防空識別圏

中国による一方的な防空識別圏(ADIZ:Air Defense Identification Zone)の設定と発表について、国際社会が懸念を表明しています。日本にとっても、あるいは北東アジアの安全保障上も、認めがたい行為であると認識しています。

第一は、近隣諸国に対して何ら事前の交渉もないこと、第二にそもそも武力の行使をADIZの設定に際して明示すること自体、もちろん明確なADIZの定義こそないものの、このADIZは通常の慣習上のADIZの設定とは言えず、この意味不明な線を何と呼んだらいいのか分かりませんが、国際社会に対する挑戦とも受け止められる内容であると理解しています。国際ルールを大幅に逸脱した行為だからこそ、アメリカはB52を事前通告なく飛行させています。

また、中国はADIZ設定に際し飛行予定のある航空機に対して事前の飛行計画の提出を義務付けていることに関し、日本の民間航空会社が事前に飛行計画を自らの判断で中国に提出していたことを受けて、それは中国の思う壺だ、という批判があります。

私は、まずすべきは国家として民間航空を守れることを確認した上で、民間航空会社に対して事前に飛行計画を出さないよう要請することが必要だと思いますし、事実、官房長官からその旨発表されました。それができないのであれば、飛行計画を出さないよう要請するのは、逆に思う壺だと思っていました。なぜならば、乗客の安全が確保できない飛行区域に民間航空が進入できるはずもなく、結果的に中国の既成事実化が進むからです。

いずれにせよ、考えなければならないのは、挑発に容易に乗らず、かつ毅然とした態度をとることです。そして、こちらからの挑発であると決して思われるような行動は慎むことです。

特定秘密保護法案が衆議院を通過しました

特定秘密保護法案が昨日、衆議院を通過しました。予算税制など他の重要審議もある中でかなりの時間を審議に費やしたため、これから他の部分に全力を注ごうと思っています。

さて、世論調査ですが、数日前の調査結果は、FNNが6割は法整備が必要、今国会の成立にこだわらずに慎重に審議が必要だという意見が8割。日本経済新聞とテレビ東京の共同調査が、反対が50%、賛成が26%。共同通信が支持が46%、反対が41%とのこと。そもそもこれだけ社によってばらつくのは、理系の私としては統計のとり方(質問のしかた)に問題があるのではないかと思います。

さて、質問に立たせていただいて第一にお訴えしたのは、この法案の最大のポイントは、現実に直視する必要性を訴えている法案だ、ということです。この部分は塩野七生さんの「密約に想う」を是非お読みいただければと想います。日本人は、政府のとある秘密が外部に流出したら1000人死にました、という事態が発生する可能性を肌感覚でなかなか理解できません。ではそれはどんな秘密ですかと言われたら秘密だから言えないでしょうとなる。で、反対者はだからだめだとなる。

イラク人道復興支援活動の際、日本の自衛隊は一切司令部に出入りさせてもらえなかった。当たり前であって、もし司令部に入って情報がリークされ、他国部隊の若者が1人でも死んだら、いったいどう日本は責任がとれるのか。逆に、だからそんな海外派遣はだめだと言うなら、日本が実際に侵攻された場合、どこの海外の若者が日本のために血を流して戦ってくれるのか。そういう肌感覚がまったくない。

あるいは、2005年中国潜水艦の情報を漏洩した事件、初めての防衛秘密の漏洩と言われました。政府は何が秘密なのかを公表していませんが、勝手に想像するに、なぜ火災と分かったのかがポイントではないかと思っています。火災かどうかなど分かるはずがない。それは通信傍受か人的収集か。その手段が中国側に分かってしまったとしたら、中国側はどのような対処をするでしょうか。これは、想像力の勝負なのです。だから秘密は必要なのです。

反対派と呼ばれる人の問題意識は共有しています。第一に、もっとも多いのが、特定秘密の範囲があいまいだ、という問題。これは、国会審議の中でも、死ぬほど繰り返された質問で、私もやりましたが、理屈の上では、現在国家公務員法で縛られている秘密の範囲の方が遥かに広大なのであって、特定秘密はその範囲を超えないのです。今だって隠そうと思えば隠せる。その現在でも秘密の一部を限定して特に秘密にしようというものなのです。今回特定秘密にしようとしているのは、国家公務員法ですでに秘密なのです。だから本法案に反対なら、国家公務員法の秘密にも反対してほしいと思うのです。もしそれを反対するなら情報公開法も自動的に崩壊してしまいます。

第二に、国民の知る権利です。当たり前です。以前にも書きましたが、情報公開が原則で、その権限が強ければ強いほど、秘密も強くなれる。秘密の指定とチェックは5年毎。原則大臣がやる。大臣は政治家です。そして永遠同じ人が大臣でありえない。30年経てば閣議でチェック。その間も国会の秘密会などでチェックできる仕組みになっています。この部分に対する批判で、指定もチェックも政治じゃないかというものがありますが、高度に政治的なものを第三者に判断できるのか私には疑問です。国際社会の現状を正確に認識し、日本のとりえる可能性を正確に把握した上で、苦渋の判断をする必要があるから政治があるのであって、その付託を受けているのが政治ではないかと思うのです。だから有権者は横暴があれば選挙で審判できるという強い強い権限が与えられているという仕組みになっているのだと思っています。ここは、政治というものが何であるのかが理解できるかどうかの境目だと思っていますが、総理は第三者チェック機関を設置するほうが望ましいとおっしゃっているので、今後設置を前提に議論していきたいと思っています。いずれにせよ、この部分も塩野七生さんの「密約に想う」を是非お読みいただければと想います。

第三に、政府が不正な情報や都合の悪い情報を隠蔽してしまうのではないかというものですが、これは第一の指摘で述べましたし、私も質問させていただきましたが、不法不正な情報は対象範囲にならない。しかし、それでも秘密だからでてこないじゃないかという批判があります。不法不正な情報は内部告発できますし、現行法で告発者を保護する法律が既にあります。

いずれにせよ、委員会での法案審議では、他党からなるほどと思う指摘もあり、何度も先輩議員が丁寧に話を聞き、修正に応じることを繰り返しています。質問も、最終段階では同じような質問ばかりになっていました。現場にいるから分かります。長い審議時間だったので、私のような新人にもお鉢が回ってきたものだと思っています。

国家安全保障に関する特別委員会

国家安全保障に関する特別委員会にて質問に立たせていただき、特定秘密保護法案についての議論を森担当大臣とさせていただきました。政府に対する質問は、1)本法案の意義について、2)特定秘密の範囲について、3)秘密の範囲と違法性のある事柄、の3点について質問させていただきました。また、詳細は後日述べたいと思います。

第11回国際政治・外交論文募集

先般国際局次長を拝命いたしましたが、自民党では第11回国際政治・外交論文コンテストを行っています。総裁賞は賞状と賞金10万円です。原稿用紙10枚。東京オリンピック・パラリンピックに向けて7年後の日本のあるべき姿というテーマでの募集です。われこそと思う方は是非応募ください。締め切りは平成25年11月29日です。詳細はこちら。

http://www.jimin.jp/involved/campaign/113868.html

空き家対策について

何度かこの場で触れさせていただきました空き家対策について、法律案が明らかになりましたので簡単にご報告したいと思います。

念のためですが、この法律の目的は、適切に管理されていない空き家が防災や衛生といった観点で近隣住民の生活に深刻な影響を及ぼしていることに鑑みて、その住民の生命・身体・財産などを守り、さらに空き家の活用を促進することです。

施策の概要は以下のとおりです。まだまだ審議中ですががんばって行きたいと思います。

1.国が基本指針を策定
2.市町村は、国の基本指針に即した空き家等対策計画を策定し協議会を設置。
3.都道府県は、市町村に対して技術的な助言、市町村相互間の連絡調整等必要な援助を行うことになります。
4.市町村は、法律で規定する限度において空き家等への立ち入り調査が可能になります。
5.市町村は、空き家の所有者等を把握するために固定資産税情報の内部利用が可能になります。
6.市町村は、空き家に関するデータベースをできるだけ整備し、空き家や跡地の情報提供やこれらの活用に関する対策を行います。
7.特に管理不十分で倒壊の危険性があるような「特定空家」については、除却・修繕・立木竹伐採などの措置の指導・助言・勧告・命令が可能になり、さらに要件の緩和された行政代執行の方法で強制執行が可能になります。

ご関心の向きは事務所までご連絡ください。

国家安全保障会議について

国家安全保障会議(通称NSC)の設置について、今国会で審議入りし、私も国家安全保障特別委員会のメンバーとして議論に参加しています。日本という国家にとっては実に重要な法律です。今国会の成立を目指していきたいと思います。

平たく言えば、外交安保の司令塔機能を作ろうという話です。日本は外交戦略がないと言われ続けましたが、この法律によって中長期の外交安全保障戦略の立案機関として機能することが期待できます。もちろん、政策立案機能だけではなく、危機対応、厳密に言えば、重大な事件が起きた際に、初動時の迅速な政治決定も期待できます。もうひとつの機能は、シビリアンコントロールを強化することにあります。さらには、外交と安全保障政策の統一的意思決定機関としても機能することが期待されます。

ただ、設置したからといってそれでいいわけではありません。少しマニアックな議論になりますが、たとえば設置が予定されている補佐官と局長の役割と任務に関してです。NSCには総理の国家安全保障担当総理大臣補佐官の設置が予定されていますが、総理への助言やNSCへの出席と発言という役割にとどまっており、実質のスタッフは予定されていません。一方で、約60名程度とされる国家安全保障局というスタッフ陣の設置が予定されておりますが、そこの長は国家安全保障局長です。

国家安全保障局長は大臣会議での発言権はありません。一方で米国や英国などのNSCでは大統領補佐官や首相補佐官がスタッフを束ねるのみならず、最高意思決定機関での発言権も許されています。たとえば米国の大統領補佐官のカウンターパートは安全保障局長という説明がありましたが、最高意思決定機関での発言権の有無に差があるのは解決していかなければならない課題だと思います。

また、司令塔機能というのは、第一義的には省庁縦割りの打破に主目的があるわけですが、国家安全保障局のスタッフは各省庁からの出向者であるという説明も課題です。出だしはこれでしかできないのはわかりますが、中長期的には、アメリカのように、NSCの予算で多少はスタッフを雇っていかなければノウハウが蓄積できません。

そのほかいくつか思うところもありますが、いずれにせよ運用当初はおそらく属人的な運用になるのはさけられないと思います。なるべくその可能性が排除できるような、いい制度になるようがんばっていきたいと思います。

NSC特別委員会と日本戦略本部について

本日の本会議にて今国会で審議される日本の国家安全保障に関する重要法案を審議する国家安全保障に関する特別委員会(通称NSC特委)の設置が可決され、後にその委員となりましたのでお知らせします。また、自民党本部の日本戦略本部の主査も務めることになりましたので合わせてご案内申し上げます。

臨時国会が始まりました

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臨時国会が始まりました。成長戦略実行国会です。

自民党はかつて今日の天気のように厳しい雨に立たされているような時代もありました。自民党は時代遅れだと言われた時代もありました。何がいけなかったのか。それは謙虚さを忘れたからに他なりません。謙虚さを忘れた政治は窒息するのみであるという言葉を胸に刻んでがんばっていかなければなりません。

もちろん謙虚だけではダメです。今国会では、議論や作文に終わらせず、大胆にやるべきことはやる。とにかく前に進める。過去の国会と明らかに違うところは、実行することだ、という総理の言葉を現実のものにしていかなければなりません。

会期は短いですが、重要法案が山積みです。謙虚に大胆にがんばっていきたいと思います。

なお、今日夕刻に、有楽町にて、松本洋平青年局長、三原じゅんこ女性局長、中山泰秀遊説局長、小渕優子「日本を元気にする国民運動本部」本部長の街頭遊説活動に司会として同行させていただきました。大雨の中でお立ち寄りいただいた皆様には大変感謝申し上げたいと思います。これから日本のため、しっかりと頑張って行きたいと思います。