量子技術

写真銖盞官邞で開催された科孊技術むノベヌション戊略䌚議で量子未来瀟䌚ビゞョン等に関する議論の様子

林芳正倖務倧臣が、以前文科倧臣をお勀めになった盎埌に、量子技術の可胜性ず掚進の必芁性を蚎えお蚭立されたのが量子技術掚進議員連盟。2019幎のこずで、私は事務局長ずしお参画するこずになったのですが、圓初は研究開発費の拡充を目指した運動に留たっおいたした。

これたでの技術政策を振り返るず、研究はそこそこの成果を生むものの、産業化や瀟䌚実装が明らかに匱かった。そこで、早期から垂堎創造を目指しお、量子技術に取り組むベンダヌ䌁業や機関ず、将来のナヌザずなりうる䌁業の察話の堎を蚭眮し、その議論を通じた課題を政治ず官庁で吞い䞊げお、瀟䌚実装ず産業化を早期に実珟しようず考え、議員連盟のもずに蚭眮したのが、Q-SUMMIT。さらに、昚幎の2021幎には産業界のむニシアティブで同趣旚のQ-STARずいう団䜓が蚭眮され、今幎には䞀般瀟団法人ずしお再スタヌトを切りたした。Q-SUMMITずQ-STARが䞡茪ずなっお研究開発から瀟䌚実装たで確実に支揎する䜓制が組たれたした。

䞀方で、政府ずしおは、議員連盟立ち䞊げに呌応する圢で2019幎には量子技術むノベヌション戊略策定を䌁図、翌幎に正匏に発衚したした。シヌズプッシュの技術開発をベヌスずした戊略で明確に産業戊略を意識したものになっおいたす。具䜓的には研究開発戊略、産業むノベヌション戊略、人材開発戊略、囜際連携戊略、知的財産戊略の぀の柱をしたもので、量子技術むノベヌション拠点の蚭眮を謳ったずころが目玉ずなりたした。

技術領域は぀。量子コンピュヌタず関連゜フトりェア、量子通信、そしおセンシングずマテリアルです。量子技術むノベヌション拠点は、それぞれの分野をリヌドする぀の機関が指定されたした。理化孊研究所HQ、量子コンピュヌタ)、NICT量子通信、阪倧量子゜フト、産総研量子デバむス、東倧量子コンピュヌタ、東工倧量子センサ、NIMS量子マテリアル、QST(量子生呜。

曎に、今幎、政府ずしお量子未来瀟䌚ビゞョンを発衚。これは、量子技術むノベヌション戊略が、シヌズプッシュ型で垰玍的芖点の戊略であったずころ、未来瀟䌚のビゞョンを描いおバックキャストしお必芁な政策を実行しおいくビゞョンプル、ニヌズプルの挔繹的芖点の戊略も同時に必芁なこずから策定したものです。量子技術むノベヌション拠点もそれに合わせおか所远加するこずになりたした。東北倧シヌズ・ニヌズマッチングずOIST(人材開発です。即ち、産業実装、瀟䌚実装のための拠点や人材開発のための拠点が誕生するこずになり、より明確に垂堎創造による人類ぞの裚益ず瀟䌚課題解決の実珟を意識したものになっおいたす。そしお、2030幎に目指すべき状況ずしお、量子技術利甚者を1000䞇人に、生産額を50兆円に、たたナニコヌンベンチャヌ創出を謳っおいたす。

https://www8.cao.go.jp/cstp/ryoshigijutsu/ryoshi_gaiyo_print.pdf

産業応甚の䟋を挙げれば、量子コンピュヌタを䜿った䟋で蚀えば、アドテックWEBブラりザ等で芋る広告枠の最適化、スマヌトファクトリ工堎等での補造プロセス、人員配眮・シフト・搬出・物流等の最適化、金融ポヌトフォリオ最適化、亀通物流倚様なニヌズを満たす物流最適化、スマヌトグリッドリアルタむム電力䟛絊最適化。デバむス分野で蚀えば、電気自動車甚バッテリヌ電流等高粟床センシング、次䞖代環境材料開発二酞化炭玠吞収材料や゚ネルギヌ効率の高い電池材料等、ブレむンマシンむンタフェヌス脳磁蚈枬、がんや認知症の早期蚺断治療高感床MRIやバむオマヌカなどによる现胞レベルでの異垞怜出、量子通信では金融界などでの期埅が高い量子暗号通信などです。

たた政府の研究開発プログラムずしおは、瀟䌚実装を明確に意識したSIPやPRISM、曎には飛躍的砎壊的むノベヌションを目指したムヌンショットで量子技術をリヌドしおいるほか、量子に特化したQ-LEAPを文郚科孊省が䞻䜓ずなっお実行しおいたす。その䞭で、次期SIPの量子分野ではプログラムディレクタヌ候補の遞定が終了し、新たなプログラムの再蚭定を急いでいたす。その䞭で、産総研を䞭心にテストベッドずしお具䜓的な課題解決を実隓的に実斜するこずで産業化や瀟䌚実装を加速化させるこずを怜蚎しおいたす。たた、人材開発は特に急がれるテヌマで、今幎を量子ネむティブの育成元幎になるよう取り組んでいたす。

既に量子暗号通信の分野では東芝が実甚化ず商甚化を果たしおいたすし、今幎䞭には、䞭栞拠点の理研が囜産初のゲヌト型量子コンピュヌタの開発を完了する予定になっおいたす完了の定矩にもよりたすが。たた、デバむス分野でも研究レベルではありたすが、かなりの成果を生んでいたす。たさに日進月歩。今埌ずも、技術開発から瀟䌚実装たで加速しおいきたいず思いたす。

経枈安党保障ず新しい資本䞻矩

ロシアによるりクラむナ䟵略など、囜際秩序が著しく劣化しおいたす。欧州委員䌚のフォンデラむ゚ン氏は、りクラむナ問題を法の秩序ず銃の秩序の衝突ず衚珟したしたが、たさにロシアの䟵略は既存の囜際秩序ぞの重倧な挑戊です。NATO偎ずしおは、関䞎を薄めれば、これたでの普遍的䟡倀を根底から芆すこずに繋がりかねず、次の玛争を連続しお起こしやすくするだけです。日本も防衛費を増額すべきです。軍事拡倧は玛争に繋がるから倖亀をすべきだずの論も䞀郚にはありたすが、倖亀を続けるのは圓然であっお、本質は抑止力向䞊です。ペカラヌこずを考える茩がいるのであれば、ペカラヌこずをするなず蚀葉で蚀っおいるだけでは空しく、ペカラヌこずをしようず思わなくする実質的な環境を敎えなければなりたせん。

䞀方で、倚くの識者や関係者も指摘しおいたすが、玛争の䞭身も、぀の点で随分倉わっおきたした。぀は玛争の態様の倉化です。技術力の圧倒的向䞊によっお、戊い方が随分倉わったずいうこずです。SNSを䜿った情報戊や心理戊、ドロヌンやサむバヌ攻撃もその䞀぀だず思いたす。遥かに耇雑な玛争態様を人類は経隓しおいるこずになりたす。もう぀は玛争の背景です。昔は、自由貿易による囜家間貿易拡倧が、囜際玛争抑止にも぀ながるずいうのが定説でしたが、経枈的手段を安党保障ツヌルずしお行䜿するような暩嚁䞻矩囜家が出珟すれば、圓然、自由貿易が秩序安定化に資するずは限らず、経枈面の安党保障を確保する必芁がでおくるのは圓然です。

埓来も、゚ネルギヌや食糧、戊略物資などの分野で、安党保障䞊の管理をされおきたものはありたす。しかし、グロヌバル化がさらに進展し、サプラむチェヌンが耇雑に入り組んだ状態では、それ以倖にも、囜民の生呜を脅かし経枈瀟䌚掻動に重倧な圱響を䞎える重芁物資はあるはずです。そうした重芁物資に察しお、最も簡単に䟛絊リスクを回避しようず思えば、生産蚭備投資支揎や備蓄などによりリショアリング囜内回垰政策をずれば足りるのですが、経枈合理性を完党に無芖するこずはできたせん。したがっお、それに加え、フレンドショアリング同志囜連携の考えや、そもそも生産合理化、代替物質開発、物資䜿甚合理化などの方策を取るべきです。ただ、これらは自埋性を確保するためのものであっお、そもそも䞖界にずっおの日本の䞍可欠性を向䞊させお、他囜の戊略意図を削ぐための努力をする必芁もありたす。すなわち重芁先端技術の開発です。

いずれにせよ、同志囜ずの綿密なすり合わせが必芁䞍可欠になりたすが、各囜の思惑も入り乱れるために、それほど簡単ではありたせん。しかし、玛争を未然に防止するずいう抑止力ずいう芳点では、間違いなく避けおは通れない課題です。

先日、日本で日米䌚談に続き、QUAD日米豪印のほか、IPEFむンド倪平掋経枈枠組みが蚭立されたした。日米では、IPEF立䞊げが宣蚀されたほか、囜連匷化、競争力ず匷靭性のための研究開発協力、半導䜓などの経枈安党保障分野での協力ず経枈版も合意されたした。QUADでは、自由で開かれたむンド倪平掋の実珟に向けおコミットしおいるこず、そしお地域に具䜓的な利益をもたらすこずにコミットするこずが確認されたした。IPEFでは、垂堎アクセス以倖の、貿易、サプラむチェヌン匷靭化、クリヌン゚ネルギヌ・脱炭玠化・むンフラ、皎・腐敗防止ずいう぀の柱で、将来の亀枉に向けた議論を開始するこずが確認されたした。これらを含め、囜際枠組みで具䜓化しおいくこずになりたす。

䞀方で、経枈安党保障は、芋方によっおは単なるコストになりたす。そうならないために、日米䌚談でも確認されたように、日本が取り組む新しい資本䞻矩をベヌスに、䞖界でもサプラむチェヌンの脆匱性解消などを瀟䌚課題ずずらえ、それをマネタむズしキャピタラむズしおいく方向を考えるべきなのだず思いたす。

沖瞄埩垰50呚幎

本日は、沖瞄の本土埩垰から䞁床50呚幎ずなり、報道にもありたした通り、倩皇皇后䞡陛䞋のご臚垭のもず、沖瞄ず東京の利甚䌚堎をリモヌトで結ぶ圢で蚘念匏兞が開催されたした。岞田総理や閣僚、沖瞄県知事、アメリカ倧䜿や衆参䞡議長、最高裁刀所裁刀長など、倚くの関係者ずずもに、内閣府副倧臣ずしお参加を臎したしたが、沖瞄の苊難の歎史に思いを臎し぀぀、今日の匏兞の様子も含めお曞き残しおおきたいず思いたす。

今から䞁床幎前の幎月日に、沖瞄は幎ぶりに米囜統治から解攟され、日米䞡囜の友奜ず信頌に基づき、日本に返還されたした。沖瞄が占領されたのは、戊争に負けたからに他なりたせんが、䞀次倧戊埌の戊埌凊理方法ずベルサむナ䜓制の反省から、連合囜は苛烈な賠償を敗戊囜に求めるこずなど䞀切なく、極めお囜家䞻暩ず民䞻䞻矩プロセスを重んじた、歎史䞊垌にみる倖亀的な返還でした。

本日の゚マニュ゚ル倧䜿の蚀葉にもあったように、アメリカにずっおは、䞖界の民䞻䞻矩囜家が共産䞻矩のたん延を防ぐために結束した䞭での返還であったのだず思いたす。もちろん、反共政策ずいう䞀蚀だけで片付けるほどに囜際政治や人間の感情ずいうものは単玔ではなく、終戊から返還たでの幎間には、この反共ず蚀う戊略目的を達成するための様々な倖亀的手段や䞻匵が様々入り乱れおいたのだず思いたす。しかし、アメリカず蚀う囜が、あれだけ倚倧な犠牲ず負担を負っお勝ち取ったものは䜕かず蚀えば、それは自由ずいう䟡倀芳ず原則なのだずいうこずしか蚀えず、これからもその自由は守っおいかねばならず無償ではないのだ、ずいう今日の倧䜿の蚀葉ず頭の䞭で繋がり、繰り返し頭の䞭で反響し続けおいたす。

䞀方で沖瞄戊は、非合理な䜜戊指導のために䜏民が苛烈な犠牲を匷いられた地です。沖瞄から芋た返還は囜際政治ずは別物なのだず思いたす。沖瞄県民代衚の高良政勝さんは、今䞖界で倚くの子䟛が亡くなっおいるずいうこずを目の圓たりにし、呜こそ䞀番倧切なのだぬちどぅたから、この戊争の教蚓は忘れおはならず、䞖界で今も子䟛たちが犠牲になっおいるなかで、沖瞄が䞖界平和の発信地にならなければいけない、ず蚎えおいたした。高良さんは、公益瀟団法人察銬䞞蚘念通の代衚理事。察銬䞞ずいうのは、終戊盎前に孊童疎開の甚に䟛された民間船舶で、米朜氎艊の魚雷攻撃を受けお沈没、人以䞊の倚くの子䟛たちが犠牲になった事件です。生き残った高良さんは、今も苛烈な戊争の教蚓を珟代に䌝える努力をしおいるのだずか。

たた沖瞄県民若者代衚の、青幎団協議䌚代衚の普倩間真也さんず、孊生ボランティア団䜓代衚の平敷雅さんは、戊争䜓隓談を聞く機䌚は枛ったように感じるが、䞖界で起こっおいる状況を芋お戊争の悲惚さを感じる、先茩方が沖瞄の平和ず暩利を取り戻す努力をしおくれたおかげで今がある、その思いを未来に繋いでいきたい、スマホで䟿利な時代になったが子䟛の貧困などの課題がある、立ち向かっおいきたい、そしおより良い沖瞄の未来に繋げおいきたい、ずの趣旚のこずを熱く語っおいたした。

圚日米軍基地が集䞭する沖瞄では、毎回基地負担軜枛が倧きな争点になりたす。岞田総理も、基地負担軜枛に向けお努力しおいく旚を本日の匏兞で宣蚀したしたし、その思いは我々政治家に共通する認識なのだず思いたす。䞀方で䞖界の秩序維持のために安党保障を確保するこずは極めお重芁です。その点、近幎の沖瞄での遞挙を芋るに぀け、これたでのような単に基地に賛成か反察かだけが争点であったものから、より未来志向になっおいるように感じおいたした。そのこずを再び実感させられる話でした。

悲惚な戊争䜓隓を䌝え残し、二床ず戊争の惚犍に芋舞われるこずの無いよう普段の努力を積み重ね、未来志向で豊かさを远い求める必芁があるのだず思いたす。倩皇陛䞋からは、「今埌、若い䞖代を含め、広く囜民の沖瞄に察する理解が曎に深たるこずを垌望するずずもに、今埌ずも、これたでの人々の思いず努力が確実に受け継がれ、豊かな未来が沖瞄に築かれるこずを心から願っおいたす」ずのお蚀葉を賜りたした。゚マニュ゚ル倧䜿も、歎史䞊の熟烈な敵同士であった日米が、珟圚は最も芪密な同盟になったこず、そしおその䞭での沖瞄の意味合いに觊れ、「同盟は単なる条玄ではなく、人ず人ずの友情である」ずしお沖瞄の未来のために「沖瞄の高校生を察象ずした幎間の英語孊習奚孊金プログラムを本幎蚭立するこずをここに発衚いたしたす」ずしたした。

返還亀枉圓時の䜐藀栄䜜銖盞は、幎に沖瞄を初めお蚪れ、「私たち囜民は沖瞄九十䞇のみなさんのこずを片時たりずも忘れたこずはありたせん。本土䞀億囜民は、みなさんの長い間の埡苊劎に察し、深い尊敬ず感謝の念をささげるものでありたす。私は沖瞄の祖囜埩垰が実珟しない限り、我が囜にずっお戊埌が終わっおいないこずをよく承知しおおりたす。これはたた日本囜民すべおの気持ちでもありたす」ず挔説したした。

途蜍もない努力が途蜍もなく倚くの関係者により成し遂げられた沖瞄返還。しかし、それ以䞊に衚珟しようもないほど倚倧な犠牲を匷いられた沖瞄の地。沖瞄に奇跡のマむルずいう繁華街に面する通りがありたすが、戊埌盎埌に奇跡のように埩興を成し遂げたから付けられた俗称なのだずか。圓時の沖瞄の人々がどのような感芚で奇跡のマむルず蚀う蚀葉を䜿うようになったのか。たた、運動ずいう、米斜政䞋の自動車右偎通行を返還埌の幎間で巊偎通行にするために行われた事前呚知のためのキャンペヌンも、沖瞄の圓時の人々の間では耇雑な思いが入り乱れおいたように思いたす。

沖瞄の熟烈な戊争の歎史だけではなく埩垰埌の歎史も、しっかり心で感じお思いを臎しおいく態床が䜕よりも重芁なのだず思いたす。

参考

経枈安党保障掚進法の成立

本日日、経枈安党保障掚進法案が参議院で可決成立したした。小林鷹之倧臣のむニシアティブに寄るずころが倧きいのですが、その他、党内政策・囜察䞡サむドの積極的先導があり、たた䞎野党超えお積極的にご審議頂いた賜物だず思いたす。改めお心から感謝申し䞊げたす。今日は、この法埋の䞭身に぀いお、正確性よりも分かりやすさに力点を眮いお解説したいず思いたす埓っお、念のためですが政府芋解を代衚するものでは党くありたせん。

■経枈掻動ず安党保障のバランス
本法埋は枠組みであっお、具䜓的な芏定はこれから集䞭的に議論し、定めおいくこずになりたす政什や省什。法埋に具䜓的な事項を蚘茉しおいないため、新聞玙面䞊ではあいたいだずの指摘をずきどき受けたすが、これは囜際情勢や技術動向、民間事業の圢態などに機動的柔軟に察応しおいくためであっお、今埌の具䜓化䜜業では可胜な限り予芋性を確保しお参りたす。䞀方で完党に透明にすれば、日本の脆匱性を䞖界にさらけ出すこずになるため、慎重に刀断せざるを埗たせん。

■経枈掻動の自由
経枈掻動ぞの制玄に察する䞍安芖も䞀郚芋受けられたすが、経枈安党保障を目的化するこずは決しおありたせん。すなわち、経枈掻動の制玄を匷め過ぎお衰退させれば守るべきものもなくなりたすので本末転倒です。法埋でも明蚘しおいたすが、明蚘しなくおも経枈掻動を最倧化し぀぀安党保障を確保する方針です。経枈掻動は基本的に自由が確保されるべきものずいう考え方が土台にありたす。

■米䞭察立ずの関係
たた、米䞭察立を背景ずした、いわゆるグロヌバルサプラむチェヌンのデカップリングずの関係に぀いおのご指摘を受けるこずもありたすが、本法埋は特定囜を察象ずしたものでもなければ、デカップリングを前提ずしたものでもありたせん。あくたで我が囜独自の経枈安党保障の考え方に基づいおスクリヌニングを行った結果ずしお適甚が決たるものです。

■自由貿易ずの関係
たた党おのグロヌバルサプラむチェヌンを自囜回垰誘導するものでもなければ、自囜䞻矩を採甚するものでもありたせん。自由貿易掚進の旗印は明確に振り぀぀、それでも経枈安党保障䞊、自由を限定的でこそあれ制限しなければ秩序確保が困難な領域を察象ずするものです。この考え方に぀いおは、本皿最埌に曎に深く掘り䞋げたす。

■経枈安党保障ずは
経枈安党保障ずは、分かりやすく蚀えば囜益を経枈面から確保するこず、ず小林倧臣は説明しおいたす。では囜益ずは䜕かず蚀えば、珟行の囜家安党保障戊略に定矩されおいる通り、囜家の䞻暩独立ず囜民の身䜓財産を守るこず、経枈的繁栄を実珟するこず、そしお基本的䟡倀やルヌルに基づく囜際秩序を擁護し匷化するこずです。

■経枈面で囜益をどのように確保するか
では囜益を経枈面から確保するずはどういうこずを指すのかず蚀えば、䞀蚀で蚀えば、他囜の動向に巊右されるこずなく我が囜が䞻䜓的に未来を決定できる環境を敎える努力をするこずです。䟋えば他囜に過床に䟝存しおいる重芁物資があったずすれば、我が囜が䞻䜓的に未来を遞択できなくなりたす。すなわち、経枈面から囜益を守るためには、戊略的自埋性の確保、戊略的䞍可欠性の確保、そしおそれらを通じた囜際ルヌル圢成、が䞭心的な考え方になりたす。戊略的自埋性は字矩通りですが、戊略的䞍可欠性ずは、䞖界にずっお日本がなくおはならない存圚になる環境を敎えるこずです。

■本法埋は経枈安党保障政策の䞀郚をなす土台
本法埋は、恐らく䞖界初の䞀括掚進法で、担圓倧臣の蚭眮も䜵せお䞖界から泚目されおいるこずを実感したす。ただ、䞀括ずいうのはこれら経枈安党保障党䜓を網矅的にすべおずいう意味ではなく、あくたで、盎ちに法的担保が必芁な項目を束ねた、ずいう意味です。埓っお、本法埋は、我々の考える経枈安党保障党おをカバヌするものではなく、むしろ基瀎の䞀郚であっお、今埌も囜民の皆様のご理解を埗ながら必芁な改正は行っおいくこずもあるはずですし、法埋を必芁ずしない様々な斜策も必芁ずなりたす。

■本法埋が察象ずするのは倖郚起因のもの
経枈安党保障を芁因別に二分すれば、倖郚起因倖囜勢力によるものず内郚起因囜内事情に分けられたす。本法埋で担保したものは、前者の倖郚起因のものです。倖囜勢力による経枈的手段によっお囜益が損なわれる恐れがある堎合を基本的には察象ずしたものです。

■本法埋が芏定する具䜓的な項目
少し具䜓的な話に入りたいず思いたす。本法埋では、法的担保が盎ちに必芁ず考える項目、すなわち基幹むンフラサヌビスの安定的提䟛の確保、重芁物資のサプラむチェヌン匷靭化、重芁技術研究開発の官民協力、特蚱出願非公開、に぀いお芏定しおいたす。

なぜこの぀なのか。経枈掻動や囜民の生掻が脅かされる可胜性があるずすれば、それは第䞀に、電気、氎道、ガスをはじめずした、これたでも業法芏制がかかっおいるような基幹むンフラサヌビスです。第二には、業法芏制はないものの安定䟛絊が確保されなければ重倧な圱響がでる重芁物資の安定䟛絊確保。第䞉に、そもそも日本独自の戊略技術を保有するこずを考えなければならず、それが官民技術協力。そしお第四に、そうした技術があったずしおも技術流出防止を講じる必芁があるずいう芳点から、法改正が盎ちに必芁なものずしお特蚱制床の抜け穎を塞ぐ、ずいう考えです。念のため繰り返しになりたすが、法埋が必ずしも必芁ない措眮も、実斜しおいるか実斜予定ですし、今埌も必芁に応じお法埋改正を行っお参りたいず考えおいたす。

■基幹むンフラ
電気や氎道などの基幹むンフラ事業に぀いおは、本法埋では業皮を指定しおいたす。これらは既に業法芏制がかけられおいる業皮ですが、既存の業法芏制には他囜からの劚害行為に察凊すべき矩務が課せられおいないため、安党保障䞊の䞊乗せ芏制をしたものです。近幎、他囜によるサむバヌ攻撃などで基幹むンフラの安定䟛絊リスクが高たっおいたすが、囜民からすれば安定䟛絊が匷化されるずいうこずになりたす。

業皮に該圓する党おの民間䌁業が察象になるわけではありたせん。しかし察象ずなる範囲を芏暡などで䞀埋に線匕きするのも困難です。それは、芏暡や地理的分散ずいった垂堎構造や、蚭備の利甚圢態、たた経枈掻動や囜民生掻に䞎える圱響皋床が業皮ごずに異なるからです。

今埌、それぞれの業皮ごずに、利甚者数や取扱量やシェアなどの事業芏暡や代替可胜性に぀いお、事業者ずよく盞談しながら基本指針で基準を定めおいくこずになりたす。察象事業者は、特定重芁蚭備をこれから導入しようずする堎合、もしくは維持管理を倖郚に委蚗する堎合には届出が必芁ずなりたす。

特定重芁蚭備は、倖郚からの劚害行為の手段ずしお利甚され埗る蚭備であっおその機胜が停止䜎䞋した堎合にサヌビス提䟛に著しい圱響を及がし埗るものずしお、具䜓的に技術内容も含めお業皮を所管する省庁の省什で定められたす。事業者の負担に十分配慮するずずもに囜際ルヌルずの敎合性を確保し぀぀、念のため事前盞談制床も蚭けおいたす。

■サプラむチェヌン匷靭化
重芁物資サプラむチェヌンに぀いおは、䞀番分かりやすい䟋が手術で䜿う医療甚抗菌薬など、原材料を特定囜に過床に䟝存しおいたケヌスがあり、その堎合は銖根っこを掎たれおいるのず同じ事ですから、こうした事態を回避するため、取り扱い事業者を支揎するのが制床の趣旚です。すなわち攟眮すれば、そうした事業者が経枈合理性の刀断から、䟛絊しないか他囜䟝存から脱华できないなどの状態を改善するための措眮です。

特定重芁物資の指定の基本的考え方は、今埌、基本指針で、たた物資毎に支揎方法などを取組方針などずしお所管省庁の省什で定めるこずになりたす。その埌、その特定重芁物資を䟛絊しようずする事業者が申請を囜に提出、囜が認定すれば、その事業者には定められた䞀定の支揎が提䟛されるこずになりたす。該圓事業者が䞍圚の堎合には、特別の堎合ずしお囜が盎接、物資の安定䟛絊に乗り出す仕組みです。

物資指定に圓たっおは、圓然ですがサプラむチェヌン調査が倧前提ずなりたす。その調査暩限を法的に担保しおいたす。その䞊で、物資指定の基本䞭の基本の考え方は、その物資の重芁性、䟛絊リスク、倖郚行為リスク、そしお必芁性ず効果を芋お刀断する方向です。重芁性ずいうのは、囜民の生存に䞍可欠であるずか広く囜民生掻や経枈掻動が䟝拠する物資、幅広く普及利甚されおいる物資、が察象ずなりたす。䟛絊リスクに぀いおは、特定少数囜にサプラむチェヌンが過床に䟝存しおいるか䟝存するおそれがある物資、であっお、その䟝存床や他囜代替性、物資自䜓の代替性や囜内調達の容易性、たたは圱響床ず圱響範囲などで刀断しおいくこずになりたす。倖郚行為リスクに぀いおは、倖郚からの圱響を総合的に刀断しおいくこずになりたす。そしお最埌の必芁性ず効果に぀いおは、他に担保する制床がないなど、この法埋で担保する必芁性があるこずや、本法埋で実䜓的な効果がある堎合に絞っおいくこずになりたす。具䜓的な指定は、ざっくりず物資党䜓を指定するこずも考えられたすが、性質に泚目するずか、甚途や性胜、材料や装眮に泚目するこずも考えられたす。

支揎措眮ずしお具䜓的に䜕をするかず蚀えば、冒頭に瀺したように囜内回垰だけを目指したものではなく、物資の特性に応じお、倚様な措眮を講じるものです。぀はサプラむチェヌン匷靭化ずしお、生産基盀敎備、䟛絊源倚様化、備蓄、生産技術の導入や開発改良など、たた指定物資の䟝存床䜎䞋を図るために、䜿甚合理化や代替物資開発などに察する支揎も可胜にするものです。具䜓的には、別途申請に応じお指定する安定䟛絊確保支揎法人を介した助成や利子補絊、を介した䞭小䌁業察象の株匏買い取り支揎、日本政策金融公庫ず民間金融機関を介したツヌステップロヌンのほか、公正取匕委員䌚ずの関係敎理、関皎定率法ずの関係敎理などです。支揎法人には基金を積むこずも可胜ずしおいたす。

■官民技術協力
重芁技術の研究開発を掚進するための官民協力の枠組みを法的に担保するための芏定です。䟋えば、や量子、バむオなどです。バむオは今埌幅広い領域で瀟䌚に重倧なむンパクトを䞎える技術ずされおいたすが、䟋えばコロナワクチンでは、我が囜は他囜に完党に䟝存する状態を幎以䞊に亘っお続けおいたす。逆に日本だけがワクチンを䜜れたならば、戊略的䞍可欠性を確保するこずになりたす必ずしもワクチンを指定するずいうこずではありたせん。ワクチンは既に別のプログラムで掚進しおいたす。こうした日本の匷みを䌞ばし、ひいおは日本が䞖界の䞭で必芁䞍可欠な存圚ずされるような技術を戊略的に匷化しおいくこずを狙ったものです。

今たでに決定的に欠劂しおいた仕組みが研究開発サヌクルの情報保党の制床化です。民間䌁業や研究者ず政府が、それぞれ䌚瀟の営業秘密や公開したくない独自の研究手法や機埮情報などを、盞互に安心しお円滑に亀換する枠組みを創蚭し、研究開発、成果創出、瀟䌚実装の加速を狙ったものです。情報保党に぀いおは圓然ですが、官民の関係者が協議䌚を構成したのちに、協議䌚が必芁ず刀断した堎合にだけ保党矩務がかかりたすので、突然政府が民間研究者に保党矩務をかけるわけではありたせん。察象は、先端的な技術であっお、䜿甚技術情報が倖囜に悪甚されれば安党が損なわれるような技術です。基瀎研究ずいうよりは、技術成熟床が䞀定皋床あるけれども瀟䌚実装たでには至らないレベルを想定しおいたす。

たた囜際的な研究動向や囜際情勢を内倖調査機関ず連携しながら分析し、必芁な政策提蚀を行うシンクタンクを創蚭するこずずしおいたす。所望の機胜を発揮するには時間がかかりたすが、䜕よりも人材育成が必芁であり、そのためには盞応の暩限を付䞎するこずも考えられたす。

■特蚱出願非公開制床技術挏掩防止措眮の䞀環ずしお
日本の特蚱制床には欠陥がありたした。特蚱は圓然、公開が原則です。特蚱制床の本質は、発明を公開するこずで知恵を共有し瀟䌚発展を促す代わりに、その代償ずしお発明者には期間限定の独占的な暩利を付䞎するものです。だから公開は倧前提になりたす。䞀方で、悪甚され埗る技術も䞖の䞭倚くありたす。埓っお、倚くの囜では、䟋倖ずしお出願を制限しおいたすが、日本にはその制床がありたせんでした。

制限ず蚀っおも、出願公開の手続きを留保し情報保党する措眮なので、期間が過ぎれば出願手続きが再開され、通垞プロセスに乗りたすので、決しお突然政府から秘密指定されお蔑ろにされ闇に葬られるような制床ではなく、䞻芁先進囜ず同等の制床になるだけです。

具䜓的には、今埌、たずは察象ずなり埗る技術分野を指定したす。基本的には囜家囜民の安党を損なう事態を生ずるおそれが倧きい発明ずいうこずにしおおりたすが、それでは広く網がかかり過ぎおしたい産業の発達に及がす圱響が倧きくなりすぎる堎合があるので、軍事技術に限定するなど付加芁件を付すこずにしおいたす。察象分野に぀いおは倖囜出願制限がかかるこずになりたす。

特蚱庁は、受理した出願をその特蚱分類を甚いお機械的にスクリヌニングし、察象ずなり埗る出願であれば、本人に通知するずずもに内閣府に出願を回送、出願人に出願を維持するかどうかを確認した䞊で、本人了解のもず守秘矩務をかけたのちに保党審査のプロセスに入りたす。保党審査では産業に及がす圱響ず安党保障䞊の圱響を刀断した䞊で、保党指定をしたす。期間は原則幎で曎新可胜ずしおいたす。保党指定たでの審査期間は本則特蚱制床ずの関係でカ月以内ずしおいたす。

もちろん出願手続きの制限をかけるわけですから、因果の範囲内でそれなりの損倱補償を想定しおいたす。たた、たたたた同䞀の出願を先願者の存圚をしらずに行った時の暩利関係に぀いおも念のため芏定しおいたす。この蟺りはマニアックな話ずなりたすので割愛したす。

いずれにせよ、この措眮にお特蚱制床を通じた技術挏掩に蓋が閉められるこずになりたすが、これで完党に挏掩が防げるものではありたせん。あくたで、特蚱制床ずいう囜の制床を介しお公然ず技術流出が行われる理䞍尜さに察凊するための法敎備です。

■䜙談自由ず管理・瀟䌚ずコスト
経枈掻動ず囜際秩序が密接な関係にあるこずは歎史が蚌明しおいたす。自由貿易による囜家同士の盞互䟝存が囜際秩序の安定化に資するこずは近幎たでの垞識でした。過去に人類は、経枈掻動の制限が、囜際秩序の䞍安定化に繋がり、倧戊に至った経隓をしたした。しかし最近では、新自由䞻矩ず過床なグロヌバル化が各囜囜内の賃金栌差を生み、囜内政治の先鋭化ずずもに自囜䞻矩ぞの傟倒ずブロック経枈化を通じた囜際秩序の䞍安定化も経隓しおいたす。埓っお管理された自由ずバランスが必芁なはずです。改革しかりしかりです。䟋えば自由貿易ず䞀蚀で蚀っおも、自由貿易にもルヌルがあり、ルヌルが囜際秩序圢成にマッチしおいないのであればルヌルを改革するずも蚀えたす。問題は同じルヌルに乗らない勢力が耇数存圚するこずです。

先端技術に倚額の投資を行い富を享受しおいる囜があったずしお、それが倖郚から搟取され富が遺挏しおいるのだずすれば察䟡を芁求するのも圓然ず蚀えたす。経枈的倖亀圧力によっお圱響力行䜿を詊みる勢力があったずするならば、それに備える努力をするのも圓然です。違法に行われおいるのだずすれば管理するのは圓然です。囜際瀟䌚ずしおの問題は、その行き着く先がどこにあるのか、最終的に瀟䌚にずっおプラスになるのかマむナスになるのか、管理すべきだずしたらその察象はどこで、どのようにバランスをずるのか、であっお、それらを慎重に分析すべきです。そしおより本質的には、どのような瀟䌚を目指しおいるのか、本法埋案の斜行を通じお、どのような囜際ルヌルを圢成するのか、瀟䌚にどのようなむンパクトを生じさせるのか、瀟䌚の思考パタヌンがどのようになるのか、を泚意深く考えおいかなければならないのだず思いたす。

䞀方で、経枈安党保障政策の䞀郚は、カヌボンニュヌトラルや防灜ずならんで、単玔に考えれば民間䌁業にずっおはコストず映る課題です。これを時間軞の積分倀の最倧化ず考える瀟䌚にしおいかねばなりたせん。経枈孊的には倖郚䞍経枈の内郚化であっお、新しい資本䞻矩にも通ずる考え方であり、囜際瀟䌚の朮流であるずも思いたす。

グロティりスず囜際秩序

ロシアの䟵略を受けるりクラむナで悲惚な状況が続いおいたす。兎にも角にもかかる事態を収束させるために最善の努力を日本もしおいかなければなりたせん。日本政府ずしおはロシアに察する経枈制裁を匷化しおいたす。これに぀いお䞀郚から批刀があるこずも承知ですが、囜際瀟䌚ず歩調を合わせた圢での制裁匷化は圓然です。先日の䌚合の結果を受ける圢で、今日も、その䞀環ずしお、暗号資産の抜け穎を塞ぐための倖為法改正を岞田総理が衚明したしたマネヌロンダリング察策ずしおFATF勧告を受けお既に準備はしおいたものの䞀぀でもありたす。
䞀方で、ロシアのりクラむナ䟵略の意味合いは、囜際法違反の非道な䟵略行為であるずずもに、戊埌に人類が築き䞊げおきた玛争防止の囜際システムそのものに察する重倧な挑戊であるこずも極めお重芁な課題で、改めおこの囜際システムを改革する数少ない機䌚なのだずいうこずを認識しなければなりたせん。さもなくば、䞀気に瓊解する可胜性を秘めおいたす。

䟵略が始たっお以降、囜連安保理垞任理事䌚で幟床の察ロシア決議の詊みがなされたしたが、垞任理事囜であるロシアによっおこずごずく吊決されおいたす。いわゆる拒吊暩の発動で、倧囜がも぀匷倧な暩限です。拒吊暩が倧囜のみに付䞎されたのは歎史的背景に寄り、秩序を維持するためにあえお枅濁䜵せ呑んだ結果ずいうこずになるのですが、あえお意味づけをすれば、この倧囜が囜際秩序を維持しおいく正矩の番人だずいうこずになりたす。ただ、倧囜の党おが垞に囜際政治の正矩の番人であるず䞇人に認識されおいないのは明らかです。

念のため䞀瞬脱線したす。正矩の番人ず蚀う蚀葉を軜々に䜿いたしたが、結構深い。そもそも囜際政治の䞖界には正戊論正圓な戊争ず䞍圓な戊争を区別ずか無差別戊争芳戊争に䞍圓も正圓もないず蚀う蚀葉があり、玛争防止のために理想䞻矩ず珟実䞻矩を行ったり来たりしおいる歎史を持っおいたす。䞖玀あたりたではロヌマ皇垝のような正矩の絶察的裁定者の存圚を基軞ずした正戊論の考え方がありたしたが、宗教改革埌に正矩の裁定者が消滅し、代わりに人間に内圚する理性に基づく自然法を基瀎ずする囜際法の根本原則が確立されたすりェストファリア䜓制。

しかし囜家間玛争の裁定者がいない䞭でナポレオン戊争が勃発。その反省から各囜君䞻同盟を裁定者ず芋立おた正統䞻矩ぞの埩掻ず戊争に蚎える暩利も含めた戊争のルヌル化勢力均衡の考え方が支配しおいきたすりィヌン䜓制。しかし理念が欠劂しおいたため第䞀次倧戊が勃発。人類は未曜有の被害を経隓し、その結果、䞀切の戊争を䞍正ずし察抗手段ずしおの自衛暩を認める考えが支配的ずなりたしたベルサむナ䜓制。

ただ自衛暩の解釈拡倧など理想論が珟実の前に砎綻し、第二次倧戊ずいう甚倧な灜犍に芋舞われ、最終的には理想ず珟実の䞡面を民䞻的統制をベヌスずしお採り入れたリベラルオヌダヌを人類は囜連ずいうシステムによっお構築したず理解できたす。前者は垞任理事囜、埌者は自衛暩です。ただ、垞任理事囜が正矩を裁定できるのかを考えたら明らかなように、未だに未完成なシステムなのです。

秩序は理念ず論理だけでは完成したせん。生ものを扱う囜際政治の䞖界で盎ちに理想論に突き進むのはかえっお秩序を乱すこずになるのは明らかです。その点、正矩の裁定者の存圚をある皮吊定したルタヌの宗教改革の埌の䞖界にあっお、近代囜際法の父ず呌ばれるグロティりスが正戊論ず勢力均衡論をバランスさせようず論理を展開したこずは目を芋匵るものがありたす。

小難しいこずを曞きたしたが、珟時点で取りうる囜連改革の方向は、䞀歩前進させるこずです。考えうる具䜓策の䞀぀は、岞田文雄総理が衚明した拒吊暩の制限です。過去にフランスも詊みたもので、自衛暩ずの関係で蚀えばこれ自䜓も䞀筋瞄ではありたせん。あるいはもっず遥かに倧胆なオプションを甚意しおおくのも手かもしれたせん。いく぀かこうしたオプションは考え埗るず思いたす。挑戊しおいかなければなりたせん。二床ずかかる䟵略を蚱すべきではありたせん。

䟵略が始たっお盎埌の月日、ロシアが虚停の䞻匵を行っお軍事行動を行ったずしお、りクラむナはロシアを囜際叞法裁刀所に提蚎しおいたしたが、月日にその芁請に基づいお、同裁刀所は暫定措眮呜什を発出したした。報道にもあったずおり、法的拘束力は明確にあるものの、ロシアは同裁刀所には管蜄暩がないずしお埓う可胜性は䜎いず芋られおいたす。こうしたこずも䜵せお考え、日本がたさに囜際秩序を維持匷化する囜際ルヌル圢成に䞻導的圹割で貢献すべき時であるず認識しおいたす。

再びりクラむナ情勢に぀いお

前回、りクラむナ情勢に関する蚘事をブログに曞いた盎埌に、ロシアがりクラむナに䟵略を開始したした。改めお、ロシアの軍事力行䜿に察しお最倧の非難を衚明いたしたす。力による䞀方的な珟状倉曎は蚱されざる暎挙です。連日報道されおいるこずから囜民の皆様の関心ず䞍安は極床に高いず感じおいたす。

孀立化するロシア。SWIFTからの排陀などの経枈制裁に加え、䞻芁クレゞットカヌド䌚瀟による締め出しなど民間掻動からも排陀され぀぀ありたす。ロシアは資本流出を避けるために金利を20%に匕き䞊げたずのこずですが、ロシアの経枈状況は悪化の䞀途を蟿るはずですし、今埌の状況次第では曎なる経枈制裁が行われる可胜性もありたす。䞀方、返り血コストの議論もありたすが、歊力衝突コストを考えれば軜埮なはず。コロナ埌の経枈回埩を目指そうずしおいた時に誠に遺憟ですが、その遺憟を吹き飛ばす皋の遺憟な事態を生じさせおいるのがロシアのりクラむナ䟵略です。囜際秩序の安定化は䜕よりも重芖すべきであっお、そのコストには配慮こそすれども芚悟しお臚むべきだず考えたす。

その䞊で、前回も觊れたしたが、ロシアに関連した䞭囜による台湟䟵攻の可胜性も、囜民の皆様の関心事だず感じたす。結論から蚀えば、ロシアにずっおのりクラむナず、䞭囜にずっおの台湟は、共通点ず盞違点があり、盎接の連動はないけれど泚芖すべきず考えおいたす。共通点は、䟵攻が民䞻䞻矩ず暩嚁䞻矩の衝突、法の支配ず銃の支配の衝突、既存の囜際秩序ぞの挑戊ずいう地球芏暡の問題を意味するこず。盞違点は、䞭囜にずっお台湟は囜内問題だず䞭囜自身が内倖に䞻匵しおいたすから、䞭囜から芋ればロシアのりクラむナ䟵攻ずは決定的に意味合いが異なるこず、そしお米囜には台湟関係法があるこずです。これらから、今回のロシアによるりクラむナ䟵攻が盎ちに䞭囜の台湟䟵攻に繋がるずいうこずはないずみるべきですが、その共通点から想像できるずおり、間接的には同根の問題ですから倧きく関連するものであっお、りクラむナ情勢の結果次第では蓋然性が䜎いず蚀い切れるものではないずいうこずを念頭に眮きながら泚芖すべきなのだず思いたす。

実はそもそも䞭囜はロシアのりクラむナ䟵攻を忌々しく思っおいるに違いない、ず倚くの有識者が圓初から芋解を瀺しおいたすが、確かに東欧ではロシアぞの批刀を避ける䞭囜に察する譊戒感が匷たっおいるのだず蚀いたす。ロむタヌが報じた䞋蚘の蚘事にもあるずおり、東欧は䞭囜の看板政策である䞀垯䞀路にずっお重芁な地域であっお、りクラむナもたさにその芁衝ずなっおいたす。

jp.reuters.com/article/breakingviews-china-russia-idJPKCN2L109C

たた、䟵攻が始たる前の月末に、シャヌマン米囜務副長官が、もしロシアが䟵攻を開始したらオリンピック䞭の䞭囜は快く思わないだろうずの芋解を瀺しおいたすが、最近報じられたずころによりたすず䞭囜は吊定しおいたすが、䞭囜はロシアに察しお、䟵攻するならオリンピック埌にするよう芁請しおいたずのこずですので、米情報圓局はその情報を月末時点で把握しおいたのかもしれたせん。あるいは盎埌の月日のプヌチン倧統領ず習近平䞻垭の䌚談に合わせたメッセヌゞだったのかもしれたせん。

jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-china-olympics-idJPKBN2K01LQ

いずれにせよ巷で蚀われるほど䞀枚岩ではありたせん。しかし、繰り返しになりたすが冒頭に瀺した共通点の䞭長期的な意味合いは決しお日本ずしおは忘れおはなりたせん。そしお曎に、気にしなければいけないポむントはあず二぀あり、それはトルコずむランです。

トルコは先日もこの堎で觊れたしたが、盎近のナゎルノカルバフ問題で曎に存圚感を高めた囜ですが、ずロシアの結節点にありたす。先日もプヌチン倧統領ず゚ルドアン倧統領の電話䌚議が行われたようですが、仲介圹ずしお最も泚目すべき囜です。

もう぀がむラン。仲介圹ではなく゚ネルギヌ䟛絊の意味での泚目囜です。垂堎関係者は今埌の原油䟡栌を1バレル100ドル前埌ず芋積もっおいるようですが最高150ずいうのもある、トランプ前米倧統領が離脱したむラン栞協議も焊点ずなりたす。りクラむナ䟵攻がなければむランは単玔に栞合意埩垰を目指しおいたのかもしれたせんが、少し颚向きが埮劙です。

日本ずしおは、今埌、囜際秩序の安定化に貢献するための曎なる具䜓的な方策ずずもに、サプラむチェヌン䞊のむンパクト䜎枛、囜際経枈の悪化ぞの備え、そしお抌し迫るであろう物䟡高に備えた経枈政策を断行しおいかなければなりたせん。

圓ホヌムペヌゞの運甚指針に蚘茉しおおりたす通り、圓ホヌムペヌゞの蚘事は党お、個人ずしおの芋解であり政府や所属政党である自民党を代衚する意芋ではありたせん

りクラむナ情勢ヌ日米同盟

りクラむナ情勢を巡り、バむデン政暩の動きがかなり掻発になっおいたす。日本も切迫する危機ずの認識のもず囜際玛争の防止に䞀定の積極的な圹割を果たしおいかなければなりたせん。その䞭心的課題は、䟡倀を共有する囜同士の結束を劂䜕に匷化し、それによっお力による䞀方的な珟状倉曎の詊みを蚱さないずする姿勢を明確にする方向です。力を背景ずした䞀方的な珟状倉曎の詊みは、既存の囜際秩序に察する重倧な挑戊であっお、そういう意味では日本も察岞の火事ずしお眺めお芋過ごすわけにはいかない事態です。最倧の関心をもっお泚芖しおいかなければなりたせん。

そもそもロシアにずっおのりクラむナは安党保障䞊の芁衝でもあり、りクラむナが欧米協調路線をずっおEU加盟の方向に向かっおいたこずにはロシアは以前から盞圓に敏感でした。しかし軍事力を行䜿しお他囜領域を奪取し、自ら優䜍な圢を築こうずするのは明確な囜際法違反であるばかりか、蚱し難いこずです。

時折、りクラむナ有事ず台湟有事の盎接の連接が指摘されるこずがありたす。本日も、英囜ゞョン゜ン銖盞が、ミュンヘン安党保障䌚議においお、りクラむナ有事が台湟有事に発展する可胜性に蚀及したしたが、その趣旚もりクラむナ危機がたさに既存のルヌルに察する重倧な挑戊であっお、䞖界に向けお結束を呌び掛けたものなのだず思いたす。同䌚議で出垭しおいた林芳正倖務倧臣も、䟵攻があれば制裁を含めお甚倧なコストを招くこずを確認したず蚘者団に語っおいたす。いずれにせよ、ロシアにはりクラむナ囜境呚蟺に展開しおいる郚隊の撀収ず緊匵緩和に向けた具䜓的な取り組みを求めたす。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB194HY0Z10C22A2000000/

以䞊の芖点に立っおりクラむナの情勢に話を移したす。米政府が圚留米囜人の即時退避を求め領事業務を停止しおから週間が経ちたした。倧䜿通には通員の垰囜指瀺ずずもに通信機噚やコンピュヌタの砎壊指瀺たででおいたずの報道もありたした。危機が指摘され始めた圓初、䞀時はバむデン政暩が戊略コミュニケヌション以䞋に倱敗したように芋えたしたが、今思えばそれも組み立おられた戊略の䞀環だったのかもしれたせん。ロシアに口実を䞎えないための積極的情報開瀺ずは、抑止になっおいるはずです抑止が成功するかは別問題。

そもそもクリミア同様、りクラむナ東郚ドネツク、ルガンスクのように芪ロシア䜏民の倚い地域では、危機が指摘されはじめた圓初から、内玛が発生すればロシア介入の口実にされる可胜性がある、ずの指摘がありたした。具䜓的には月日に囜防省のカヌビヌ報道官が、”false-flag operation”(停旗䜜戊)の可胜性に盎接蚀及しおいたす。
https://www.bbc.com/news/world-europe-59998988

(写真出兞:CSIS-Russia’s Possible Invasion of Ukraine)

遡るこず昚幎月、ロシア軍によるりクラむナ呚蟺ぞの䞇人芏暡の郚隊展開が報道された圓初、䞀郚の軍事専門家はドネツク・ルガンスク䟵攻を明確に意識した展開であったずしおいたす。
https://graphics.reuters.com/RUSSIA-UKRAINE/LJA/akvezngkxpr/

これに曎に遡るこず月、ロシアが欧州向けガスを䟛絊しおいるりクラむナ経由パむプラむンのガスプロムに぀いお、りクラむナ政府が実斜した入札にロシアが応じなかった事件がありたした。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR189Z80Y1A011C2000000/

この蚘事では背景たでは觊れられおいたせんが、もずもずりクラむナは゜連から独立しおからもロシアの欧州向けのガス䟛絊の経由地ずしお䜍眮付けられおおり、䞡囜間には緊匵こそあったもののガス事業に぀いおは比范的平穏に継続されおいたした。ずころが2004幎の倧統領遞で察立が顕圚化したす。この遞挙では、芪欧米掟のナシチェンコず芪ロ掟のダヌコビッチが戊い、結果的に芪ロ掟のダヌコビッチが圓遞したしたが、これに぀いおはロシアが露骚な遞挙介入をしたずの指摘もあり、最終的にはナシチェンコ偎が䞍正を蚎えお再遞挙ずなり圓遞。りクラむナは急激に芪欧州路線に動いおいきたす。その結果、ロシアはりクラむナ経由のガス䟛絊を絞り、䞀時は欧州でのガス䟡栌が高隰し実際に生掻に倚倧な支障が出始めたした。
https://ieei.or.jp/2021/07/special201704027/

実際、2001幎圓初の欧州ガス䟡栌は100侇BTU圓たり3ドル皋床であったものが、オレンゞ革呜を経た2008幎には13ドル皋床に跳ね䞊がりたした。その埌、2010幎の倧統領遞で芪ロ掟のダヌコビッチが再び圓遞するず、䞀気にロシア関係を匷化、その結果、囜内で暎動が起き、これが端緒ずなっおクリミア事件が起きる。ダヌコビッチは倱脚しおポロシェンコが倧統領ずなりたすが、ガス䟡栌は2014幎のクリミア危機で再床12ドル皋床たで跳ね䞊がりたした。そしお昚幎末から、今回のりクラむナ危機に関連しお再床高隰、過去最高に達しおいたす。
https://jp.reuters.com/article/power-prices-russia-gas-idJPKBN2J01G7

もちろんコロナによるサプラむチェヌンリスク芁因もあるはずですが、由々しき事態であるこずには倉わりなく、日本も同志囜ずの協議を経お日本割圓分を欧州に融通するこずになりたした。この意思決定過皋で日本も䜙裕があるわけではないず反察する向きもあったようですが、欧州が抱える問題に唟するのはどうかず思いたす。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA094OS0Z00C22A2000000/

たた、ガスだけではなくりクラむナ情勢は䞖界経枈にも倧きくむンパクトを䞎えるこずになるこずから、G7は、先日行われた財務倧臣䌚合で、2014幎のクリミア危機以降、G7が囜際金融垂堎の安定化のためにず共に480億ドルを超える金融支揎を実斜しおいるこず、そしおロシアによるりクラむナぞの軍事䟵攻があれば、制裁を共同で科す甚意があるこずを発衚したしたりクラむナに関するG7財務倧臣声明。たた、バむデン政暩も単独で10億ドルの゜ブリン債務保蚌を衚明したした。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-15/R7BUNNT0G1KW01
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/convention/g7/cy2022/g7_20220214.pdf

䟵攻は数日以内ずバむデン倧統領が明蚀したずの報道がありたした。もちろん抑止に向けたSCでもあるでしょう。数日前からりクラむナではクリミア事件の時ず同様のDDoSサむバヌ攻撃が発生しおいるずも聞きたす。切迫しおいるこずは事実です。察岞の火事では枈たない理由がありたす。本質的には我々民䞻䞻矩囜家の安定の瀎が挑戊されおいるずいうこずであっお、察岞に芋えおも胡坐をかいおいる状況にはないこずは確かです。台湟有事を指摘される方の本意はここにあるのだず思いたす。

さらに蚀えば、結束ずいう意味で泚目せざるを埗ないのは、米囜内で顕圚化しおいる深刻な政治的分断が今埌どの方向に向かうのか、なのだず思いたす。米囜倧統領の支持基盀の匷匱は、米囜が同志囜の䞭心囜であるずいうこずを考えるたでもなく、米囜内だけの話に終わるはずはありたせん。日米同盟の匷化は䞀昔ずは少し違った䞻䜓的な意識で臚たなければならない極めお重芁な䟡倀なのだず思いたす。

コロナ感染状況


図感染者数青に察する芁入院者数赀)


図感染者数青に察する重症者数赀


図感染者数青に察する死亡者数赀


図実効再生産数


図感染者数青ずワクチン接皮率回目・回目赀


図感染者数青ず人流赀


図感染者数青ず病床䜿甚率赀


図感染者数青ずPCR怜査陜性率赀


図感染者数青ず感染経路䞍明者割合赀


図感染者数青ず日経平均株䟡赀


図感染者数青ず劎働賃金赀


図感染者数青ず䌁業DI最新でプラス矀赀


図感染者数青ず䌁業DI最新でマむナス矀赀


図感染者数青ず䌁業倒産件数赀


図感染者数青ず雇甚調敎助成金支絊決定件数赀


図感染者数青ず消費者物䟡指数赀


図感染者数青ず為替盞堎赀


図感染者数青ず緊急搬送困難事案赀

泚意これらのグラフは政府や関係機関のオヌプンデヌタから现心の泚意を払っお䜜成したものですが、誀りがある可胜性もありたすので、あくたで参考皋床にご利甚ください。正しくは、政府の公匏ペヌゞをご芧ください。

創薬力の匷化

「特蚱出願、米が割」ずの報道月日の日経がありたした。以前もご玹介した私も泚目しおいるアスタミュれずいう䌚瀟の分析によりたすが、これによるず、に関係する特蚱の件数は、米囜が、ドむツが、䞭囜ずスむスが同列で、日本は。たた、特蚱ず蚀うのは保有しおるだけでは意味がなく、実瀟䌚䞊での䟡倀がどのくらいあるのかずいうのも重芁になりたすが、その評䟡で蚀えば日本の倧孊も結構いい線行っおいるようで、蚘事では「䞀定の競争力があるず蚀える」ず結論付けおいたす。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC195ZZ0Z10C22A1000000/

日本の創薬は、䞖界でも競争力がある分野でした。でした、ずいうのがミ゜で、競争力が残っおいるのは埓来型の䜎分子の分野であっお、これからの創薬はバむオなど䞭分子だず蚀われおいたす。事実、も新しい補法の医薬品で、これも䜎分子ではなく䞭分子医薬です。そしお日本はバむオ等の遅れが指摘されおいたす。ワクチンがこれだけ䞖界に普及するなどず蚀うこずは、コロナ発生盎埌の日本では誰も想像しおいたせんでした正確に蚀えば数名はいらしたそうです。新しい創薬手法モダリティに察しお、成功を信じお前進するずいう意思が䜎かったずいうこずになるのだず思いたす。では意思ずは䜕かずいうず、竹やり突撃のような粟神論であっおはなりたせん。その重芁な䞭心的考え方は官民連携です。特にコロナのような安党保障䞊の脅嚁に察しおは尚曎です。だからこそ産業政策が必芁なのだず思っおいたす。

前段の報道はこうした重芁な瀺唆を含んでいたす。そしお珟圚、創薬は厚生劎働省が握っおいたす。成長期のように民間の力が匷いずきは、芏制官庁ずしお䞇党の安党性だけをしっかりず芋おいるだけで事足りたした。しかし、囜際戊略や産業戊略、知財戊略などを駆䜿しお官民連携しお安党を担保しながら、たたは担保するために産業を育おるずいう発想は、想像の通り匷いずは蚀い難い。䟋えばパンデミック等に備えお薬事承認プロセスを柔軟化するために今囜䌚に薬機法改正案を提出しようずしおいたすが、ここもしかりだず思いたす。

念のため繰り返しですが、産業政策が重芁なのは、産業が育たないず安党を担保できない、ずいう理由に基づくものです。䟋えば珟圚、第二のドラッグラグずいう蚀葉が創薬界隈に出おきおいたす。第䞀のドラッグラグは、囜の承認プロセスが遅く医薬品が䞖に出おくるたで時間がかかるこずを指したす。実は、数幎前に厚劎省の努力によっお承認プロセスは䞖界でも最も早い郚類の合理的な制床に生たれ倉わっおいたす。では第二の、ずいうのは䜕かずいうず、これも垂堎に出るのが遅いこずを指したすが、原因が違う。補薬メヌカヌにずっお日本の垂堎の魅力が萜ちおいるため、早期に日本垂堎に投入しおもコストを回収しにくく、そこでたずは海倖垂堎に補品を投入し、回収しおから埌に日本の垂堎に出すこずになるため、結果的に䞖界の䞭で最も垂堎に出回るのが遅くなるこずを蚀いたす。事実、その傟向が少し衚れ始めおいるず聞きたす。

薬事政策の䞭で産業政策が䞻芁な項目ずしお考えられおいないのだずすれば、創薬力匷化を謳ったずしおも基瀎研究だけが䌞びるこずになり、必ずしも瀟䌚に圹に立たない状況が続くのではないか。であれば本末転倒です。瀟䌚に裚益しないので研究費が回収できない為、盞察的に研究力も䞋がりたす。珟圚、研究開発に囜費を投入しおいたすが、研究のために囜にを投入しおいるような状況です。基瀎研究が䞻目的のものは文郚科孊省がやっおいたす。これを瀟䌚に裚益するための構造にしなければならない、ずいう思いは今でも倉わりたせん。

特に今埌、バむオなどの新芏モダリティが重芁になる時代は、埓来の䜎分子ず蚀う化孊匏さえ芋぀けお特蚱に出しおおけば暩利が守られる䞖界ではなく、日本が埗意なすり合わせ技術、補造工皋やノりハりがものをいう䞖界になりたす。今、創薬業界は氎平分業化が進んでいたす。半導䜓で蚀えば台湟ののように、補造業者がサプラむチェヌン䞊で力を持぀ようになるのかもしれたせん。昔、匱小むンテルがを食ったのず䌌おいるように感じたす。であれば、単に産業政策ずいうだけではなく、その次のこずたで考え抜いおいかなければなりたせん。そうしたこずも念頭に眮きながら、日本に足りないリスクマネヌの圚り方や人材育成の圚り方も含めお、耇県的に創薬力匷化を進めおいかなければならないのだず思いたす。

トルコずナゎルノカルバフ

トルコ倧䜿通での蚘念匏兞にお2019幎

緊迫するりクラむナ情勢で、囜際経枈に倧なり小なり動揺が広がっおいたす。先に觊れた欧米の利䞊げ察応では、むンフレ懞念ずずもにりクラむナ危機も圱響しおるず考えられたす。たずは、䜕事もルヌルに基づかない力による珟状倉曎の詊みには断固ずしお反察したす。䞀方で、このりクラむナ危機の裏偎には、ロシアの欧州ぞの圱響力の拡倧、あるいは偎の東方拡倧の阻止、ずいうこずがあるのだず思いたす。そうだずするならば、その境目にあるトルコの動向は非垞に気になる話だず思いたす。

そのトルコでは、゚ルドアン倧統領の経枈政策が謎なこずになっおいたす。物䟡は前幎比ケタの䞊昇、景気は䜎迷、通貚リラは売られに売られお䟡倀は半分以䞋に䞋萜、いわゆるスタグフレヌションの状況にありたす。普通であれば、利䞊げを行っお沈静化を図るのが垞套手段ですが、䞊げるどころか、゚ルドアン倧統領は「貿易や茞出の害になるのは金利」読売新聞ずしお利䞋げを断行し続けおいたす。

圓然ですがむンフレやリラ安は収たらず、倧統領遞挙を控えお、最䜎賃金のアップや定期預金保護措眮などの奇策を連発しおいたすが、根本治療ではないのでむンフレは収たらず、支持率は劇的に䜎䞋しおいたす。゚ルドアン倧統領らしい決断力ですが、マヌケットは良い策だずは芋おないようです。そしお、報道によれば遞挙たでの間に支持率改善のために呚蟺囜ぞの軍事挑発を行う可胜性たで指摘されおいたす。

実は数幎前、トルコ発で䞖界経枈が動揺した時がありたした。人口芏暡も経枈芏暡も党然無芖できないサむズの囜なので圓然です。圓時もむンフレず為替䞋萜。違うのは、圓時は掃蚎䜜戊に絡んだアメリカずの察立問題だけで、基本的には同じような状況にあったのだず思えば、今回も䞖界経枈ぞの圱響を考えなければならないのだず思いたす。

トルコは日本にずっおは友奜囜です。私もブログで䜕床か取り䞊げおきたした。歎史的にも゚ルトゥヌルル号事件や山田寅次郎の逞話、そしおむランむラク戊争の際のトルコによる邊人救出など、日本ずトルコの関係は濃い。テロを抱える囜ずしお、その政暩運営は我々日本人にずっおは想像できないくらい難しいものだずは思いたすが、しかし特に掃蚎䜜戊をきっかけに、諞事情はあるにせよ倖亀的に反欧米的な蚀動が倚くなっおおり、囜際協調からは皋遠い囜になっおきたトルコを芋るず、日本にずっお友奜囜ずいうだけでなくお個人的に興味ず憧れがある囜ずしお、少し残念な思いをしおおりたす。幎前に芋たトルコずは党く別の囜になっおいる気がしたす。

そもそも近代化した以降のトルコは䞖俗䞻矩をずっお芪欧米路線を歩んでいたしたが、近代軍事政暩のもず䞖俗䞻矩が行き過ぎお腐敗が進み、囜民からの信頌が薄らいで治安が悪くなっおいたずころ、䞖玀に入るず゚ルドアンが呚蟺郚のむスラム教保守䞻矩をたずめお政暩を握り、腐敗を撲滅し぀぀金融危機埌の経枈回埩を成し遂げ、加盟亀枉を進め぀぀空枯や高速鉄道の敎備を進めおいる様を芋た時には、たさにアタチュルクを芋たような気がしおいたからでした。

しかし、埐々に暩嚁䞻矩的な運営が芋られるようになり、2014幎の倧統領就任埌には圓初暙抜しおいた民䞻䞻矩路線は圱を朜め、ケマルが築き䞊げた議院内閣制を吊定しお倧統領暩限を匷め、銖盞ポストも無くし、メディア芏制を匷めたりず、残念なこずになっおいたす。考えおみれば、日本の政治家も、初圓遞したずきは理想に燃える政治家であったのに、䜕幎か経぀ず暩力に溺れる堎合がないわけではない。

そしお2020幎、トルコず非垞に芪密な関係にあるアれルバむゞャンず、トルコず歎史問題等で察立しがちなアルメニアの囜境にあるナゎルノカルバフで事件が起きる。ナゎルノカルバフ問題の本質は民族玛争です。゜連時代以前から察立があった地域で、オスマン時代に起きたずされるアルメニア人虐殺を巡る歎史認識でも激しい察立がありたした。そしお1993幎に倧芏暡な衝突を経隓しおいたす。このナゎルノカルバフ戊争では、アルメニアがナゎルノカルバフを占領したした。

その埌も小競り合いが続き、゜連が厩壊するず察立が激化衚面化。2020幎に再び倧芏暡な衝突ずなったものです。この時、トルコはアれルバむゞャンを前面支揎し、軍甚無人機を提䟛、軍事史䞊初ずなるほがドロヌンのみによる玛争ずなり、圧倒的な胜力でアれルバむゞャンが勝利。䞖界の軍事関係者に泚目されるこずになりたした。その埌は倧きな玛争ずはなっおいたせんが、圓地のアルメニア人ずアれルバむゞャン人の間には盞圓なしこりが残っおいるず考えるのが自然です。

因みにトルコもアルメニアもアれルバむゞャンも日本にずっおは友奜囜です。アルメニアに぀いお蚀えば、これもオスマン時代に難民ずなったアルメニア人を、日本人船長が救った話は今でも語り継がれおいるず蚀いたす。たた、トルコず芪密な関係にあるアれルバむゞャンも、゚ルトゥヌルル号事件の話が䌝わっおいるため芪日的な囜になっおいるようで、今䞖玀から日本語教育にも熱心に取り組んでいるず蚀いたす。

そしお先日、トルコずアルメニアがロシアの仲介で歎史的な和解に向けた亀枉を始めたずの報道に接したした。トルコがアルメニアを囜家承認したのは1991幎の゜連からの独立の時でしたが、盎埌のナゎルノカルバフ戊争でトルコはアルメニアず囜亀を断絶。以来、珟圚たで、トルコはアルメニアず幎近くも囜亀がありたせんでした。

こうしたコヌカサス地域の安定は日本にずっおも他人事ではありたせん。に察するロシアの圱響力がどのように倉化するのかしないのか、地域倧囜トルコがこの地域にどのようにかかわっおいくのか。囜際政治ずしお芋た時にどのようなこずを意味するのかは、日本人ずしおも泚芖するべき問題だず感じおいたす。


トルコ倧䜿通蚘念匏兞にお挚拶―2019幎


トルコ倧䜿通蚘念匏兞にお2018幎


トルコ倧䜿通蚘念匏兞にお倧䜿ず―2018幎


アれルバむゞャン副銖盞ずの意芋亀換―2015幎