舵取り役・・・

 
もうすこしで一国のリーダが決まりそうですが、政策の切り口を重視して各陣営を論じているマスコミは一社もありません。どこの社も、誰が誰にお願いをして・・・。自民党政権時代にも感じましたが、本質があるのに本質じゃないところばかりマスコミが追いかけるので、結局本質なんかないのではないか、と国民が思ってしまう。

これから任期一杯までの役割りとは、円高や電力や税制などを如何に切り盛りして日本の経済を世界から零れ落ちないようにするのか、と同時に、日米関係の修復をしっかりして世界の中の日本を再構築するか、しかないと思っています。そしてマスコミを通じて見る各陣営は、それらの方向性が微妙に違う。ですから、日本の方向性もこれで違うのです。そして今は非常に大切な時期でもあります。

もちろんマスコミさんはボードなどを使って各陣営のコメントを紹介したりしていますが、やるべきは、それぞれのコメントで日本は転がり始める方向性の利点と欠点を分かりやすく国民に示すことではないでしょうか。「こうしたら、これがこう良くなります」とは各陣営は言いますが、「でも、こっちがこう悪くなります」とは言うはずがありません。まとめ役を是非マスコミに担っていただきたいものだと思います。自民党政権時代にマスコミさんが行った誘導ではなく、本当の日本のための政策論議番組を作って欲しいと切に願うものです。

緊張の2012年、日本の将来

 
世界に目を向けると、2012年というのは歴史上の一つの分水嶺になる可能性を秘めています。主要国の元首クラスの選挙が集中する年に当たるからです。それだけ?はい、それだけです。それだけでも結構国際関係は大きく変わります。それほど元首のカラーは外交上重要です。ですから現在日本は国際社会から無視されています。

例えば、アメリカでは大統領選挙と上院下院の選挙。中国では共産党大会にて胡錦濤から習近平への権力委譲が有力と目されています。台湾も総統選挙が予定されています。韓国もしかり。そして北朝鮮は、金日成生誕100年にあたり権力委譲がささやかれています。フランス・ロシアも大統領選。

一番きな臭い問題は、台湾の総統選です。前政権の陳水扁は台湾独立を全面に押し出した政権であったので、中台間の緊張は国会事務所にいても感じるものでした。「このままだと間違いなく紛争に発展します」。そういう発言をとある日本人ではない海軍士官が声を荒げて当方の事務所でおっしゃっていました。わずか5年前程度のできごとです。

米中対立は台湾関係以外にはありません。台湾の総統選挙によっては、「まさか」と思うことが本当に起こりうる可能性もあります(以前申し上げた、外交は想像力の勝負です)。

韓国もしたたかです。イミョンバク政権は、前政権との明らかな外交政策の違いを鮮明に打ち出しました。対米関係です。今では日本よりもはるかに良好な関係をアメリカと保っています。竹島で態度を硬化させているのは明らかに対米関係の強化が背景にあります。

そのほか多くの可能性が秘められております。いつか詳しく書こうと思いますが、こうした時期であるだけに、日本としては政権がどちらの方向に向いているのかだけは、はっきりとメッセージを出しておいたほうがいいのは明らかです。

会社をやめますか、日本をやめますか、人間やめますか

 
来年度の予算編成に向けて準備が進んでいます。改めて申し上げる必要もありませんが、私は増税を前提に議論をするのは反対です。反対の理由は選挙のためではなく以下です。つまり日本のためです。

今、円高で日本の会社は疲弊の極地にいます。じゃ海外に出て行くか、といっても出て行き先も不安定。会社をやめますか、それとも日本をやめますか、それとも人間やめますか。そう国家が国民に問い詰めているようなものです。

1.復興対策予算は本予算とは別立てで無利子無税国債を発行。後年度に経済状況を見極めた上で増税で賄う。
2.本予算については昨年やったような狂った大きな政府予算組みは捨てて(マニフェスト)、本予算での国債発行を30兆に抑える。

つまり、財政問題の本質は災害復興にあるのではなく、肥大している本予算と莫大な国債発行にあるわけで、復興に必要だから来年から増税して政策予算に回そうなんていうのは、国民だましもはなはだしいと私は思っています。

今、国には災害復興にむけてお金が必要だから、法人税と所得税を増税しようという議論が始まっています。災害復興前ではあるけれども、以前は法人税減税を謳っていたのは誰なのでしょうか。災害復興などの単年度か複数年度の話と中長期的な財政規律の問題がぐちゃぐちゃになっていて議論もできない状況にあるのが今の政治です。

念のため。決して民主党がいけないとは思いません。民主党を纏められない政権がおかしいのです。

このままだと、円高と電力と法人税のトリプルパンチで、日本に会社はなくなってしまうのではないかと本当に心配でなりません。

終戦記念日

 
明日の15日、66回目の終戦記念日を迎えるにあたり、300万柱を超える戦没者に対し、改めて心から謹んで深甚なる哀悼の誠を捧げ、また恒久平和へのたゆまぬ努力をお誓い申し上げる次第であります。

大学の頃、靖国神社の裏手、徒歩5分もかからないところで下宿をしておりました。高校生になるまでは靖国のその意味さえ深く考えることもありませんでしたが、大学の頃からこうした環境が影響してなのか、大村益次郎とはだれなのか、なぜ戦争はおきたのか、当時の兵士はどのような心境だったのか、国とは何か、など深く考えさせられました。

家族を思い恋人を思い散っていった戦没者が、例えば渋谷の若者を天国から見て、平和を享受している現代人の姿に何を思うのか、願わくば喜んで頂ければとは思いながらも怒りを覚えていらっしゃるのか。そして、いずれにせよ、戦没者はじめ先祖の尋常ならざる努力によって今が成り立っていると、しっかりと後代の我々は認識しないといけません。そして我々は戦没者追悼と同時に平和追求のシンボルを持たなければなりません。それが靖国であると思っています。

思えば終戦直後の国是は平和と復興でありました。吉田茂によって方向付けられた戦後日本のシステムは、適切に機能し、平和と復興を成し遂げ、驚異的な経済成長を遂げました。ここ10年くらいは、デフレ不況によって閉塞感が漂い、新しい国是綱目を掲げないと前に進まない状況にある、だけれどもその国是とは何かを政治が完全に見失っている状況でもあったと言っても過言ではありませんでした。

そして今年。第二の戦後と言われるまでに至っている大震災後の復興活動。つまらぬ小競り合いはやめにして(逆に言えばどさくさにまぎれて関係の無いことを災害復興にむすびつけるような小細工をするのはやめ)、まさに堪え難きを堪え忍び難きを忍び、以て万世の為に太平を開かんと欲する態度が政治に必要なはずです。

先日、開催が危ぶまれていた岩手県での花火大会の様子がテレビで報道されていました。被災者(ご遺族)が、いつもはきれいな花火が今年は悲しい形に見えるわ、とおっしゃっていました。おそらくこれからこの方にとって花火の見え方がかわるのだと思います。花火はこの方にとってのおそらく平和と復興のシンボルになるのだと思います。そしてそのシンボルの背後には、多くの被害にあわれた被災者の苦しみがあります。被災者のそれぞれのシンボルを、きれいなものにしなければなりません。

まつりシーズン到来!

今年も、お祭りのシーズンがやってまいりました・・・。

仁尾の龍を担いだり、仲間と楽しいひと時を過ごしたり、お世話になったかたがたにご挨拶申し上げたり・・・。いずれにせよ、人間の笑顔は素敵ですね。

Yes, you Kan!

今年4月にもお届けしましたが、海外の雑誌の表紙からだけでも、海外が日本をどのようにみているのかが分かります。

世界の眼

先日、Economistがまた強烈なメッセージを世界に発しています。表紙の人物はオバマとメルケルです。彼らの金融・財政に対する政治運営に対して、Economist誌は、問題先送りと責任の所在の不明確さは、まさに、「日本化(Turning Japanese)」だ
と言っています。さらに本文の中で、オバマに対して、”Yes, you Kan!”と軽い言葉遊びなどもしています。

こういうところで日本を持ち出して欲しくはありませんし、ただただ残念に思います。

ルックコリア?

かつて80年代初頭に当時のマハティール首相はマレーシアも日本や韓国の勤勉精神に学ぼうと種々の政策を打ち出しました。ルックイースト政策です。結果的に日本や韓国から企業進出が増えすぎて国内の批判を浴びることにもなりますが、しかしルックイースト政策は在任中続けられ、国力は見違えるほど強化されました。

現在の日本。震災発生直後から、急激な円高と電力供給の問題から、企業の海外移転に対する懸念が各方面から出されていましたが、ここにきて現実味を帯びてきました。先日、日経新聞が四半期ごとに発表している動向調査で、4割の経営者がこのままだと3年以内に移転せざるを得ないと回答しています。

理由は、1番が電力供給の将来見通しで約半数、後は法人税、TPP、具体的政調戦略と続く。さもありなん。政府は電力問題を節電や売電で対応しようとしておりますが、数値を積み上げるととてもではないが足りない。企業にしてみれば、山本五十六ではありませんが、1年や2年は節電やってみせましょうが、それ以上は難しいし、国際競争力なんて言葉もむなしい状況になる、というのが現状だと思います。

さらに国際競争環境は悪い。牽引役の産業分野では、現在の対抗馬は韓国。その韓国は戦略的にアメリカ・EU・インドなど主要国とEPA/FTA(平たく言えば貿易自由化交渉)を締結しています。日本もASEAN・メキシコ・チリ・スイスなど、頑張っていますが、市場規模は断然の違いがある。例えば車で言えば5倍は韓国の方が有利。

さらに円高。例えば造船分野では現在の為替だと同じ船を造っても3割は日本製の方が割高になるとの指摘もあります(日経)。

そして法人税実効税率の周辺国に較べたときの高さ。かなり昔から指摘されていた点ですが、結局先に成立した税制改正法には盛り込まれませんでした(平成23年度税制改正法)。

さらに留めが、悪魔のお誘いか天使のお誘いかは分かりませんが、韓国やアメリカからの日本企業への誘致運動。韓国は、電気料金は3分の1、法人税は5年間無料で結構とおっしゃっているそうです(自民党エネルギ政策合同会議より)。

これでは、日本が好きだぁ〜という社長でも考えざるを得ない。

そういう状況で、当面の原発政策について「再稼動しなくても電力は大丈夫」という政府の方針発表で、企業は計画さえも立てることができないのではないかと思います。

ここ最近の韓国の国家戦略には非常に感心させられます。産業戦略、教育戦略、農業戦略、どれも一つの筋が見えます。人によっては韓国はまだまだと言うかたもいらっしゃいます。例えば最近韓国勢に押されまくっているIT産業も中身は日本製だとする主張です。しかし中身も韓国勢に押されつつあるのが現状です。

不毛な競争意識は不要ですが、ルックコリアと主張しないといけない時代がいつかくるのかもしれません。

四国の夜空と空海と

四国について考えることがしばしばあります。

道州制の議論は政権交代で頓挫していますが、この多様化時代に中央集権的に中央政府が全てを決めていたのでは、効率的な画期的なアイディアはでません。日本国家の成長が止まってしまいます。であればこそ、地方分権を推進し、地域が地域にあった事業を地域ごとに勝手に進められるシステムを作らなければなりません。民主党だろうが自民党だろうが、手段こそかなり違いますが、地方分権社会に進んでいることはまちがいありません。

そこで四国について考えたい。四国はそれこそ海に囲まれた島。であればこそ他地域よりも真剣に、地方分権時代に向けて四国独自の発展モデルを自らが提案して準備をしていかなければなりません。でないと、取り残されます。その四国を考えたときに必要なのは水と輸送であると思っています。

今までのように政治が単に企業誘致だと叫んでも将来展望のある四国像は全く浮かんできません。まずは明確な産業戦略があり、そして必要な企業誘致なら分かります。しかし今、四国には明確な戦略は見当たりません。

地方分権時代とは地方が直接海外と戦う時代です。農業で言えば、近所の農協の若き熱血職員が、明日から海外に出張にいってくるわ〜といって2〜3日後に戻ってきて、3万トンの商談まとめてきたぜよ〜という時代です。

静岡県は10年前くらいまでは県民所得で言えば大した県ではありませんでした。ところが今では3番目くらいには常に入っている。なぜか。東京圏と愛知圏の中間という地の利を生かして、物流と部品供給で発展してきました。

そして今、日本のアジア戦略で、北九州が発展しています。韓国に近い、中国に近い。とすれば、中国地方か四国地方も発展のチャンスは絶対にある。しかし、そのどちらを企業がとるかといえば、まちがいなく中国地方です。アジアに近いし陸続きで物流も安い。

すると四国は負けます。瀬戸大橋などを通常の高速料金並みにしないと話になりません。さらに言えば、瀬戸大橋・しまなみ・淡路があっても、九州にはいけません。どん詰まりです。であれば、カネはかかりますが、愛媛から九州に抜いてあげないと、意味がありません。100年計画です。

その上で、四国は今後オセアニア戦略を取るべきだと思っています。オーストラリアからの輸入は四国に任せてくれ!そう言える四国であるべきです。ハブ化です。大規模な港湾を四国に作るべきです。できれば徳島あたり。

そして水。これは既存路線を推進させる。経産省纏めによると、工場立地の条件の主なものは、人件費や土地などのコスト、自治会などの地元などの理解、そして水やエネルギなどのインフラ。

私は決して公共事業ばんばん利権野郎ではありません。何とか歴史館やら何とか記念館など、不要なものは絶対に排除していくべきです。しかし、本当に必要なインフラというのは必要なのです。

写真は、まんのう池のゆる抜きです。この日を境に、流域の田んぼに水が入り、讃岐に美しい田園風景が広がります。空海という人は本当に国際人だと思います。一宗教家ではありえない。9世紀に中国に行き、密教のみならず、中国にあったエンジニアリングという意味での技術を持ち帰った。のみならず、その技術を使いこなすための人材育成機関、一般庶民向けの今で言う私立大学を全国に作ろうと試みた。とても先見の明があったスーパースターです。

そんなことを思いながら、今、四国の夜空を眺めています。

帰属意識とは

いろいろな方のご意見を伺いたい。そんな思い出ほぼ毎日、ちょっとずつでも直接出向いてご挨拶かたがた、今の政治についてご意見を頂戴しています(写真は豊中町たまねぎ農家にて)。

いろんなことがおきます。犬にほえられたり(写真:山本町)、はたまた歴史を感じさせる慰霊碑に出くわしたり(写真は豊中町にある日露戦争戦没者慰霊碑)、昭和21年の南海地震を思い出させる鳥居に出くわしたり(写真:多度津町白方)、思わず先祖の代に思いをはせてしまったりします。

人間とは、帰属意識なくしては自尊心を維持できない動物です。つまり、地域のために何かつくしたい、と思う唯一の動物のはずです。日本に生まれてよかった、香川に育ってよかった、そう思うことが人間の本質であり、それが原動力になって、がんばれる動物です。

いろいろなものを見ながら、聞きながら、前に進んで行きたいと思っています。

素敵な戦士、金美齢さんと

数年前から功亀会(香川県中讃地区を中心とした政経勉強会)の事務局をやっていますが、その会で金美齢さんをお招きし講演会を開きました。司会を担当したので金さんにご挨拶申し上げたのですが、おしゃれで素敵、非常に高貴な風格のある、でも芯のある革命家の匂いのする、それでいて、非常に温厚・気さくで近くで話すと非常に親近感と好感の持てる方でした。実際、もっと強烈な個性の方なのかと思っていました。

いわゆる有名な評論家と言われる方の中で何人かは実際にお目にかかってお話した方がいますが、まぁ、本当に感じ悪かったり、偉そうだったり、見下してたり、そんな人も結構いらっしゃるなか、本当に本当に金さんは素敵の一言でした。もちろん、昔からファンではありましたが・・・。

ご高話の内容は、閉塞感のなかで出口が見えにくくなると国民は政治に頼りたくなるが政治が全く凛としていない。だからといって批判するのは簡単だけど、有権者が凛としないと政治家は絶対に凛としない、といういうお話でした。

しかし、何となく似ていませんか?親子のような・・・つまりお袋のような・・・。どうでしょう。