衆議院解散

通常国会初日の本日、本会議で衆議院解散が宣告されました。いよいよ総選挙となります。我々衆議院議員は常在戦場。全力で戦い抜きたいと思います。

第一に、高市総理ご自身も解散の理由を述べられたように、国民の過半数の信任を得ていない自民党の自民党員と所属議員だけで選出された総理ですから、可能な限り早く選挙によって国民の審判を頂いた方が正統性は確保できます。

第二に、国政上の重要課題への対応です。財政運営は、危機管理投資と成長投資で強い経済を実現し、加えて中低所得者の負担も減らすことから、極めて困難な財政運営を行うことになります。外交安保は国家安保戦略を変更せざるを得ないくらいの重大な局面に差し掛かっています。決断し前に進めるスピード感のある政治にしたい。そのためには国民の信任が無ければ果たせません。

謹賀新年

丙午(ひのえうま)の新しい年を迎えました。謹んで新年のお慶びを申し上げます。皆様方には日頃から一方ならぬご厚情を賜っておりますことに、心から厚く御礼申し上げます。

干支の中でも丙午ほど聞き慣れた干支はないように思います。言うまでもなく、丙午は燃え盛る太陽や夏の盛りを表し、強い輝きやダイナミックさ、あるいは陽気さや派手さを象徴しているのですが、これが為に昔の日本には、丙午に生まれた女性は気性が激しく夫の命を縮める、という謎の迷信が伝わっていました。

事実、広く知られているように、前回丙午の1966年の出生数を見ると、既に人類が月に行こうとしている時代であったにも拘わらず、25%もの有意な減少が見られます。因みに、私の実姉も丙午ですが、性格は全く逆の控えめで大人しく落ち着いた人間で、丙午が故に非難されたり苦に感じたことはなく、夫もピンピンしています。我が両親が、こうした謎の迷信にビクともせずに、姉をこの世に送り出したことを、私は心の中で密かに誇らしく思っています。

あくまで想像ですが、この年に出生数が少なかったのは、迷信を本気で信じた人が多かったと言うよりも、むしろ、このような迷信があるのに敢えてそれに抗うこと、に対する周囲の暗黙の非難を避けようとしたのではないか、という子を思う親心、と考えた方が合理的に感じます。

世界に共通する沈没船ジョークというのがあります。沈没しかかっている船で、船長が乗客を海に飛び込ませなければならないときに、船長が言うべき言葉に国民性が現れる、と言うものです。完全なステレオタイプで、現代的には触れることも憚られますが、敢えて申し上げれば、例えばアメリカ人には「飛び込めばヒーローになれるぞ」、ドイツ人には「飛び込むのがルールだ」、イギリス人には「紳士は飛び込むものだ」、なのですが、日本人にはご想像の通り、「皆さん飛び込んでますよ」なのです。

日本は同調圧力が高い国民性だと、海外からも言われています。個人よりも集団の調和や秩序を重んじる日本独自の価値観や文化的背景が影響していると解説されることが多く、これは時代が下っても大して変わらないように思います。問題は、技術の進歩です。丙午迷信が拡散された江戸時代では、歌舞伎や浄瑠璃がメディアの役割を担っていたそうですが、現代におけるSNSは、拡散の規模とスピードが圧倒的に高く、影響力は計り知れません。

今、世界中でSNSが問題となっています。閉鎖的なコミュニティーで流布される、主要メディアに掲載されない情報を、自分達だけ知っている「本当の情報」と固く信じ、意見や思想が増幅する「エコーチェンバー現象」や、個人個人の趣味・嗜好に合わせた情報が優先的に表示されるために意見や思考がいつの間にか偏る「フィルターバブル現象」、加えて情報提供が質より注目度で収益化されるため、事実とはかけ離れた目立つことに特化した情報ばかりが巷に溢れる「アテンションエコノミー」などです。

中には、それらしい情報を自動的に無尽蔵に拡散できる「AIボット」と呼ばれるプログラムがあります。ソースコードや実装方法は誰でも簡単に調べることができるため、比較的簡単に作ることができます。事業者が広告や宣伝であることを隠してマーケティングすることを「ステルスマーケティング(ステマ)」と呼びますが、これは既に法的に規制対象となっています。しかし、外国勢力による悪意の影響工作や選挙公報としては、現時点で何ら規制されておらず、民主主義の根幹までもが揺らいでおり、国際政治上の武器にさえなりつつあります。

こうした時代に政治家として強く感じることは、分厚い中間層の復活です。情報過多な時代、信頼すべき拠り所が揺らいでいるなかで、国民が出所真偽不明な情報に右往左往せずに自らを拠り所とできる環境、すなわち経済的豊かさを感じられる環境を構築することが何よりも重要だと確信しています。そして政治は税と言われるように、税制はその中核的役割を果たします。しっかりと担っていきたいと思います。

最後になりましたが、今年一年、皆様にとりまして素晴らしい一年となりますよう、ご隆盛とご活躍そしてご健康を、心から念じてご挨拶と致します。

米政権の誤報対処

アメリカは今、政治的分断に喘いでいます。SNSを始めとしたメディアによる過激な主張や論稿が原因ではないかとの指摘もされていますが、一方で、政権側は、自らの正当性を主張するため、誤報若しくは偏向と判断した報道があれば、政権自らホームページに公表し、報道官が反論しています。

ホワイトハウスのメディアオフェンダー
ホワイトハウスのメディアオフェンダー

メディアの違反者(Media Offenders)というタイトルのページで、主張、問題点、事実、引用とともに、政権側の視点で誤報や偏向を指摘するという構造になっています。例えば一例としてワシントンポストを挙げると、カリブ海での麻薬テロ撲滅作戦について匿名情報源を基に国防長官が「皆殺しにしろ」と命じたと報道したことに対して、「根拠のない嘘」と断じたり、移民政策に関する記事で左派団体の弁護士を中立的専門家と紹介したことに対して、「政治的偏向を持つ人物であることを隠した」と断じたりなどです。

ワシントンポストの例
ワシントンポストの例

この政権姿勢の是非を論じることは避けますが、日本の議会に籍を置いていると、特に自分が主導している政策であればなおさら、明らかに間違った記事や誘導的な記事を見かけることがあります。大多数が良く取材された良い記事なので、そういうのが紛れ込むのは残念でなりません。おそらく真面目に取材をしてはいるとは思いますが、中心的な人物に取材せずに、誰かの適当な認識に基づく適当なコメントを引用して、それらしい記事を書くという流れなのだと思います。コメントした側も記事になるという認識もないはずですし、意図的なものではないはずなので、それほど反応することは殆どありません。

ましてや政権が積極的に否定をすることは殆どなく、あったとしても消極的に公の場所で真偽を問われた場合の否定です。ただ、明らかに間違った記事を放置すると、認めたということにもなりかねず、積極的に否定したくなるものですが、かといって、いちいち個別の記事に反応できないのも事実ですし、一般論として政権自らが積極的に反応すると、政治的に政権と同じ立場にある国民の皆様からは歓迎され、違う立場にある国民の皆様からはプロパガンダだと批判される傾向にあり、分断を深めてしまう可能性もあります。

もちろん外国主体のためのプロパガンダ対処は別次元なのだと思います。規制することはできませんが、透明化はすべきだと思いますし、積極的に反論もありえるのではないかと思います。戦略コミュニケーションはまさにそうした取り組みなのだと理解しています。(なおSNSについては、最近ではプラットフォーマー自ら、運営主体の政治的バイアスの可能性を表示する取り組みが行われています。)

アメリカには政治的バイアスを評価する民間団体があります。左右それぞれのメディア記事を並列で提示することで、バイアスの評価とともに、異なる政治的視点を可視化して対話を促し、民主主義を強化することが目的の団体のようです。運営は、取締役は左右様々な政治的立場をバランスさせた構成で、寄附やクラファンによって運営されているとのこと。ファクトチェックや教育機関向けのメディアリテラシー教材も提供しています。

https://allsides.com

完全な中立派不可能だが透明性と多様性でバイアスを管理することが目的だとするこうした団体が日本にも増えていけばと願っています。本来この手の課題は政治が直接介入すべきではないはずなので。

インテリジェンス能力

何事も、決断には情報が必要です。決断しないという決断も同じです。そして国際秩序の劣化がこれほどまでに甚だしく、もはや国際秩序をシステムだけで維持強化できる時代ではなく、現実問題として各国の指導者の意思決定が極めて重要になっています。従って、我が国が独自に情報を収集し分析できる環境を整備しておくことは、これまでと全く異なるレベルで劇的に重要になっています。

もちろん、本来はシステムで安定化すべきは論を俟ちません。戦後直後、先人の努力によって国連を始め、NATO、IMF、世界銀行、GATT(WTO)などが設立されましたが、今はまさに再びこうした大きな枠組みを再構築すべき時代なのだと理解しています。そしてその努力は、日本こそが世界の先頭に立って行っていくべきです。しかし、そうだとしても、情報力を抜本的に高めなければ、おおよそ不可能なはずです。

2020年、自民党の経済安全保障推進本部(当時は新国際秩序創造戦略本部)では、国際経済秩序の劣化に対応するため、いわゆる経済安全保障の推進のために必要な、具体的な政策措置を公表しました。小林鷹之事務局長(当時)執筆のものですが、経済インテリジェンス強化の必要性が初めて謳われた公式文章です。爾来、2023年には、経済インテリジェンス能力強化に向けた具体的な取り組み方針を示し、2024年、そして2025年も進捗に応じて推進して参りました。

2020年提言
2020年提言
2023年提言
2023年提言
2024年提言
2024年提言
2025年提言
2025年提言
2025年提言2
2025年提言2

2023年提言は、「経済インテリジェンス」と謳ってはいますが、当然ながら伝統的領域も含めた国家インテリジェンス体制全体の強化を提言したもので、政府より適宜、進捗の報告を受けてきましたが、2026年には体制整備への着手を予定していたところ、丁度、奇しくも高市政権発足に伴って連立枠組みの変更があり、新たに迎え入れた維新との合意文章では、まさに国家インテリジェンス能力の向上が謳われ、極めて高い政治ムーブメントが生まれました。

第一に、司令塔機能の強化です。インテリジェンス強化は2023年提言でも触れましたが、組織を作ったから強化されるものではなく、情報の適切な要求や評価がなければ良質の情報が集約されるわけではありません。収集する側にとってみれば、使ってくれなければ遣り甲斐が生まれないのは当然で、政府全体でこうしたサイクルを生み出す文化を醸成しなければなりません。加えて種々の情報を集約して分析する機能や新領域情報対応のための情報基盤も強化する必要があります。そのために必要最低限必要なのが強力な司令塔です。

第二に、対外情報収集です。現行の国家安保戦略でも人的情報収集能力の強化が謳われていますが、これも単に組織を作って人を当てがっても強化されるわけではありません。人的活動を適切に実施するために必要な機能とともに、十分な政治によるガバナンスが求められます。

第三に、外国干渉防止です。外国主体のための影響工作を防止するために必要最低限の機能は、透明化です。外国主体のための活動を見える化するため、諸外国と同様の登録制度を設けることは既に共有されていますが、対象をどうするのかなど、論点は多岐にわたります。

重要なポイントは、政治によるガバナンスとインテリジェンス能力を同時に確保することです。論点は多岐にわたりますが、来年が極めて重要な時期となります。党本部に設置した国家インテリジェンス戦略本部の本部長代理兼幹事長として、職責を全うして参ります。

(写真出典:NHK)

今年の活動報告

早いもので今年もあっという間に年末を迎えましたが、今年の活動についてご報告します。皆様方、良いお年をお迎えください。

経済安全保障

車や薬など、生活や産業上きわめて重要な物資の安定供給を更に抜本的に強化するため、来年に経済安保推進法を改正すべく、具体的内容を取りまとめました。また、経済安保の基本的考え方を、論文としてNIRA総合研究開発機構に寄稿しました。

朝日新聞
朝日新聞
日本経済新聞
日本経済新聞
NIRA
NIRA
データセンター・データ保護

普段何気なく使うネットサービスも、個人データがどこでどのように保管されているのか、あるいはされるべきなのかについて、これまで規定する法律はありませんでした。事業者が管理する大量の個人データは、漏洩すれば不正な目的で利用される可能性があるため、データセキュリティーの法整備を来年行うべく、具体的内容を取りまとめました。

日本経済新聞
日本経済新聞
読売DowJohns
読売DowJohns
対内投資審査体制強化

極めて高い技術力を持つ日本の中小企業が不穏当な目的で買収の危機に晒されています。これまでも財務省が特定の業種については厳格審査をしておりましたが、改めて来年の法改正でより厳格に対処すべく、その具体的な改正内容をまとめました。

創薬力

効果のある医薬品が日本で入手できない問題が生じています。ドラッグラグ・ロス問題や安定供給問題です。それらを解決するため、産業構造や薬価の在り方の基本的な方向性をPT座長として提言しました。薬価制度は徐々に改善されつつありますが、産業政策は来年本格的に取り組みます。

ミクス
ミクス
ミクス
ミクス
米国最先端研究者

トランプ大統領がハーバード大学などへの有力大学に圧力をかけて研究者が海外に流出している問題で、人材獲得に向けて政策パッケージを作りました。

USスチール

バイデン政権による新日鉄のUSスチール買収阻止に対して、党としての考えを示した決議文を作成し小林鷹之本部長名で公表しました。一定の役割を果たせたと思います。

科学技術政策と安全保障政策

5年に1度策定される政府の科学技術イノベーションに関する基本方針が、来年から7期目に入ります。向こう5年間で確実に研究力を強化しないと日本は二度と成長できない国に成り下がる、との危機感をもって、政府の意思決定ガバナンスの強化や安全保障研究の基本的考え方整理を中心に、具体的な改正の内容をまとめました。安保と無関係な技術などこの世の中に存在しないにもかかわらず、イデオロギストによって技術開発が進展しないことにも警笛を鳴らしたいと思います。

読売新聞
読売新聞
日本経済新聞
日本経済新聞
造船業

船を作れる国は中国・韓国・日本と言われますが、日本は世界シェアでいえば、もはや僅か8%にまで衰退してしまいました。アメリカが中国依存脱却を宣言したことを機に、一気に反転攻勢にでるべく、具体的な方策を政府と膝詰め議論し、年末までに基本計画を策定するように求めて、その内容を取りまとめました。

週間エコノミスト
週間エコノミスト
サイバーセキュリティー

政府のみならず企業にも大規模攻撃が仕掛けられ、物やサービスの供給が止まることが頻発しています。3年前に小林鷹之代議士らと企画・具体的実装の方法検討を始め、平将明大臣の下で成立したサイバー対処法について、政令など更に細部の詰めを行いました。

インテリジェンス

当たり前ですが、日本のどこが強みなのか弱みなのか、情報がなければ政策は実行しにくいものです。3年ほど議論してきたインテリジェンス(情報収集)は、維新との連立合意で更に加速します。具体的な検討を始めました。来年は第一段目の法整備を行います。

朝日新聞
朝日新聞
報復関税

海外から関税による威圧を受けた場合について、政府はこれまで報復関税措置の発動が可能かどうかを明らかにしてきませんでした。発動するかしないかより、発動できることを内外に明らかにする必要があると考えたため、財務金融委員会にて財務大臣に回答を求め、可能であるとの答弁を引き出しました。

外国人政策

党内様々な会議が別々に外国人政策の具体的な改正を行ってきていましたが、改めて党内に司令塔を作ることとなり、急遽、政策取りまとめを小野寺政調会長に指示されました。個別的な政策は同僚諸氏によるものがほとんどですが、最大の問題は個別政策というより外国人政策が「共生」一辺倒であったことですから、「秩序」の視点を基本政策に据えて、司令塔を官邸に設置することを企画し、過日設置されました。

日本学術会議

5年かかってようやく軌道に乗りました。5年前に新たなアカデミー創設を企画したところ、任命問題が生じて本体を本格的に改正する流れとなり、爾来、政府と膝詰めで法改正論議を繰り返し、3年前には一旦独立法人化は断念しましたが、今年、ようやく独立法人化を果たせました。

選挙制度改革

昨年の地方選で、SNS偽情報や二馬力選挙、また品位を損ねるポスター掲示が問題視され話題になりました。実務を取り仕切る事務局長の立場でこの一部を2月に改正しました。また、年末には議員定数削減を巡って、選挙制度の本格改正の機運が高まり、来年の改正に向けた議論を開始しました。

産経新聞
産経新聞
中小企業取引適正化

旧称「下請け法」と言われていたものが「取引適正化法」に代わりました。もちろん名前だけではなく、元請けの役割について義務や罰則強化を明確に謳うことで、賃上げの波を地方に振り向けることを企図したものです。積極的に議論に参加したので、今年改正となったことは感慨深いものがあります。来年1月1日から本格施行となります。

下請法改正・中小企業政策提言

AIガバナンス

急速に利用が進むAIですが、不正利用のリスクもあります。健全な活用を推進し権利侵害には国が乗り出す必要から、科学技術イノベーション戦略調査会長の立場で議論に参加し、成立しました。

予算委員会

つい先日報告しましたが、高市政権の経済対策、特に危機管理投資・成長投資の意義について総理や担当閣僚と議論を行いました。

予算委員会質疑

総裁選

最後になりましたが今年最大のテーマは総裁選でした。私はこれまで長らく共に政策作りに汗をかいてきた小林鷹之代議士を支援。決勝には残れませんでしたが、決戦では政策的な方向性で殆ど一致する高市早苗候補に一票を投じました。

経済安保提言を高市総理に手交

本日、経済安保推進本部役員と共に官邸に赴き、高市総理に提言を手交しました。

国際秩序の劣化が甚だしく、経済の武器化が横行している現状に鑑みて、どのようなことが生じようとも、日本の経済と生活を守るとの観点で、これまで党内で議論を重ねてきた政策のうち、来年の通常国会において経済安保推進法改正で措置できるものを中心に提言いたしました。

具体的には、大量の個人データを扱う事業者や保有するデータセンターを念頭に一定の管理ルールを規定するデータセキュリティー、国民にとって極めて重要な資源や物品などのサプライチェーンの更なる強靭化、重要インフラ事業者の業種追加、加えて、戦略領域(造船、AIテックスタック)の支援強化、更には、経済安保と独禁法などの競争政策との整合性の追求や、民間事業者が自ら経済安保推進を取り組める方策などについてです。

かつて地元の方から、提言っておかしくないかと指摘されたので念のため申し添えておきますが、我々が提言するときにはすでに政府と事前にかなり擦り合わせを行っている場合がほとんどで、提言する際には、ピン止め効果(確実にこの方向で実施しますという確認)を行っているというように理解頂ければと思います。(もちろん、自民党でも、政府と擦り合わせなく、現実可能かどうかは別として、政治的に言いたいことを言う人もいますが、それはそれで、政治運動ですから、意味があることです。)

参考

日本経済新聞:自民党、経済安保でデータ保護を提言 首相「安保3文書に反映を」

朝日新聞:政府、人工呼吸器やドローンの安定供給を支援へ 特定重要物資に追加

予算委員会質疑

昨日、予算委員会で、高市政権の経済対策について、特に危機管理投資・成長投資の意味合いと将来展望について、高市総理・片山財務大臣・上野厚労大臣・金子国交大臣・城内日本成長戦略担当大臣・小野田経済安保担当大臣との議論を行いました。予算委員会には、これまで平均すると2年に1度のペースで質疑の場に立っていますが、毎回テレビ入りの機会を頂いており、入念な準備を行って挑みました。

国会議事録
国会議事録

危機管理投資の意義を総理に伺いましたところ、総理から以下の答弁を頂きました。

○高市内閣総理大臣 危機管理投資、これが高市内閣の成長戦略の肝でございます。
 今私たちが直面している様々なリスク、結構、世界共通の課題が多いと思いますね。食料安全保障、これは強化しなきゃいけない、エネルギー安全保障も強化しなければならない、それから防衛、これも強化しなきゃいけない、それから自然災害も多発しています、国土の強靱化も進めなきゃいけない、サイバーセキュリティー、これも共通のテーマでございます。だから、様々なリスクや社会課題に対して先手を打って行う官民連携の戦略的投資を促進したいというのが強い思いです。
 こういう世界共通の課題解決に資する製品、サービス、インフラを国内外の市場に展開するということによって、更なる我が国の経済成長につながっていきます。
 日本には、様々なリスクを解決するためのたくさんの技術、世界最高峰と言われる技術もたくさんあります。
 例えば、食料安全保障でしたら、世界最高レベルの完全閉鎖型植物工場があったり、陸上養殖の技術があったり、エネルギー関連でも、これからやはりフュージョンエナジーの基幹的な技術、これは日本の企業が押さえていたり、農業なんかでも漁業でも使えるし、防災でも使える宇宙の技術、これも日本の衛星というのはすばらしい測位技術を持っていたり、それからまた、SAR衛星によって得られた情報、これのAI解析なども様々な産業に使えます。
 安全保障の分野でも、今デュアルユースの世界でございますから、もう古い話ですが、F2戦闘機の開発から生まれたものは、例えば、車に積んでいる、車載の衝突防止装置だったり、ETCだったり、それから骨折時のチタンボルトだったり、いろいろな民生に活用できるものもありますから、日本の学術機関や民間企業などにある様々な優れた技術をできるだけ早く製品、サービス、インフラにして、同様の課題を抱える世界に展開していくことで、私は相当な成長が見込めると考えております。
 危機管理投資、成長投資による強い経済の実現のために、複数年度の予算措置を講ずることとしました。足下で必要な政策を果断に実施するというために、各戦略分野について投資促進策を盛り込みました。責任ある積極財政の下での投資支援策は、強力に民間企業による投資を引き出す、こういう形で戦略的に進めてまいりますので、これまでにない形で投資の予見可能性を高めて、真の官民連携、これを実現します。
 先ほど国家安全保障戦略を挙げられましたけれども、戦略としてというお話がございました。この三文書については、来年中に改定することを目指して検討を進めることにしています。安全保障の裾野というのは、防衛、外交という伝統的な領域から経済、技術の分野にも大きく拡大していますので、経済安全保障について、その重要性が高まっているという状況も踏まえて、主要な課題として検討してまいります。
 とにかく、三文書の検討過程も含めて、安全保障、経済安全保障の観点からリスク、課題が特定されれば、官民連携の危機管理投資を促進するため、防衛調達を含む官公庁による調達や規制改革など需要サイドを含む総合的な支援策を講じていくことになります。
 こういったことで、我が国の経済安全保障を始めとする安全保障の強化にもつなげていける、強い経済もつくれる、こういった構想でございます。

議員定数の削減

ご存じの通り、自民と維新は、連立の条件の一つとして、議員定数を1割削減することで合意しました。現在465人ですから、46程度ということになります。そして、先日、自維実務者間で方向感を共有しました。(申し遅れましたが、私は加藤勝信政治制度改革本部長、井上信治幹事長代理とともに3人で与党当該WGメンバーを務めています。)

方向感の共有というと、一見呑気に聞こえるかもしれませんが、削減に賛成の立場だとしても、一言で削減すると言っても、選挙区(289)なのか比例区(176)なのか、それとも両方なのか、それぞれに深刻な問題を抱えていて、それほど簡単な問題ではないからです。比例区だと少数政党が怒り、小選挙区だと地方と1票の格差論者が怒る。

現行小選挙区比例代表並立制というのは、集約と反映、とよく言われます。小選挙区は1票でも勝てば勝ちになるので、意見集約されるけれども、それだけでは負けた方の意見が国政に反映されないので、比例代表制で少数意見も国政に反映させる意図から、現行の制度ができました。バランスをとったということです。

ただ小選挙区は、投票価値の平等、すなわち1票の格差問題が重んじられるので、人口減少が続けば、どうしても各県において文化的歴史的な連続性を無視せざるを得なくなり、地方に負担がかかるとされています。その上さらに削減となると、さらに地方に過大な負担となります。

一方で比例区においては、反映がされにくくなるので、少数政党に負担がかかるとされます。過度な多党制を抑制するためには効果的かもしれませんが、穏健な多党制とするためには、過度に削減することはできません。

こうした背景で、削減するなら選挙制度自体を変更する必要があるのではないか、との極めて真っ当な指摘があり、今回の方向感の共有は、1年以内(年区切りの場合の任期中改正完了の必要条件)にあるべき選挙制度を議論した上で結論を出し、その結果として定数も削減しようということが、本質的な私の理解です。

従って、先送り、と報じた新聞社は、おそらくことの本質が理解できていないか、アテンションエコノミーかのどちらかだと理解できます。

ではなぜ削減なのか。維新は身を切る改革に力点を置いています。そうした考え方もあるでしょう。私自身はそもそも日本の人口が10年後にはピークから10%程度減少が見込まれることも踏まえる必要もあると思います。加えて言えば、古代のローマにおける元老院議員定数削減を思い起こしてしまいます。

古代ローマは元老院100人からスタートしていますが、段階的に増員され、カエサルの改革によって900人まで拡大しています。カエサルが元老院を増員したのは、自らに近い属州選出の元老院議員を増やすことで元老院の質を低下させ形骸化させたと言われています。そこでアウグストゥスは、元老院の権威回復と質の向上を狙って削減したと言われています。

もちろんアウグストゥスにも別の政治的意図があったようですが、いずれにせよ、今回の改正が信頼回復に繋がるような改正にしなければならないのだと思います。なお、減らしても質の低い議員しか残らないのではないか、とのコメントをネットで散見しますが、どのような選挙制度にしたところで、あくまで議員は国民が選挙を通じて選ぶものですから、的を射た指摘とは思えません。また、いわゆる比例復活への批判ですが、新しい選挙制度の議論では、そもそも復活と言う制度が無くなるかもしれませんし、残ったとしても改善に向けた議論に繋がるのではないかと思います。

(参考)衆議院選挙制度に関する協議会で東京大学政治学部の谷口将紀先生の、日本のあるべき選挙制度について、ご意見をうかがう機会がありました。その際の私のメモを参考までに付しておきます。

  • 二院制の下での各院の役割を改めて確認したうえで、議員定数や選挙制度は議論すべきではないか。
  • 衆議院は「代表制民主政治の府」「投票価値の平等」「政権交代可能な政党政治」を志向、参議院は「先進的民主政治の府」「行政監視・監査の役割」「長期的視点」「地方の声・ジェンダー平等」を志向するべきではないか。
  • 議員定数削減については、身を切る改革という意味では、これまでは地方の身を切ってきたことに等しいのではないか。(比例区削減は「少数政党負担増大(民意反映)」、小選挙区削減は「過疎県負担増大(投票価値平等)」に課題)
  • 小選挙区制度にせよ、中選挙区制度にせよ、現下の人口減少傾向が続く限り、憲法改正を行わないと投票価値の平等を維持するのはそもそも困難ではないか。
  • 現行小選挙区比例区並立制の諸課題を認識し、引き続き政治に金のかからない選挙制度、投票価値の平等が引き起こす区割り変更について安定的な運用が可能な選挙制度、民意を適切に反映(分極的多党制ではなく穏健的多党制)が可能な選挙制度を志向して、現行制度の修正(過疎県定数歯止め規定、復活当選制限、優先順位付投票)か、もしくは中選挙区的な選挙制度(都道府県単位の比例代表制)に移行すること等もありうるのではないか。

(写真は井上信治代議士のFBページから借用)

経済安保推進法改正へ

(写真は日本経済新聞より)

党の経済安全保障本部では、役所に過大な負担をかけないために(逆に言えば無理なく実施できるよう)、ここ数年は計画的に議論をスタートさせることが定着しています。セキュリティークリアランスやアクティブサイバーディフェンスの議論も概ね約1年以上前から具体的な制度設計の議論を始めており、表に浮上させるタイミングを見計らっております。

元々で言えば、小林鷹之前本部長が2020年に執筆した経済安全保障の戦略ペーパーがベースになっており、私は実務者として着実に実装することに注力してきました。そのなかで、土地、エネルギーなどは党内の別の会議体が議論を行うであろうことを前提に、それ以外を先行的に注力をして参りました。

今般はデータセキュリティーなど。最終の詰めの議論をスタートさせ、来年中には着実に法改正等で実装します。

日本の安心安全のために!

日本経済新聞)自民党・大野本部長「課題はデータ保護」 経済安保で年内提言

経済安保に関する講演

某大学で経済安全保障に関する講演をしてきました。経済の武器化、特に懸念国による重要鉱物の恣意的輸出規制や影響力工作は世界最大の懸念事項となっています。輸出規制や国内投資審査の現状や、今後審議されるインテリジェンス能力強化や外国干渉防止などについて、質疑併せて2時間弱。感動的なのは、質疑の質の高さ。政策企画の現場で我々が議論していることと同レベルで、日本の人材の厚さと将来の可能性を強く感じました。

思えばこの分野に携わること5年。実務者として目立ちはしないけど多くの政策企画立案に携わってきました。経済安保推進法、サイバー対処法、セキュリティークリアランス法、経済インテリジェンス強化、経済的威圧対処、研究機関のセキュリティー強化、リスク情報調査分析、留学生受入スクリーニング、企業営業秘密管理、輸出管理強化、国内投資審査強化、政府調達厳格化、シンクタンク、地方自治体情報流出対策、有事経済安保体制確立、半導体・造船・データセンターなど、全力で共に成し遂げようとしてくれた気概のある優秀な政府職員と膝詰めで議論し、政策として実装してきました。奏功したものも道半ばなのもあります。

高市政権で、現在仕込んでいる政策玉も大きく前進する予感がします。決意を新たに!