脈では到底想像もつかぬ悲劇を生む。堀口九万一は領事官補で着任したばかりでしたが、大院君との交渉に当たっている。漢詩による筆談を行ったという記録が残っています。そして日本では関与した日本人全員を裁判にかけています。

と簡単に書きましたが、見方もいろいろで、もうぐちゃぐちゃで何が何だか分かりにくい。しかし、重要なことは、我々は外国から見た日本もしっかり学ぶべきだということです。韓国の朴槿恵大統領の日本に対する言動は時には辟易とするものもありますが、海外の歴史を海外の目で見てその目から見た日本を我々は勉強すべきだと思います。

第二に、一体韓国では、この閔妃事件はどのように子供たちに教えられているのかということ。けしからん日本人という文脈で教えられているのか。全く違う話をすれば、例えば、殆どのアメリカ人は日本に2発の原爆を落としたことを、戦争を終わらせるためと考えている。日本人としては、そんな単純なものではないだろうという複雑な思いが残りますが、教科書的には、原爆が落とされて、その後に日本は降伏したと単純な記述になっている。ここに、憎(にっく)きアメリカ人とはなっていない。もし、憎(にっく)きという表現になっていたら、今の日本はあるのだろうかと思ってしまいます。

閔妃事件の遥か後、今の朴槿恵大統領の父親である親日家の朴正煕大統領暗殺未遂事件が起きています。この時、奥様の陸英修が流れ弾で犠牲になっています。当時、犯人は日本人だと報道された(後日明らかになりますが、実際は、日本で活動していた北朝鮮工作員で在日朝鮮人)。その時、韓国では反日感情が高まった。日本側の謝罪がないからと本当に国交断絶寸前までいった記録が残っている。その時に語られたとされる言葉が、”またも”国母が日本人に殺された、というものだったとか。恐らく日本側としては、ハトが豆鉄砲を食らったような状況だったのではないかと思います。もちろん、即座に犯人への非難声明と、事件解決協力の表明くらいは、直ぐにすべきだったと思いますが、恐らくしたところで謝罪がないということになるのだと思います。

相互理解というのは、互いに理解しようとそれぞれが努力することであって、理解を強制させる方向で相互理解なんてものは存在しえないと思うのです。

我々は過去の戦争については、現代的な文脈でとらえると、我々は大いに反省し近隣諸国に大いにご迷惑をおかけしたこと、大変に申し訳なく思い続けています。これからもそうでしょう。そして自分の先祖の行為を痛ましく情けなく思わせられる教育も受けてきました。

しかし自分の先祖の存在に自信が持てないで自分に自信がもてる筈がない。このことに、1990年代後半に我々は徐々に気付いてきたのです。我々の世代が特に当てはまります。自信を失った世代の自信回復。1990年代以降の日本の経済力の停滞と個人個人の頑張る意識の低下が、必ずしも関係ないとは言えないのです。決して過去の行動を正当化するものではありません。むしろ過去を正面から見据えて内なる方向に改めて誓いを立て、しっかりと立っていく。それは、経済の文脈であって、軍事の文脈ではないのです。
 
だからこそ、過去の戦争については大いに反省し二度とあのようなことは繰り返さないと改めて誓うことは全く同じですが、そこに全てが引きずられたままでは立ち直ることができないということを安倍政権はやろうとしているのだと私は理解しているのです。右傾化などという文脈とは全く異なる路線であって、極めてドメスティックな教育改革とも言えるかもしれません。

韓国と中国は勢い誤解をしている場合もありますし、あるいはわざと誤解をしているのかもしれません。わざと、とは、歴史問題と現状の安保情勢への対応策を混ぜて論じることです。この2つは全く異なる文脈です。後者は、戦争を起こさないことが目的であって、安保法制を守ることが目的であってはなりません。50年後の教科書に、2015年の国会が国際情勢の変化に目をつぶって紛争になった、と記述されるようなことになってはいけません。

以上のことは、日本の国会議員として外国の方にお目にかかる機会と時間があれば必ず申し上げることです。目的は、過去の反省に基づいて、二度と戦争を起こさないことであって、あくまで平和なのだということを申し上げるためです。

昨年、朴大統領の報道に関して名誉棄損があったとして産経新聞の局長が在宅起訴されたのが昨年10月8日。奇しくも閔妃事件と同じ日です。そして一部で閔妃事件謝罪要求運動が持ち上がった。今年は120周年。閔妃事件で謝罪要求と言うなら壬午事変で謝罪要求返し、ってなことを言い始めるときりがないのです。そんな繰り返しでお互いが損をする互損関係になるより、こうしたことを二度と繰り返さないためにがんばろうと誓い合う方が健全だと思います。そのためには政治は勇気を持たなければならないのだと思います。

いずれにせよ、戦争は生身の人間の人生を翻弄します。絶対に避けなければなりません。

日中韓次世代リーダーズフォーラム

もう2か月も経過してしまいましたが、APECが行われた11月の初旬、それに平行して日中韓次世代リーダーズフォーラムという会議が開かれており、それに参加して参りました。今更ですが、簡単に報告申し上げたいと思います。

まずは先日もご紹介申し上げましたが、会議の様子が現地メディアに取り上げられていますので紹介させていただきます。私の喋る英語が中国語に翻訳されるという会議を初めて経験しました。

この会議は、日本の外務省の外郭団体である国際交流基金と、その韓国のカウンターパートである韓国交流基金、そして中国の共産党青年連合会の3団体が主催し、それぞれの国から政治家、外交官、メディア、文化芸術関係者、大学等教育機関を1名づつ、合計で5×3=15名で10日間に亘って毎日朝から晩までそれこそ寝食を共にして会議を行うというもの。

毎年行っていたとのことですが、ここ数年は活動が休止になっていたとのことで、久しぶりの開催だそうです。国会開会中の参加ということで、党命であるとはいえ、国対的には非常に困難な出張となりましたが、逆に非常に有意義な時間を過ごすことができました。

本来この会議の本旨は人脈形成にあり、各国のホスト機関もそれに合わせて会議のアレンジをするのですが、一部なかなかクリティカルな話題を提供する会議もあり、白熱する場面も何度もありました。逆に不思議なもので、参加者側の結束が強まり、話題提供者に対峙する格好になったケースも何度かありました。

日中韓関係は現状では非常にぎすぎすした関係になっていますが、戦後ずっとこうであったわけではありません。非常に良好であった時代もあることを忘れず、放置すべきは放置し、努力すべきは努力し、骨は折れますが良好な外交関係を構築していくべきです。

少しだけ中身に触れておきます。さすがに10日間ですから非常に多岐にわたる話題について議論しましたが、印象に強く残っている話題を2つだけ取り上げたいと思います。

1つは、中国の環境汚染と中国政府の取り組みや国際協力についての話題になった際、中国側から、もともと環境汚染は中国が先進諸外国の工場地帯として投資が行われた結果なので、国際協力を大いに期待する旨の発言がありました。私からは、今、中国は経済大国になり海外投資を行っているので汚染を輸出していることになる。恐らく投資した先の国もしばらく経つと経済発展するため、汚染の輸出ごっこになってしまう。決して中国がいけないということではなくて、国際社会の考え方として、汚染が投資を追いかけることを防止するような仕組みを考えなければならない。例えば、ODAの何%かは環境対策に使うことを国際社会の条件にしたらどうかという提案をしておきました。

もう1つは、中国側から海洋開発と海洋権益の話題提供があった際、所謂9段線の考え方や他の領有権に触れた部分があり、日本側と韓国側から種々の疑問の声があがったこと。私自身もその主張の矛盾を指摘しておきましたが、やはり主張されると、きちんと主張返しを行わなければなりません。言われっぱなしにはできないということですが、さらに大切なのは、言いっぱなしにもしないことです。

実は、再来週、日米韓国会議員会議という国際会議があり、ソウルに出張に行く予定ですのでまた報告したいと思います。

仏誌襲撃テロ事件と民主主義と中東と集団的自衛権

とんでもない事件が世界を駆け巡ってから9日となりました。フランスの風刺週刊誌を発行しているシャルリー・エプド社が、武装したテロリストに襲撃され、12名が犠牲になったほか、犯人逃走中に5名の市民が犠牲になりました。心から哀悼の誠を捧げる次第です。そして、このテロリスト集団、いかなる理由があるにせよ、今に生きる者にしてみれば、極悪非道な犯行で、許されざるもの。最大の非難に値する蛮行です。加えて、言論界へのテロでした。民主主義に対する挑戦という意味では、テロに屈しないという態度が大切。私も賛同し共同歩調をとるものです。

そして念のため、同社の風刺画は賞賛されるべきものではないということも付け加えておきます。テロの非道さと風刺内容は厳密に分けなければならない。他宗教や他国の困難な状況を鼻で笑うかのような風刺を是とすることはできません。善悪は別にして浅野内匠頭と吉良上野介の殿中抜刀の件と似ているかもしれません。

表現の自由は民主主義の根幹部分ですから、風刺だろうが何だろうが、国家存続に極めて密接に関係するような高度なもの以外は、国家権力や暴力などによって制限されるべきではありません。しかし一方で、何でもありなのかということも合わせて考えるべきです。ヘイトスピーチやら人権擁護の話も密接に関係してくる問題でもあります。こうした問題は、社会の中でコントロールされる仕組みを考えなければなりません。

そのことを申し上げた上で改めて申し上げますと、集団的自衛権の「一部を限定して」行使できるようにすることが、イスラムの”面倒”に巻き込まれるのであるというような主張が散見されます。おいおい、では、集団的自衛権の”全て”を行使可能な権利を有する全世界の大多数の国は日本よりも標的になるのか、という問題提起を第一にしておきたいと思います。そもそも、あの400万人のデモ行進には、イスラエルのネタニヤフ首相と、パレスチナのアッバス議長が同時に行進していたのですよ。

自衛権の目的は平和であって戦争をしないことなのです。目的を達成するための手段として権利を行使すべきかすべきでないかを判断していくのが重要な話であって、行使を絶対にしないという状況が平和という目的を達成するために最善の選択とは限らないのです。

第二に、もっと世界に関心を持つべきではないかという問題。関心というのは、こうすれば、ああなるから、こうすべきだ、とか、すべきでない、とかを考えるということ。アクションとリアクションを考えるということです。自分さえよければよい的な思想源流の人や触らぬ神に祟りなし的な思想源流の人には理解しにくいかも知れません。

関心をもつということは、必ずしもアクションを起こすことではありません。アクションを起こさないことも関心の一つです。今回のデモでオバマ米大統領が出席していなかったことを、好意的に見る人がいます。もしいたら、火に油を注ぐ結果になるから、不在が正解というのが趣旨。私も理解します。では果たして日本の安倍総理がいたら、どういう評価になるのか、ということを考えることが関心をもつことなのではないかと思うのです。

ForumK in 丸亀-新年会を兼ねて

来る1月23日、下記の通り、ForumK(大野敬太郎君を囲む会)を開催させていただく運びとなりました。当日直接ご来場賜っても結構です。受付にその旨お申し付けください。何かとご多用中かと存じますが、ご来場賜りますようよろしくお願い申し上げます。

日時: 1月23日(金曜日) 午後6時より

場所: オークラホテル丸亀

会費: 2万円

この催し物は政治資金規正法第8条の2に規定する政治資金パーティです。