令和初の総理施政方針演説

議員として、国家国民の為、想いをもって政策立案に携わることは、密かな誇りとやりがいを感じるものですが、それが実施され、国民の皆様にお届けでき、それを評価頂いたときは、それがピークに達します。一方で、その過程の通過点での楽しみの一つが総理施政方針演説です。立案に携わった政策の内容が、その中で触れられることは、静かな誇りとやりがいに繋がっています。

今日、第201回通常国会が開会されました。国民からの信頼を揺るがす事件があった後の国会開会であって、このこと自体は誠に遺憾です。どのような素晴らしい政策でも信頼あってこその政治ですから、それだけ余計に謙虚さと真摯さを大切にしなければなりません。一方で、令和初の通常国会となり、新しい時代を築いていく思いを新たに致しました。

総理施政方針演説の中で、携わった政策を含め個人的に着目した点を挙げておきます。是非お目通しいただければと思います。

■地方創生

  • 文化財の積極活用で観光地づくりを後押しする制度の積極推進。
  • 自家用車で有償運送サービスが可能となる規制緩和の実施。
  • 観光インフラ整備の積極推進。
  • 農産物輸出の積極推進(昨年はEUへの牛肉やコメの輸出が約3割増加、TPP諸国への乳製品輸出も2割増加、サツマイモ輸出は4割増加、中国への牛肉輸出は解禁)。
  • 農林水産業は3000億円を超える予算で生産基盤の強化や販路開拓を積極推進。
  • CSF(豚コレラ)対策を一層強化。
  • 地方移住起業支援。東京から地方に移住して起業・就業する場合に最大300万円支給する制度を、更に使いやすく(社会的事業推進)。
  • 「移住支援センター」を全国1000の市町村に設置。移住ニーズ掘り起こし。
  • 地方創生交付金1000億円。
  • 若者の地方移住と起業を応援。

■成長戦略:中小企業

  • 事業承継対応。個人保証二重取り(先代経営者と後継者の両方)を原則禁止。
  • 商工中金は2月から年間3万件2兆円の新規融資について個人保証原則撤廃。
  • 信用保証協会は4月から個人保証なしで後継者に融資保証。一部保証料ゼロ。
  • 下請け対策のため取引慣行の是正。
  • デジタル化対応のためデジタル取引透明化法を制定による取引慣行の是正。

■成長戦略:規制改革

  • 無人自動運転解禁によって中山間地域の移動手段を提供。
  • 自動制御ブレーキなどのサポートカー限定の免許制度新設。
  • ビッグデータ時代の匿名加工個人情報の利活用促進。
  • フィンテック時代の金融行政の刷新。
  • マイナンバーカードを来年度中に健康保険証として利用開始。
  • 行政手続きの電子化を2024年までに完了。

■成長戦略:イノベーション

  • 科学技術イノベーションについて未来を担う若手研究者に大胆投資。
  • 企業のベンチャー投資を税制支援し自前主義からの脱却。
  • 国の研究機関によるベンチャー出資の促進。
  • 5G・ポスト5G等通信基盤を予算と税制で後押し。
  • 量子技術についてイノベーション拠点の整備促進。
  • 宇宙政策。
  • Society5.0時代の教育(小中学生へのIT端末1人一台を4年以内に実現)。

■1億総活躍

  • 兼業副業の後押し。
  • 全世代型社会保障。厚生年金適用拡大と起業支援。
  • 高齢者の就業意欲拡大への対応。70才までの機会確保。
  • 年金受給開始の選択肢を75才まで拡大。在職老齢年金も見直し検討。
  • 医療保険については年齢ではなく能力に応じた負担へ見直し。窓口2割負担。
  • 昨年の幼児教育保育無償化に続き、4月から高等教育の無償化。私立も実質無償化。
  • 保育の受け皿の更なる整備(待機児童数は調査以来最少を実現)。
  • 妊娠出産子育ての切れ目ない支援。来年春までに子育て世代包括支援センターの設置。所得の低いひとり親世帯への支援拡大。希望出生率1.8の実現を目指す。

■その他、オリパラ、外交安保、憲法改正など

●第201回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0120shiseihoushin.html