【善然庵閑話】数学と音楽の美学と研究開発法人制度

18世紀くらいにオイラーという偉大なる数学者がいました。実用上有益な数学です。数学をかじった人なら必ず知っている人です。この人がいなければおそらく、アポロやはやぶさはおろか、テレビも生まれていないし、ビルの耐震設計もできなかったのではないかと思っています。

人類史上最も多くの数学論文を書いた人。

数学のやりすぎで両目を失ってもなお、雑念にとらわれる必要がなくなった、と、更に数学に没頭してしまう人。

このブログで過去に触れたことのあるロシアの女帝エカテリーナ2世の治世にロシアに生きた数学者で、先日のマキャベリ・アンチマキャベリで触れたフリードリッヒ2世など、世界を魅了した為政者の支援を受けながら、ひたすら数学に没頭した人です。

果たして当時の技術水準で、オイラー数学のこれ程までの内面の実用上の素晴らしさについて気づいていた人がいたかどうかは甚だ疑問ですし、フリードリッヒ大王が今の技術水準を予想したとは思えません。しかしそれでもこうした為政者が、いくら当時天才数学者の名前を縦にしていたとしても、何に役に立つかわからないオイラーに莫大な研究資金を供出し続けたことは無視できない史実です。

ここで触れておかなければならないのは、今、日本で研究開発法人制度が議論されていることは申し上げましたが、効率性を重視する独立法人制度のもとに置かれては、有効に機能しないのは目に見えています。フリードリッヒ大王とオイラーの間に、効率主義者が官吏としてい間に入っていたら、おそらく微分積分もここまで進歩はしていません。

さて、今回は、善然庵閑話シリーズなので余談がメインです。

何を言いたかったのかと言うと、数学の美しさと音楽の美しさの共通点です。実はこのことは私の大学の親友(白血病で残念ながら他界してしまいましたが)とよく議論していました。で、先日、まさにそんなタイトルの本を見つけてしまいました(人生を変える数学そして音楽)。

著者は中島さち子さんという高校生のときに世界の数学オリンピックで金賞をとった東大理学部数学科卒の女の子で、現在30歳台。堅物かと思ったら文体も気さくな感じの普通の女の子に見えますし、何と言っても、社会人になって何をやっているかというと、ジャズピアニスト!成人してからジャズに取り憑かれたとか。

曰く、例えばオイラーの公式に、Σ( 1 / nˆ2 ) = πˆ2/6というのがあると。nは自然数でΣは級数、πは円周率ですが、なんで自然数の級数からπという円に関わる数字がでてくるのか。不思議じゃないですか?これはとても美しいと感じてしまいます、と。もちろん私がダイレクトにこんな疑問を呈すると変人扱いされて政治生命が絶たれる危険性がありますが、実は同じような感覚をとてもとても多くもっています(やばい?)。

この公式は世界で最も美しい公式とも呼ばれているものですが、素数を論じる空間を想像すると想像できる公式です。難しく聞こえるかもしれませんが、素数というのは普通の縦横軸で表現できて、公式が描く図形をこの空間上で想像するだけなんです。それが美しい。美しいと感じれるかどうかは感性の問題かもしれません。

そしてこうしたオイラーの美しさは、後に振動工学などに非常に役に立つことになった。なぜかといえば、振動は、円周をぐるぐる回るのに似たりだからです。で、振動というのは、音楽の音に直結する。

だから音楽も同じ美しさをもっている。大学の友人と語っていたのはそのことで、例えば音の周波数と音階を数学表現すると面白いことに気づく。ドの音に最も親密なド以外の音は、3倍周波数のソであり、次に5倍周波数のミであり、次に7倍周波数のシ♭。合わせて弾くとメジャーコードであり、セブンスコードになる。和音には数学的美しさもあったということ。一方で悲しく聴こえるマイナーコードと数学の関係はよく分からないという結論になった。分からないから美しいとという結論にもなった。

前回の、ぜんぜんあかんわ、でも書きましたが、やはり感性は大切に磨いていきたいと思っています。

年末を迎えて農政を考える

今年一年でずいぶんと多くの議論に参加させていただきましたが、あえて今年最後の記事としては農政を取り上げたいと思います。

というのも、他の分野と同様、大きな方針転換があった分野だからです。財政金融政策や外交安保政策などの方が大きく報道されてきたような気がしますし、私自身もそういう分野の書き込みばかりしてきましたが、実は農政も非常に重要な転換がありました。

私の視点での最大のポイントは需要サイドの農政に転換しつつあること。私が政治の世界に飛び込んで以来、たった1つだけのことをずっとお訴えし続けてきました。ブログでも何度か書きましたが、それは生産調整をやったり戸別所得補償とやらをやったりというのは、それ自体が全く誤りだとは言いませんし、社会政策としては正しいのかもしれないけど、産業政策としては間違いではないか、むしろ需要を喚起する方向にお金をつかった方が良いのでは、つまり供給サイドから需要サイドへの農政、ということをお訴えしていました。

端的に言えば日本が世界に誇るべき農産品を世界に輸出することであり、また6次産業化です。

そして何のことは無い、私ごときが考える事でしたのですでに皆様もお考えであったようで、国会で特段の運動をすることもなく、大方針として決まりました。

今から少し長くなりますが、全般の説明をしたいと思います。もしご関心があるようでしたら、先般発表されましたプランをリンクしますのでご参照ください。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/nousui/pdf/plan-honbun.pdf

1.現状認識

敢えて言うまでもなく、例えば20年前という私が社会人になった時代に比べると、農産品生産額は3/4に、就農者は1/2に、そして就農平均年齢は10歳上がって66歳になりました。改革まったなしです。

ただ悪い点ばかりではなく、世界需要でみれば、人口が例えば2050年までには今の1.3倍に、そして当然食料需要も増えるわけで、例えば過去の10年で中国の大豆輸入量は4.5倍に上がってきたそうです。

2.産業政策と地域政策

農政の視点として改めてこの二つの切り口が柱になりました。別の観点から言えば、この政策に直接かかわりがなければ止めていくということです。

例えば減反政策。地域政策と言えなくもないけど、生産調整、つまり供給量の調整による価格の調整は直接的に地域政策にはならない。ですから今後5年かけて廃止の大方針が打ち出されました。

個別所得補償も来年度から半額の7500円にし、5年後には廃止。これは、細かいことを言わなければ、頑張ろうが頑張るまいが、面積あたりに支給する方針なので社会保障のような政策になってしまう。農地を守る地域政策でもなければ産業政策にもならないのでこういう方針だと理解しています。

2ー1.産業政策

地域の潜在力に加え、先ほどの現状認識で触れたような世界重要の増加や、多様な主体の参加と、大きなトレンドである食料品価格の上昇をしっかりと睨んで、稼げる農業、強い農業の構築をする必要があります。必然的に、今までの供給サイドだけではなく、需要サイドの農政、そしてその需要と供給をつなぐバリューチェンの強化です。

1つめの供給サイドの構造改革としては、担い手への農地利用の集積のための農地中間管理機構(農地バンク:すでに立法化済)の立ち上げが決定されています。そして就農促進のための種々の政策を強化することになっています(青年就農給付制度など)。

2つめの需要サイドは世界市場を睨み輸出の倍増(1兆円)を目標とします。私の夢は地域の農協や組合が直接貿易実務とマネージメントを担える人材を雇い、それが直接アジア圏に出張に行って商談をまとめ、例えば組合員を集めて「来年の商談をまとめてきたから来年農家の皆さんがんばってね」と言える地域の制度を創設することですが、いずれにせよ輸出政策。直接輸出補助を行うとWTOなどに引っかかってくるのでできないとしても、ターゲットとなる国に合わせた何かの設備が必要なのであればそうした補助を創設することは考えなければなりません。

そもそも和食がUNESCOの無形文化遺産になったわけですし、和食は世界的にブームになりつつあるので、必ずしも価格競争力がないとあきらめることは慎むべきであると考えています。

3つめのバリューチェーンは主に6次産業化です。農政ファンドの創設や再生可能エネルギーなどの導入促進、生産流通の高度化や地域のブランド力強化などが盛り込まれています。私自身は、既存の農家に突然そういうことを担ってほしいと言っても無理だと思うので、まずはそうした人材を紹介したり育成したり、またそうした人材の雇用に助成制度を導入する必要があると思っています。

もちろん医療や福祉や学校などとの連携によって新たなニーズを開拓し、または対応していくことも絶対的に必要だと思っています。

2-2.地域政策

稼げる農政ばかりでは農業は継続できません。供給源をしっかりと守ることも絶対に必要です。農家という人間ではなく、農地やその地域をしっかり守るために必要な施策は継続・強化もしくは新設すべきは当然です。

まずやらなければならないのは、こうした根本的な問題について、国民の理解を得ること。安心安全な食料の供給源確保は社会コストであるということについて消費者理解を浸透させることが必要です。

その上で新設された制度としては多面的機能支払制度です。日本型直接支払制度ですが、これは従来からあった水路や農道整備などの資源向上のための支払制度の拡充に加え、法面整備などの農地維持についても支払制度を拡充したものです。

2-3.その他

産業政策と地域政策の柱にしたがって組み替えたわけですが、かといって大手を振って完璧な制度になっているかといえば、私はそうは思っていません。それは例えば飼料米対策のための補助制度の拡充。

これは理想と現実のギャップを埋めた制度であると理解しています。大胆な改革に伴うリスクヘッジの意味合い、食料自給率改善のための方策、飼料需要者負担軽減など、トータルとして考えた現実的オプションであると考えます。具体的に言えば反あたり8万の補助であったものを、反収に応じて増減させる。さらに多収品種への取り組みや藁利用などの取り組みに対しても補助が上乗せされるので実質米とコンパラの所得が得られる制度です。

こうした飼料米政策以外にも、割り切れない政策はありますが、十分に社会の中で十分に理解の得られる制度であると理解しています。

3.農政のこれから

まずは2-3で申し上げた政策の出口戦略を早急に検討すべきであると考えています。あと20年たったときに私は60才代。そのときに、安定した農業が産業としても地域の風景としても維持されるような制度を今築いておかないと手遅れになると感じています。

少し書きなぐった感じの雑駁な乱暴な議論をしましたが、以上が現時点での農政の方向と私が考えている視点です。

ForumK in 香川-新年会を兼ねて

先般は東京で忘年会を兼ねたForumKを開催いたしましたが、このたび新年会をかねてのForumKを香川で開催する運びとなりました。皆様奮ってご参加賜りますようお願い申し上げます。

ForumK-大野敬太郎君を励ます会-

日時:2014年1月26日(日) 午後6時より

場所:オークラホテル丸亀2階 鳳凰の間

会費:20,000円

詳しくは事務所まで気軽にお問い合わせください。

 

フォーラムK懇親会を開催いたしました

東京にてフォーラムK(大野敬太郎を囲む会)のささやかな懇親会を開催しました。年末のお忙しいところ、ご来場賜りました皆様には厚く御礼申し上げます。

改めて我がふるさと我が祖国のために、謙虚に真摯に大胆に、微力ながら誠心誠意、尽くして参りますことをお誓い申し上げます。

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高市政調会長には過分なるお言葉を賜りました。

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新人同期当選の仲間たちと先輩議員の先生方に恐縮ながらお励まし頂きました。

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石破幹事長にはご多忙の折、身に余るお励ましをいただきました。

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気心知れた同僚の愉快な仲間たち。

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いつも気にかけていただいている衛藤征士郎先生にも過分なるお言葉を賜りました。

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古川財務副大臣。初当選以来、何かとお心遣い賜っています。

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外務部会長。最近富にお世話になっています。

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香川県を代表して県連会長、平井卓也先生にご挨拶賜りました。

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司会をしていただいた同僚福田達夫さんと打ち合わせ中。話していると首が痛くなるのが難点。行き当たりばったりの現場対応臨機応変の司会をありがとう!

 

 

【善然庵閑話】マキャベリとアンチ・マキャベリ

議会で議員の議論を聞いていると、与野党を問わず面白いことを発見することがあります。さすがそれぞれいろんな苦労をされ、いろんな人生訓があったり、いろんな勉強されているんだなと思わされます。

先般も中山泰秀先生の国会論議を拝聴していたところ、「軍事なき外交は楽器なき音楽だと言われる」と仰った。委員会が終わり誰の言葉か伺ったところ、プロイセンのフリードリッヒ大王だとのこと。

フリードリッヒ大王と言えば、昔ハプスブルク家に凝っていたときに出てきた人だなぁと思いながらいろいろ調べてみると、更に面白い発見をたくさんすることになった。フリードリッヒ大王はハプスブルク家のマリア・テレジアの宿敵だった人なのですが、あるべき君主像が意外と面白い。

フリードリッヒ大王の時代にさかのぼること2世紀、メディチ家の時代に活躍したマキャベリという政治思想家がいましたが、現代でもマキャベリが語り継がれるのは、その著書「君主論」があるためです。いわゆるマキャベリズムで、それは何の事かと言えば、リアリズムを追求せよということ。むしろプラグマティズムと言ったほうが良いかもしれませんが、とにかく目的は手段を正当化する、という考え方。塩野七生さんもよく引用されています。

そしてフリードリッヒ大王は、そのマキャベリズムを真っ向から否定するアンチ・マキャベリズムの本を出版しています。何を書いているかといえば、マキャベリは政治を堕落させ、健全な道徳を破壊しようとしたと批判。策に対しては徳、情念に対しては理性の優越とし、正義こそ君主の主たる目標であり、人民の福祉こそ他のすべての利害に優先されるべきで、君主とは人民の主人であるどころか、逆にその第一の従僕に過ぎない、という主張です(Wikipedia)。

なぜそういう美徳の精神をもった君主がプロイセンに現れたのかと思っていたところ、私は母親にルーツがあるのではないかと思っています。母親は芸術の愛好家で、フリードリッヒ大王もその影響を受け、自らフルートを上手に奏でる腕をもっていたそうな。

政治に浸ると、時には心が乾き、無性に文化的な匂いに哀愁の想いを抱くことがあります。そんなときに、心を打つ音楽に出くわすと、水を求めるスポンジの如く、心が満たされる想いがしたりします。

藤原雅彦先生は、情緒が大切だと説き一時は一世を風靡しましたが、私も情緒というものが人間にとってきわめて重要な要素であると思っています。だから音楽を解する政治の方が解さない政治よりも勝る、とまでは言いませんが、望ましいのではないかと思っています。

実はフリードリッヒ大王も、こうした芸術を解することが幸いし、命拾いすることになります。ここで詳しくは述べませんが、ざっくり言えば、7年戦争で窮地に陥っていた際に、敵国の同盟であったロシアの女帝が急死し、その後継者であるピョートル3世がフリードリッヒ大王のこうした人格の崇拝者であったために、奇跡的にロシアと講和が結ばれ、和議が結ばれたというもの。

音楽が国家を救ったとも言えます。まぁ、あくまで善然庵閑話ですが・・・。

ちなみに善然庵閑話(ぜんぜんあかんわ)というのは、どうでもよいことを書き綴っておこうと思い立ったときにつけているタイトルで、もともとは遠藤周作の狐狸庵閑話(こりゃあかんわ)をもじったものです。

ネルソン・マンデラ

南アフリカ共和国の元大統領、ネルソン・マンデラ氏のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。

インビクタス負けざる者たちという映画をご覧になった方も多いと思います。映画ですからどれだけ真実なのか知る由もありませんが、マンデラの強靭な精神力には言葉では言い表せない思いが残ります。

マンデラは若い時から反アパルトヘイト活動家として頭角をあらわしますが、1964年に国家反逆罪で投獄され、1990年までの27年間、牢獄で過ごすことになる。しかし、この間、人種差別撤廃への強い意志は変わらなかった。その強靭頑健な意志を支えたのが、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩。

I am the captain of my soul. I am the master of my fate.
(我こそは、わが魂の指揮官なり、わが運命の支配者なり。)

この詩は永遠に忘れられないものです。私の心の座右の銘です(心のとしたのは、「貴方の座右の銘は何ですか」と聞かれてこれを答えるとキザッぽいので)。

改めて心よりお悔やみ申し上げます。

社会保障と生活保護と生活困窮者と

昨日、我が地元紙に、昨年の香川県の生活保護不正が過去最悪の289件、1億5000万であったことが報じられていました。景気の悪化と雇用情勢の変化で生活保護需給世帯自体が大きく増加してきたので、当然不正も増えてきたものと考えますが、私はこうした行為は絶対に許せない。不正に受給する人がいればいるほど、正規の受給者の受給額が減るのをこの人たちはどう考えているのでしょうか。と憤る前に、不正を排除し適正に運用できる制度にしていかなければなりません。今般、生活保護扶助制度が変わりましたので、この機会に触れておきたいと思います。

まず社会保障全般を概観したいと想います。現在日本は、110兆円の社会保障給付を行っています。内、年金54兆円、医療36兆円、介護9兆円、子育て5兆円、生活保護4兆円、その他です。そして毎年1兆円づつ増えている。一方、国が国民から徴収しているのは、保険料として62兆円(個人と事業者でほぼ折半)、社会保障税として41兆円(内国が30兆、地方が11兆)です。収支ギャップは積立金の運用収入で賄っている構造です。

今、4人に1人が65歳以上ですが、オリンピックムードが落ち着くであろう202 5年には、既に3人に1人が高齢者になります。さらに言えば、労働人口何人で高齢者を支えるかというと、現在は2.5人に1人、2025年には1.8人に1人、実は私が大学のときは5人に1人。超ハイペースで社会構造が変革しています。

ここから多くの課題が想起できます。

1つは人口構成の問題。少子化対策をこれまで以上に推進することです。私はまず、担当大臣が2人以上生もうとアナウンスすることが意外と大切だと思っていますが、それ以外にも、N分N乗の税制(世帯同居人数を増やすような政策誘導)の導入も強く訴えていかなければなりません。そしてそもそも子育て系の支出。社会保障給付全体に比べれば現在は10分の1。これはOECD諸国の中でももっとも低い部類で、先進諸外国は10に対して3〜4。つまり先行投資をしていると言えます。こどもを生み育てるのにやさしい国づくりをしなければ少子化は改善されません。

2つめは雇用問題。高齢者・女性労働力や就労支援やマッチングの問題、テレワークなどの雇用問題に今まで以上に真剣に取り組まなければならないと考えています。なので、当選以来ずっと雇用問題調査会という党内の会議に参加してきました。外国人の労働力も考えるときが来たと思っています。実は計算方法にもよりますが、女性や高齢者や若年者の労働力をフルに活用しても、現在の計算上の経済成長を2020年以降も維持できるかというと微妙な問題があるのです。現在は外国人の単純労働者の受け入れには政府も党内も否定的な意見が多いのですが、ここは理性をもってちゃんと考えておかなければなりません。

3つめは、給付の改善。年金・医療・介護などの改善。年金給付額は今後どうなるのかというと、ベビーブーマーや団塊ジュニアなどがいて人口構成が複雑なので単純に増え続けるわけではなく、制度もずいぶんの改善されてきたので、例えば2025年にはそれほど増えず60兆円、しかし医療は54兆円と1.5倍に、そして介護は20兆円と2.5倍になります(数値はちょっと鉛筆舐めてます)。つまり、喫緊の課題は医療と介護ということになる。ここは来年から少しづつ取り組んで行きたい課題です。

さて前置きが長くなりましたが、冒頭、生活保護の話題に触れましたが、その本題に入りたいと思います。生活保護給付は現在正確に言えば3.7兆円程度ですが、それを670億円削減することになりました。例えば都市部在住の40代夫婦に子供2人で28万程度だったのが26万に、都市部在住40代単身で12万が11万に、などです。5〜10%減額世帯が全体の25%、0〜5%減額が70%、0〜2%減額が3%です。大幅な削減ではないですが、それでも670億削減できるのは大きい。単純に給付全体が多いということでもありますが・・・。

そして、それよりも大きな問題は、一度生活保護対象になると、そこからなかなか抜け出せないという問題。なので、就労支援を行い、その状態から脱却するための給付金を創設することになりました。そして、不正不適切受給対策として、福祉事務所の権限を拡大してより詳細な調査を可能としたり、現場にあまりにも過大な負担をかけていた指定や取り消しに係る条件をより明確化するようになります。

さらに、生活保護にいたる前の段階で食い止めるための制度、生活困窮者支援プログラムが創設されます。

つまり、普通の人が解雇などにより生活が困窮した場合、まずは通常の既存の求職者支援制度を使ってもらいますが、その時点で生活保護者になりそうな場合の手当てです。まず、各自治体に自立相談支援窓口をつくってもらい、ワンストップサービスの提供が行えるようにする。で、一般就労が困難な場合には、就労準備支援を行う。これは半年から1年程度の支援になります。それでも困難な場合は、就労訓練事業を使ってもらう。これはまさに手取り足取りですが、例えばNPOやら社会福祉法人が主体となって、軽易な作業をやってもらうなどです。

とにかく一度生活保護に入るとなかなか抜け出せないという状態を作らないようにするのが趣旨ですが、思想的に言えば、塩野七生さんがおっしゃっていたように、給付には自尊心が大切だ、ということに尽きると思います。

雇用問題の今

失われた20年の間、特に小泉内閣以降の格差が声高に叫ばれた時代(私は決して小泉改革で格差が生まれたと必ずしも思っていませんが)、正規雇用とか非正規雇用とかが大きく取りざたされてきました。

少子化が進み、労働力がシュリンクし、今後やるべきはご年配の労働力、戦後、血のにじむような努力をされて今の日本を築いてくれたご高齢の皆様の、その知恵と経験を日本の再出発に生かすべく、シルバーパワーが一番大切だと、現時点で思っています。そしてそれ以上に大切なのが女性のパワー。先般、総理がこれまで初めての女性首相秘書官を登用しました。秘書官は結構体力のいる仕事ですが、それでも女性パワーの大切さのメッセージとしては最高のものであったと思いますし、大変だと分かっても総理の想いを請けて立ち上がろうとしている新秘書官には、ただただ脱帽するばかりです。

そしてさらに大切だと思っているのは、現在労働力不足が叫ばれている中で、今後日本がとるべきは、少子化対策。労働力の確保です。少子化担当大臣がこれまで一度も発したことのないメッセージ。それは、「子供を少なくとも2人生もう」というメッセージです。是非このメッセージを熱く語って欲しいと想います。

しかし、さらに大切だと思うのは、今後、どう考えたって10年後には労働力が不足します。今から少子化反転攻勢をかけても10年後には間に合わないのです。

であれば、10年後を見据えて、近隣アジア圏の迸るほどのエネルギーを日本でも活用させていただけないかということです。

現在、外国の単純労働者は、政府方針としては受け入れていません。海外の国際貢献の一環として、日本で学んでもらって自国に帰って日本の技術を生かしてほしいという、ソフトパワー路線の、外国人研修制度というのはあります。しかしこのまま、表向きの看板と実態が乖離していていいのだろうかと思っています。

地元で、農業でがんばっていらっしゃる方がいます。おっしゃるには、今このまま農業に全神経と全体力を注いでも、後継者が育ってくれない。どんなに国が後継者育成事業をやろうとも決定的な問題がある。それは、今の農業収入では若者は見向きもしないということなのです。

しかし、もし近隣アジアのエネルギーを日本で活用させていただけるのなら、農業のスタートアップはできます。ある程度、農業事業が成功したら、農家の息子さんや後継者は育ってくると確信しています。

あるいは、今、これも地元ネタですが、建設関係従事者のマンパワーが決定的に不足しているということです。今、建設関係者は、長引いた不況で技能者を切ってきました。そして、景気は現在少しは上向きになってきましたが、この状況がいつまで続くのが最大の関心ごとになっています。長く続かないのなら、技能者を育てる人的先行投資の計画はできない。つまり躊躇しているのが現状です。

では、誰が担ってくれるのか。東京オリンピックに近くなると決定的にマンパワーが足りない。だからこそ、時間軸をしっかり捕らえて戦略的に考え、今の政府方針を若干修正し、外国人のマンパワーを年配と女性と若者を登用した後の戦略として掲げるべきだと考えます。

決して海外のマンパワーをこき使おうなんてことではありません。日本人と同等の条件を提示すべきです。問題は、今の日本人でそういう大変な仕事を担おうとする若者が少ないということなのです。スタートアップの時だけ、そうしたアジアンエネルギーを拝借して、日本を立て直すべきだと考えています。

そのためには労働政策を真剣に考えていかなければなりません。党の雇用問題調査会の幹事として、そしてテレワーク推進特別委員会のメンバーとして、真剣に雇用問題を考えて生きたいと思っています。決して、正規・非正規という枠組みにとらわれずに。

行政改革と独立行政法人と研究開発法人と

研究開発法人(通称、研発法人:国の研究機関)は、現在独立行政法人(独法制度)という枠組みの中にいます。橋本行革の際に移管されましたが、それは研発法人でも効率と効果で管理するべきだという理念に基づいています。しかし、爾来、あまり成果はでていません。

そして現在、研発法人の中で最先端の研究開発を行っている理化学研究所などを対象に、独法制度から切り離し、新しい研発制度を発足させようという動きがあります。先日、テレビでも放映されましたが、山本科技担当大臣と下村文科大臣がそれを要求し、稲田行革大臣と麻生財務大臣が反対。安倍総理が引き取り年内に閣僚間で調整して結論をだすように支持したところです。

私は是非別制度をとらないと、日本の科学技術はだめになると思い、1年間がんばってきました。明日の党内会議が山場の一つになります。心のそこから自分のポリシーとして、どこを守るとか守らないとかの話ではなくて、日本を世界一イノベーティブな国、つまり研究開発力が設備投資につながり、アベノミクスの成長戦略に資する、という観点で、一言申し上げたいと思います。もう日本は100から10000を生む大量生産技術だけでは生きていけない。0から1を生むところで勝負していかなければ、他のアジア圏に負けます。

一言で言えば、独法制度下で研発法人を運営せよとは、全部じゃないにせよ、2位じゃだめなんですか、と言っているのと同じことだと思っています。独法制度の元でうまく機能する研究というのは、民間が絶対にやっています。民間はそこまでばかじゃない。そして、民間の研究所のなかで、市場を創造できるようなイノベーティブな会社というのは、社長が無駄かもしれないというリスクをとって、海のもんとも山のもんとも分からないことに、投資してるんです。身包み剥がされる覚悟でやってるんです。でも身包み剥がされてもできない領域がある。それがまさに国が担う領域なんです。今の独法制度下では、日本から絶対にインターネットやGPSやは生まれないんです。

決して研発法人の全部を別法ということを言っているのではありません。しかし、本当に極一部、その一部で、ご承知のとおり、本当に最先端の科学技術を担っているんです。如何にリスクを取れるかが、日本が本当の意味でゼロからイチを埋める国になれるか、イノベーティブな国になれるかの勝負です。

逆に言えば、そういう一部の独法制度からはずれて運営できる組織があるからこそ、独法制度下の既存の一般の研発法人が生きる。全部独法制度下の研発法人であれば、さきほど申し上げた民間でできることに毛が生えた程度のことしかできないので、それこそ全部無駄。売ってしまえばいい。

だから、先端の研究者もこの結果をものすごく注目してます。実際に、自分の研究領域とは関係ない研究者、自分のところにおカネが回ってこないと分かっている研究者も、国の本気度を測るという意味で、今回の件は注目してるんです。ああ〜やっぱりな、ということになれば、日本の研究者は、どんどんアメリカに行ってしまいますよ。なぜならば、リスクをとってくれる上がアメリカにはいるからです。

もちろんそこも当然、無駄というものを徹底的に排除しなければなりません。当たり前です。事務処理やらルーチンワークに無駄があってはいけないのですが、しかし、どんな研究分野をどれだけやっていくか、という問題について、無駄か無駄じゃないか、効率性だけでは絶対に図れません。

野放図な経営になるではないかという指摘があります。考えてれば分かります。先ほど申し上げた、身包み剥がされる覚悟で運営しているイノベーティブな会社の社長が、一般事務の効率化を追求しないわけがありません。成果がでるか分からないからこそ、成果を生まなければいけないリスクを抱えれば、他を最大限削ろうというインセンティブが働く。それをチェックする機関を作ればいいのです。行革の理念とはまったく逆行しません。全てはトップのリスクテイクです。

DARPAという組織がアメリカにありますが、何年かでまったく成果がでなければトップはすぐに首になる。しかし自由度の高い予算運用ができる。だからそういうDARPAからインターネットやGPSが生まれる。もし、DARPAが独法制度下にあったら、今、スマホなんてありません。

独法制度でも効果的というのが目的だから独法制度でも効果的な研究が行える、という話もありますが、では効果的にとはどうやるんですか。効果があると分かっている研究は、そもそも民間がやってるんです。やってみないと分からないから、すごい成果がでたりだめだったりするわけです。

情報の収集

初当選後に予算委員会の分科会で外務省所管の予算について岸田外務大臣に質疑をさせていただく機会をいただいたことは既にご報告申し上げました。そこでは、EEZの国際ルールの話をメインにお訴えさせていただきましたが、最後に情報について質疑させていただきました。

情報の発信、情報の保護、そして情報の収集の3つが必要だということです。当時は特定秘密保護法案なるものが審議されようとは思っても見なかったので先般の法案通過は感慨深いものがありました。そこでついでながら情報について書いてみたいと思います。最近この手の記事ばかりで恐縮ですがお付き合いいただければと思います。

特定秘密の保護はアメリカとの協調に必要だというのを法案の必要性の理由として挙げる場合があります。もちろんそういう側面もあるのですが、実は本質はそうではなく日本を守るためにある。日本が日本として機能するために作るという側面が本質です。

例えばアメリカから特定秘密として指定した情報をいただいたとします。特定秘密ですからそれを日本独自に料理しなければなりません。しかし秘密ですからどこにも出せない。だからなかなか誰とも相談できない。そうなるとその情報に盲目的に従属しなければならない状況が生まれる。

私が兼ねてから情報の収集の必要性を3点セットでお訴えしてきたのは、情報保護だけでは日本が独自に判断できないことになってしまうからであって、ここは情報収集機能を強化しなければならない。

現在情報収集はやっています。あたりまえですが。外務省・防衛省はじめ、関連諸省庁です。もちろん収集には必ず分析が含まれますがここは先に衆議院を通過した国家安全保障局が中長期的戦略立案の部署として創設されますので、ここで分析が期待されます。

であるから残るは情報収集の強化です。ここは困難な課題ですが国民国家に必要なものとしてがんばっていきたいと思っています。