補正予算、衆議院通過!

補正予算案が衆議院を通過しました。数日後には参議院で成立することを願っていますが、この補正、何の事かと言えば、主に景気対策です。しかし単なる景気対策ではなく、とにかく地方が元気になる補正予算とお考えいただければと思います。

がんばる中小企業や農家、猟師、そして地域づくり、まちづくりに真剣に取り組む人など、日本の元気を下支えする人を応援する施策に1.4兆円、女性や若者、高齢者や障害者などで働く人を応援するための施策が0.3兆円、地域経済のためのインフラ老朽化対策など減災防災関係で3.1兆円、消費税増税による影響緩和策として0.7兆円。あわせて5.5兆円の補正です。

今の経済の状況と補正の意味ですが、分かりやすくするために、誤解を恐れず、物事を単純化してみます。日本の人口が4人だったとします。総理大臣と銀行頭取と寺田社長と山下君(もちろん架空の人物)。山下君は寺田社長の会社で食べ物を作る仕事をしています。お金を稼いで、そのお金で会社の商品である自分で作った食べ物を買って生活をしています。

山下君は景気が悪くなったと思い、なるべく余計な出費をしないようにしていました。ところがそれでは寺田社長の儲けが少なくなります。社長は困って給料を下げました。給料が下がった山下君。困って余計に食べ物を買わなくなりました。すると社長もさらに困って更に給料を下げました。

これがデフレスパイラルですが、こんな状態だと総理は国を案じて何かしたいと思う。でも総理は山下君の将来の年金のために借金が既にたくさんある。こんな状況を脱却する方策はなにか。前の総理は、山下君と寺田社長からお金を借りて(国債)、生活が苦しい山下君にお金をあげた(子供手当てなどの給付)。

しかし、山下君はこう考えた。総理からお金をもらったけど、総理は借金まみれでそんなに給付は続かないだろう。一方で給料は下がったままなので、将来に備えて総理からもらったお金は貯めておこう。結果、デフレは解消されず総理の借金が増えた。しかも、もう山下君や寺田社長も、国に貸せるお金がなくなってしまった(累積債務と国民総資産)。総理が借りるとしたら、外国人か銀行だけになっている。

そこで頭取も腹をくくってお金を総理に大胆に貸そうということになった(アベノミクス)。山下君も寺田社長もこれでお金が回りそうだと感じた(期待インフレ率改善)。でも実際は、総理はいくらでも銀行から借金できるわけではなく、借りれば借りるほど金利が高くなるリスクがある。金利が高くなったら借金も雪だるまなので、総理としては借金返済も考えていかなければならない。だから山下君や寺田社長から取っていた税金(消費税)を少し増やすことにした。

ただ税金を増やすと、またデフレ気味になるので、寺田社長に発注する仕事を少し多めにした(今回の補正予算)。ただ、単に発注するのではなく、寺田社長が効率よく製品をつくったりするように誘導することにした。そうすると、寺田社長もより儲けることができ、山下君は同じ働きで、よりたくさんの食べ物が食べられ、より多くの給料がもらえる。すると山下君も寺田社長も元気がでてきてがんばろうとする。デフレが解消できれば総理も寺田社長に発注していた仕事も少なくでき、寺田社長も元気なので税収は多くなり、総理も借金返済ができる、という算段。

かなりゆるい議論で、それほど簡単にはいきませんが、単純化すればこんな構図です。

事業の詳細についてご関心の向きは事務所までお問い合わせ頂ければと思いますが、とにかく今年は日本にとって正念場。全員でがんばって日本を復活させましょう!

【善然庵閑話】安倍総理と小泉政務官と石光真清

明治のころに波乱の人生を歩みながら活躍した石光真清という情報将校がいました。もともとは熊本の名士の出で、現職衆議院議員の橋本岳先生の曾祖伯父(そうそはくふ=曾ばあさんのお兄さん)、というか、橋本竜太郎元総理の大伯父(おおおじ)です。

司馬遼太郎の坂の上の雲に登場する有名な情報将校である明石元二郎大佐とほぼ同時代に活躍し、意外と歴史に大きな名前を残すこと無かったにもかかわらず、その道の世界では明石元二郎よりも注目されている人です(知の武装:新潮新書)。

情報将校というインテリジェンスサークルにいた人物にして、文才があったと言われています。森鴎外や二葉亭四迷などとも交流があり、後に三島由紀夫とも交流のあった東文彦が石光家の系譜に名を連ねています。恐らく文筆家という星の下に生まれたのでしょう、石光の著した「城下の人」をはじめとする四部作が後に息子によって父の名前で出版され、毎日出版文化章を受賞しています。軍の内部から一人の人間として見た明治の雰囲気を直接伝える優れた資料であると思っています。

恐らく感受性の豊かな人物であったのだと思います。斜め読みしかできていませんが、心を打つ箇所が何箇所もでてきます。恐らく文才というものは、感受性が豊かでなければ現れないのだと思います。別の切り口で言えば、感受性が高くなければインテリジェンスの世界で活躍できていなかったのかもしれません。

そういう意味では、政治も感受性が大切です。最近、総理の演説原稿を読んでいて、ものすごく思うのが、表現力の豊かなことです。例えば今月、エチオピアでのアフリカ連合での会合でのアフリカ政策の演説。

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0114speech.html

小泉政務官の挨拶も、いつ聞いても(最近聞いてませんが)表現力豊か。浪花節とでも言うのでしょうか。胸にぐぐっと迫ってくる言葉の力を感じます。

世の中、ぼーっと過ごしていると見逃してしまうかもしれないような些細なことでも、受け取るほうの受け取り方で、すごくそれが生きてくるというのがあります。そういうことを大切にして、しっかりと生きて生きたいと思っています。

また下らない話をしてしまいました。

中小企業が輝けば日本は光り輝く

予てから申し上げておりますとおり、経済政策は日本が最も注力し、また注力しなければならない課題です。そして、金融政策と財政政策は現状のとおり継続必須ですが、景気浮揚感を全国津々浦々まで実感していただくようになるには、このままでは時間がかかります。なぜならば、20年にも亘る暗黒の時代がサプライチェーンやバリューチェーンを寸断してしまったからに他なりません。

そして、時間がかかってしまえば経済政策は完成しません。なぜならば、今の財政金融政策は何年も何年も続けるわけにはいかないからです。

ですから、民間活力が全国津々浦々まで浸透するまでのタイムラグを短くするためには、中小企業小規模事業者対策というミクロ政策を行わなければなりません。財政金融両面のマクロ政策とこうしたミクロ政策をおこなって、初めて経済政策は完成するものと思っています。

私はこうしたミクロ政策全部が成長の直接的な戦略になりうるかどうかは別問題だと思っていますが、でも成長戦略が軌道に乗るための必須事業ととらえています。ただ、起業率と廃業率は低すぎる。先進諸外国に比べて半分以下です(4〜5%)。新陳代謝が悪い。新陳代謝は元気のバロメータです。ここは別途書きたいと思っています。

前置きが長くなりました。

現状私が感じる最大の問題は、幅広いミクロ政策をどのようにして、中小企業小規模事業者の皆様にお伝えするのか、という問題です。

「え?そんな補助事業あるんだ?」。

よく聞かれるのです。商工会や商工会議所、中央会や税理士の先生方、地域金融や自治体の皆様には伝わっているはずです(少し不安ですが・・・)。

1年かけて党内でみんなで一生懸命議論してきた政策ですので、是非お目通しいただければと思うのです。そして折角ある制度は是非利用いただければと思います。まずは商工会議所等にご相談ください(当事務所でも承りますが)。

まずは、「ミラサポ」という中小企業応援ポータルサイトをご紹介します。

https://www.mirasapo.jp/

ついでに、今後直近1年で行われる中小企業対策の予算措置のページ(中小企業庁などのPRチラシなど)もご紹介します。

http://www.chusho.meti.go.jp/24fyHosei/index.htm

そしてこれらの資料にも掲載されていますが、いくつかピックアップして政策をご紹介します。

・中小のものづくりやサービス業でとにかく補助してほしい。

レアメタルを自動回収する装置開発など、ちょっと成長しそうな分野の設備投資やR&Dにに上限1500万円で2/3の補助がでます。成長するかどうか分からない分野でも上限1000万です(いずれも設備投資以外だと500万)。その他、もっと小規模な事業でも上限700万で補助があります。

・広範囲な税制優遇措置があります。例えば、従来の中小企業向けの設備投資減税が拡充されます。また、中小法人税率の特例があります(15%に軽減)。そのほか、欠損金の繰越控除(過去9年の損失を翌年度以降の利益と相殺)、欠損金の繰り戻し還付(損失を前年度の利益と相殺)、交際費等の損金算入の特例(800万まで100%損金算入)、中小企業投資促進税制、雇用や所得の促進税制(雇用や給与を増やした場合の優遇税制)、特定事業用宅地の相続税特例、また事業承継税制の緩和など。

・消費税転嫁しにくいので困っている

特別措置法が成立しており、転嫁拒否は禁じられています。

https://www.jftc.go.jp/tenkataisaku/hourei_tenkataisaku/GL.html

・販促チラシ作成などで販路開拓を商工会議所などとタイアップしてやりたい。

補助額50万(雇用を増やす場合は100万円)

・他社と連携して新商品やサービスを開発したり国内展示会に出展したい。

上限3000万として2/3の補助がでます。

ちなみに、連携しなくても、一次産品や観光資源など地域資源を活用した場合も、同様に上限3000万円として2/3補助がでますが、この場合、4社以上連携で上限4000万円になります。

・融資が受けたい

商工会議所で相談されている小規模事業者の場合、日本政策金融公庫が無担保無保証低利で融資を受けられます。(上限1500万、4月以降2000万)

・中小企業経営のなんでも相談所が県庁に設置されます。

・商店街を活性化したい(1)

防犯カメラ設置(地域住民の生活環境保全の事業)や販促チラシ作成(商店街販促事業)などについて補助がでます。前者は2/3、後者は上限400万で全額でます。

・商店街を活性化したい(2)

商店街の空き店舗への店舗誘致やコミュニティスペース整備に、2/3の補助がでます。

・海外展開に興味がある(1)=中小企業対策としてのODA

昨年から始まってます。ODAもそういう時代です。画期的なことです。一家言ありますがここでは控えときます(長くなるので)。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/kanmin/chusho.html

・海外展開に興味がある(2)

海外展示会出展や世界に通用するブランド確立のための他社連携商品開発に、上限2000万で2/3補助がでます。

・会社を興したい

上限200万円で2/3補助が出ます。ちなみに、産業競争力強化法に基づいた認定事業の場合、上限が1000万円になります。

基本、まだまだあります。是非、「ミラサポ」などを通じてご相談ください。

リスク(責任)を取れる社会へ=イスラエルやDARPAに学ぶ

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(写真は2030年のあるべき国家像を議論する自民党国家戦略本部の会議の様子。敬愛する同僚衆議院議員鬼木誠先生のFACEBOOKから無断で拝借しました・・・)

ということで、昨日の「リスクマネジメントとリスクテイク」の続きになりますが、どうやったらリスク(責任)を”負う”のではなく、リスクを”取って”安定成長を目指す社会への軌道に乗るのか、乗せれるのか、という議論をしたいと思います。

イスラエルに注目しています。この国の戦略は何度かこの場で触れていますし、いつか本格的に書いてみたいと思いますが、米国のシリコンバレーあたりのハイテク企業がこぞってイスラエルのハイテクベンチャーを買収するという動きが続いています。

フェイスブックはスマホ用データ圧縮管理アプリ企業であるオナボ社を買収しましたし、グーグルはスマホ用地図情報アプリ企業のウエイズ社を約1000億円という破格の高額で買収しました。アップルもIBMも、マイクロソフトもインテルも、その動きを強めています。今話題の3Dプリンタでも世界シェアトップはイスラエル企業のストラタシス。そこも米国と合併した。また別の話題のぶつからない車の車載カメラシステムもイスラエル企業(シェア9割)。スマホをパッドにおくだけで充電できるパワーマットもイスラエル企業。MS社のXboxのキネクトもイスラエル新興企業の技術。このあたりは、シャウル・シンゲルの「アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業をほしがるのか?」に詳しい。

米国企業のイスラエル企業買収総額は2012年は2011年の3倍である3000億円にもなっていますので、今年はもっと多いはず。そして韓国のサムスン電子やLG電子、中国の華為(ファーウェイ)、ドイツのシーメンス、オランダのフィリップスも、同じ動きを昨年から始めています。

その心は、買収すればイスラエルに研究開発拠点を築けるから。人の流れと技術の流れのハブを世界規模でよく見ている証左だと思います。このことは、アレキサンドリア図書館のところで触れました。

https://keitaro-ohno.com/?p=33

一方で日本のプレゼンスはイスラエルではきわめて弱い。当たり前です。日本は未だにイスラエルをきな臭い国としか見ていない。資源のない国はアラブ諸国と仲良くしないといけないから、イスラエルとは付き合ってはいけない、という雰囲気が無きにしも非ずなのではないかと見ています。日イスラエル貿易はきわめて少ない。

まったく時代錯誤。時代は進んでいます。日本もイスラエルに学ばなければなりません。幸い、日本にも、サムライインキュベートの榊原社長のようにイスラエルに住んでまで学ぼうとする若き起業家がいるのは頼もしい限りです(WEDGE2014年2月号参照)。また、佐藤優さんの先見性ももっと社会に認知されるべきです(みるとす2013年3月号)。

ではなぜイスラエルは斯くもハイテクベンチャーが多いのか。私は以下のように見ています。

・資源が無い小さな国で成長するためにシンガポールがとっているようなハブ戦略は絶対にイスラエルは取れないので(ある種敵に囲まれている)、そもそも危機感が強い。

・敵に囲まれているからこそ、軍需が盛んになり、リターンを求めない先行投資が可能。

・ベンチャーキャピタルが発達している。

つまり、リスクを文化というか、リスク(責任)を取らざるを得ない環境がある。取らないと滅びるという悲しい現実があるからだと見ています。

アメリカの国防総省にDARPAという組織があります。何度も触れていますので、詳しくは触れませんが、これぞまさしくリスクを積極的にとる文化だと思うのです。だからアメリカからはインターネットやGPSが生まれる。

DARPAは最近、ロボット技術コンテストを実施した。なんと最高評価は日本に与えられた。SCHAFTという企業というか組織ですが、問題は、このSCHAFTがDARPAに認められた直後に、どこの会社がSHAFTを買収したかと言えば、グーグルです。折角の日本の技術がアメリカに吸い上げられる。まさにリスクをテイクしていく文化の有無が将来の命運を分ける構造です。

今年から、日本でもDARPAに似た構造を導入できる運びになりました。私も昨年通じて結構議論に参加させていただきました。Impactというプログラムで、550億円の先行投資を行う。私としてはまだまだ不満なところもありますが、第一段階目としては良いのではないかと思っています。

輝かしい国にしたい。

がんばっていきたいと思います。自民党で2030年のあるべき国家戦略を策定しようという組織が存在します。国家戦略本部という名前で、私もそこの主査を勤めさせていただいていますが、あるべき国家像を描き、そこからバックキャスティング手法でやらなければいけないことを策定する。私はそこに、リスクを負うのでなく、取れる社会というのを、一つのキーワードとして入れていきたいと思っています。

とにかく、輝かしい国に。

皆さん是非一緒に考えましょう!

リスクマネージメントとリスクテイク

リスクを取れる上司と、責任を回避する上司と、どちらがいいですか。

リスクマネージメント部門を設ける企業が多くなりましたが、そのリスクマネージメントとは何か。企業が社会から責任を追及されないようリスクを回避することなのか、あるいは、企業行動が結果的にもたらす社会へのダメージをコントロールすることなのか。本質的には後者であるべきですが、前者も多いような気がします。

JR北海道。どういうリスクを誰が何の目的でどのようにマネージメントしていたのか。深く考えさせられる事件です。

リスクマネージメント部門にいた人を見ていると2種類に分かれるような気がします。後者の人はリスクを取って責任も引き受け社会を切り開くタイプ。前者は自分を守ることに精一杯でリスクを恐れ責任を回避し自分で決断しないタイプ。

以前、地元の企業の社長さんがいい言葉を教えてくれました。俺が責任をとるんだから、君たち従業員は俺が責任を取れるように責任を持ってくれ、と。こういう企業だと何となく安心できます。

そしてリスクを後者の意味のマネージメントしながらテイクできる企業が増えていかなければ社会は前進しない。だから政治はテイクできる環境を作っていかなければならないのだと思います。

自信という名の政策ー中小企業などのあらゆる地域産業について

全員が「どうせ駄目だろう」と思っていては、絶対に駄目なのです。ですから、皆様方におかれましては、是非、ご自身を信じて日本復活を共に歩んで頂ければと思います。

年末より暫く地元で慌しい年末年始を過ごしておりますが、やはり感じるのは景気感の報道との乖離です。もちろん、各種機関から報告されている指標を見ると、大企業から小規模事業者まで間違いなく景気は好転しているのですが、全国津々浦々、全事業者には浸透していません。

「今んとこ、ワシ等とは関係ないけど、頼むわのぉ〜」。期待も滲んだ地方の現状を訴える声を良く頂きます。

私自身、大胆な金融政策と財政政策の他に、選挙前からお訴え申し上げてきた点があります。それは、活力の流れです。活力の流れを変えていかなければならない。

過去の失われた20年の間に、サプライチェーンやバリューチェーンは寸断されてきました。したがって、大きなマクロ政策を組んでも、昔のようにすぐには全国津々浦々すぐに浸透しない。根っこには「どうせ・・・」という疑心暗鬼と自信喪失があるような気がします。

だからこそ、私自身は中小企業や小規模事業者、はたまた農業や水産業も含めての地域の全産業を応援する政策、つまりミクロの政策が大切だと思っています。これをやってこそ、マクロとミクロをつなげられて、所謂アベノミクスが奏功するものだと確信しています。

昨年、政治サイドも官僚サイドも一緒になって随分とこの中小企業政策の餡子を詰め込んで参りました。まだまだ不足だと思われる向きもあるかもしれませんが、是非一度覗いていただければと存じます。

例えば、中小企業庁には、中小企業・小規模事業者の未来を応援するという意味の、「ミラサポ」というポータルサイトを開設していただいております。是非ご参照ください。

http://www.mirasapo.jp

また、来年4月から消費税があがります。価格転嫁対策室を経済産業局に設けていただいております。是非ご参照ください。

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2013/131002bessi.pdf

また自民党では全省庁横断で地方活性化に資する国の政策を纏めた冊子を作成しております。お入用の方は是非事務所までご連絡ください。

現状ではまだまだ公共事業主導の景気回復ですが、徐々に民需主導の景気回復路線に乗りつつあります。ポイントは設備投資。今年度末までには民間部門の設備投資もプラスに転じるように誘導していかなければなりません。先に申し上げた地域の自信を取り戻せる政策が必須です。

その後は、日本の起業率の改善。リスクをとってビジネスを創める方々をしっかりサポートし、日本の元気を育てなければなりません。イスラエルは起業率が非常に高い。廃業率も高いのですが、新陳代謝が激しい。源泉にあるのはテクノロジー。だからというわけではありませんが、科学技術もイノベーションの中核です。

雑駁なことを申し上げましたし、まだまだ書き足りないことがたくさんありますが、とにかく、今年と、遅くても来年までが日本の勝負です。正念場です。なぜならば、今の政策は何年も何年も続けられないのだから。

そして、もう一度申し上げます。全員が「どうせ駄目だろう」と思っていては、絶対に駄目なのです。皆様方におかれましては、是非、ご自身を信じて日本復活を共に歩んで頂ければと思います。

後援会に関するページをリニューアルしました!

team敬太郎 – 後援会に関するページをリニューアルしました。メールニュースの配信や、後援会の入会、自民党入党、勉強会などをご案内しております。

またまだ至らぬ点あろうかと存じますが、何卒末永く、あたたかくご支援賜ればと存じますので、宜しくお願いします。

今後ともご指導ご鞭撻の程、宜しくお願いします。

https://keitaro-ohno.com/?page_id=2083

新年のご挨拶

 午(ウマ)年の新年を迎えました。謹んでお慶び申し上げます。皆様の御祈願されたことが、駿馬の如く成就される一年になりますよう、心からご祈念申し上げます。

 この日本という国を、20年以上も包んできた閉塞感という名の得体の知れない霧が、少しずつ少しずつ薄らいでいくことの喜びを実感しつつ、その実感を、山積する課題に立ち向かう原動力に変換しながら、微力ながら世のため人のために尽くす喜びを感じております。

 「敢えて遅れたるに非ず、馬進まざればなり」。魯の時代。敗走兵を率いていた孟之反が、自ら進んで馬を遅らせ、最後尾に回って追っ手と一戦交えてそれをかわし、敗走兵を無事に逃した後に、配下の兵に言った言葉です。「いやぁ、別に私がやろうと思ってやったんじゃないんですよ、馬がぜんぜん進まなくてねぇ」。論語に収められている話です。

 論語を生んだ彼の国は、文革を通じて別の国に変り果て、今では我が我がと前に出ることをよしとする。それが良いとか悪いとかは論じませんし、孟子や孔子を語ったところで国が必ずしも良くならないのは、既に文明開化のころに福沢諭吉翁が文明論之概略で仰っていますが、それでも凛とした日本らしい日本でありたいと、馬に乗りて背筋を伸ばしたる騎手を想像したりしています。

 旧聞に属しますがその昔、路上喫煙が話題となり、禁煙を条例化する動きが加速していた時代、マナーからルールへという標語を見たときに、若干背筋に寒気が走ったことを今でも記憶しています。自らを律するもの。それがなければ政治は機能しない。源流は法治。ルールに自らを律するものを求める態度は当然であるとしても、馬進まざればなりと思う謙虚さは、マナーでもあり決して忘れたくない態度です。

 今年一年、改めて騎手の精神で自らを律する大切さを肝に銘じ、汗馬の労を厭わず頑張って参りたいと存じますので、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、私の新年のご挨拶とさせていただきます。

【善然庵閑話】数学と音楽の美学と研究開発法人制度

18世紀くらいにオイラーという偉大なる数学者がいました。実用上有益な数学です。数学をかじった人なら必ず知っている人です。この人がいなければおそらく、アポロやはやぶさはおろか、テレビも生まれていないし、ビルの耐震設計もできなかったのではないかと思っています。

人類史上最も多くの数学論文を書いた人。

数学のやりすぎで両目を失ってもなお、雑念にとらわれる必要がなくなった、と、更に数学に没頭してしまう人。

このブログで過去に触れたことのあるロシアの女帝エカテリーナ2世の治世にロシアに生きた数学者で、先日のマキャベリ・アンチマキャベリで触れたフリードリッヒ2世など、世界を魅了した為政者の支援を受けながら、ひたすら数学に没頭した人です。

果たして当時の技術水準で、オイラー数学のこれ程までの内面の実用上の素晴らしさについて気づいていた人がいたかどうかは甚だ疑問ですし、フリードリッヒ大王が今の技術水準を予想したとは思えません。しかしそれでもこうした為政者が、いくら当時天才数学者の名前を縦にしていたとしても、何に役に立つかわからないオイラーに莫大な研究資金を供出し続けたことは無視できない史実です。

ここで触れておかなければならないのは、今、日本で研究開発法人制度が議論されていることは申し上げましたが、効率性を重視する独立法人制度のもとに置かれては、有効に機能しないのは目に見えています。フリードリッヒ大王とオイラーの間に、効率主義者が官吏としてい間に入っていたら、おそらく微分積分もここまで進歩はしていません。

さて、今回は、善然庵閑話シリーズなので余談がメインです。

何を言いたかったのかと言うと、数学の美しさと音楽の美しさの共通点です。実はこのことは私の大学の親友(白血病で残念ながら他界してしまいましたが)とよく議論していました。で、先日、まさにそんなタイトルの本を見つけてしまいました(人生を変える数学そして音楽)。

著者は中島さち子さんという高校生のときに世界の数学オリンピックで金賞をとった東大理学部数学科卒の女の子で、現在30歳台。堅物かと思ったら文体も気さくな感じの普通の女の子に見えますし、何と言っても、社会人になって何をやっているかというと、ジャズピアニスト!成人してからジャズに取り憑かれたとか。

曰く、例えばオイラーの公式に、Σ( 1 / nˆ2 ) = πˆ2/6というのがあると。nは自然数でΣは級数、πは円周率ですが、なんで自然数の級数からπという円に関わる数字がでてくるのか。不思議じゃないですか?これはとても美しいと感じてしまいます、と。もちろん私がダイレクトにこんな疑問を呈すると変人扱いされて政治生命が絶たれる危険性がありますが、実は同じような感覚をとてもとても多くもっています(やばい?)。

この公式は世界で最も美しい公式とも呼ばれているものですが、素数を論じる空間を想像すると想像できる公式です。難しく聞こえるかもしれませんが、素数というのは普通の縦横軸で表現できて、公式が描く図形をこの空間上で想像するだけなんです。それが美しい。美しいと感じれるかどうかは感性の問題かもしれません。

そしてこうしたオイラーの美しさは、後に振動工学などに非常に役に立つことになった。なぜかといえば、振動は、円周をぐるぐる回るのに似たりだからです。で、振動というのは、音楽の音に直結する。

だから音楽も同じ美しさをもっている。大学の友人と語っていたのはそのことで、例えば音の周波数と音階を数学表現すると面白いことに気づく。ドの音に最も親密なド以外の音は、3倍周波数のソであり、次に5倍周波数のミであり、次に7倍周波数のシ♭。合わせて弾くとメジャーコードであり、セブンスコードになる。和音には数学的美しさもあったということ。一方で悲しく聴こえるマイナーコードと数学の関係はよく分からないという結論になった。分からないから美しいとという結論にもなった。

前回の、ぜんぜんあかんわ、でも書きましたが、やはり感性は大切に磨いていきたいと思っています。

年末を迎えて農政を考える

今年一年でずいぶんと多くの議論に参加させていただきましたが、あえて今年最後の記事としては農政を取り上げたいと思います。

というのも、他の分野と同様、大きな方針転換があった分野だからです。財政金融政策や外交安保政策などの方が大きく報道されてきたような気がしますし、私自身もそういう分野の書き込みばかりしてきましたが、実は農政も非常に重要な転換がありました。

私の視点での最大のポイントは需要サイドの農政に転換しつつあること。私が政治の世界に飛び込んで以来、たった1つだけのことをずっとお訴えし続けてきました。ブログでも何度か書きましたが、それは生産調整をやったり戸別所得補償とやらをやったりというのは、それ自体が全く誤りだとは言いませんし、社会政策としては正しいのかもしれないけど、産業政策としては間違いではないか、むしろ需要を喚起する方向にお金をつかった方が良いのでは、つまり供給サイドから需要サイドへの農政、ということをお訴えしていました。

端的に言えば日本が世界に誇るべき農産品を世界に輸出することであり、また6次産業化です。

そして何のことは無い、私ごときが考える事でしたのですでに皆様もお考えであったようで、国会で特段の運動をすることもなく、大方針として決まりました。

今から少し長くなりますが、全般の説明をしたいと思います。もしご関心があるようでしたら、先般発表されましたプランをリンクしますのでご参照ください。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/nousui/pdf/plan-honbun.pdf

1.現状認識

敢えて言うまでもなく、例えば20年前という私が社会人になった時代に比べると、農産品生産額は3/4に、就農者は1/2に、そして就農平均年齢は10歳上がって66歳になりました。改革まったなしです。

ただ悪い点ばかりではなく、世界需要でみれば、人口が例えば2050年までには今の1.3倍に、そして当然食料需要も増えるわけで、例えば過去の10年で中国の大豆輸入量は4.5倍に上がってきたそうです。

2.産業政策と地域政策

農政の視点として改めてこの二つの切り口が柱になりました。別の観点から言えば、この政策に直接かかわりがなければ止めていくということです。

例えば減反政策。地域政策と言えなくもないけど、生産調整、つまり供給量の調整による価格の調整は直接的に地域政策にはならない。ですから今後5年かけて廃止の大方針が打ち出されました。

個別所得補償も来年度から半額の7500円にし、5年後には廃止。これは、細かいことを言わなければ、頑張ろうが頑張るまいが、面積あたりに支給する方針なので社会保障のような政策になってしまう。農地を守る地域政策でもなければ産業政策にもならないのでこういう方針だと理解しています。

2ー1.産業政策

地域の潜在力に加え、先ほどの現状認識で触れたような世界重要の増加や、多様な主体の参加と、大きなトレンドである食料品価格の上昇をしっかりと睨んで、稼げる農業、強い農業の構築をする必要があります。必然的に、今までの供給サイドだけではなく、需要サイドの農政、そしてその需要と供給をつなぐバリューチェンの強化です。

1つめの供給サイドの構造改革としては、担い手への農地利用の集積のための農地中間管理機構(農地バンク:すでに立法化済)の立ち上げが決定されています。そして就農促進のための種々の政策を強化することになっています(青年就農給付制度など)。

2つめの需要サイドは世界市場を睨み輸出の倍増(1兆円)を目標とします。私の夢は地域の農協や組合が直接貿易実務とマネージメントを担える人材を雇い、それが直接アジア圏に出張に行って商談をまとめ、例えば組合員を集めて「来年の商談をまとめてきたから来年農家の皆さんがんばってね」と言える地域の制度を創設することですが、いずれにせよ輸出政策。直接輸出補助を行うとWTOなどに引っかかってくるのでできないとしても、ターゲットとなる国に合わせた何かの設備が必要なのであればそうした補助を創設することは考えなければなりません。

そもそも和食がUNESCOの無形文化遺産になったわけですし、和食は世界的にブームになりつつあるので、必ずしも価格競争力がないとあきらめることは慎むべきであると考えています。

3つめのバリューチェーンは主に6次産業化です。農政ファンドの創設や再生可能エネルギーなどの導入促進、生産流通の高度化や地域のブランド力強化などが盛り込まれています。私自身は、既存の農家に突然そういうことを担ってほしいと言っても無理だと思うので、まずはそうした人材を紹介したり育成したり、またそうした人材の雇用に助成制度を導入する必要があると思っています。

もちろん医療や福祉や学校などとの連携によって新たなニーズを開拓し、または対応していくことも絶対的に必要だと思っています。

2-2.地域政策

稼げる農政ばかりでは農業は継続できません。供給源をしっかりと守ることも絶対に必要です。農家という人間ではなく、農地やその地域をしっかり守るために必要な施策は継続・強化もしくは新設すべきは当然です。

まずやらなければならないのは、こうした根本的な問題について、国民の理解を得ること。安心安全な食料の供給源確保は社会コストであるということについて消費者理解を浸透させることが必要です。

その上で新設された制度としては多面的機能支払制度です。日本型直接支払制度ですが、これは従来からあった水路や農道整備などの資源向上のための支払制度の拡充に加え、法面整備などの農地維持についても支払制度を拡充したものです。

2-3.その他

産業政策と地域政策の柱にしたがって組み替えたわけですが、かといって大手を振って完璧な制度になっているかといえば、私はそうは思っていません。それは例えば飼料米対策のための補助制度の拡充。

これは理想と現実のギャップを埋めた制度であると理解しています。大胆な改革に伴うリスクヘッジの意味合い、食料自給率改善のための方策、飼料需要者負担軽減など、トータルとして考えた現実的オプションであると考えます。具体的に言えば反あたり8万の補助であったものを、反収に応じて増減させる。さらに多収品種への取り組みや藁利用などの取り組みに対しても補助が上乗せされるので実質米とコンパラの所得が得られる制度です。

こうした飼料米政策以外にも、割り切れない政策はありますが、十分に社会の中で十分に理解の得られる制度であると理解しています。

3.農政のこれから

まずは2-3で申し上げた政策の出口戦略を早急に検討すべきであると考えています。あと20年たったときに私は60才代。そのときに、安定した農業が産業としても地域の風景としても維持されるような制度を今築いておかないと手遅れになると感じています。

少し書きなぐった感じの雑駁な乱暴な議論をしましたが、以上が現時点での農政の方向と私が考えている視点です。