治療薬とワクチン

オミクロン株の感染拡大がいよいよ深刻になってきました。重症化しにくいという傾向は明らかで、感染症法上の取り扱いも総理が発表したように、オミクロン株にマッチするような方向に転換していけるのか議論するべきタイミングが来ていますが、重症化する人がいないわけでは決してないので、少なくとも感染拡大防止に向けて一人ひとりが引き続き努力することは必要になるのだと思います。再び人流抑制や営業自粛などといった公衆衛生学的抑制政策を打たなくても済むようにしなければなりません。

その上で、第一には医療機関等の関係機関の負荷を抑制すべきは論を俟ちません。様々な方向が考えられますが、そのうちの一つである、治療薬やワクチン開発の現状について今日は触れておきたいと思います。

中和抗体カクテル療法と言う言葉が一世を風靡しましたが、現在ではどうなっているのか。またエボラ出血熱の治療薬として開発されていたレムデシビルはどうなったのか。寄生虫薬として開発されていたイベルメクチンはどうか。アビガンはどうなったのか。また、国産ワクチンはまだなのか。様々な問いかけを私も地元で受けます。テレビニュースの影響で、皆さんがとても詳しく、それだけ関心の高さを実感します。

私は専門家でもないので不用意なコメントは控え、政府がまとめた現在開発中の主な新型コロナウイルス治療薬とワクチンの一覧をもって紹介とします。

ワクチン開発状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00223.html

治療薬開発状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/covid-19tiryouyaku_vaccine.html

昨年末に注目されたファイザーのニルマトレルビルと塩野義製薬のS-217622は、経口剤であることと共に、第III相試験(臨床最終段階)に入っていること、特に前者は統計的優位差が示されていることが読み取れます。期待された中和抗体カクテル(カシリビマブ・イムデビマブ)は、オミクロン株の場合は推奨されないとあります。一方でソトロビマブという中和抗体剤は変異株にも効果を持つことが期待されるとあります。アビガンは海外試験で優位差が示されなかったとあります。その他、表をご参照ください。
ワクチンは、アンジェスが話題になりましたが、報道にあった通り、期待された効果が得られなかったとあります。一方で、塩野義製薬の組み換えワクチンや第一三共のmRNAは臨床試験に入っているとあります。その他、表をご参照ください。

全力で支えて行きたいと思います。

新しい資本主義について

年初のご挨拶で、新しい資本主義の事について触れました。私個人として思っているのは、新しい資本主義とは、民間出資による社会課題解決を後押しし、行政だけに頼らない社会課題解決の新しい資金循環を作り、富を生み出す環境を社会全体で作ることです。

別の言い方をしますと、「成長と分配の好循環」というのであれば、その分配とは何で、誰が何の目的で行うのかということを考えなければならないということです。仮に分配を国が国費で行うのだとすれば、確実に成長に資する社会課題解決のための政府投資であるべきで、単に国が国民に社会保障給付的にばら撒くことであってはなりません。

成長に資する分配であれば、国が国費を使って民間投資も促すものとすべきです(余談ですが私は比率は1対3だと思っています)。だとすると、分配とは社会課題解決に他ならず、誰がというのは国と民間という社会全体であって、その目的は成長。その結果として既存の概念の分配(社会保障)を厚くしていくということになるはずです。

1年間で社会保障給付が数千億も伸びていますが、歳出削減に注力するのは給付事務の合理化の文脈であれば理解しますが、もう限界に達しつつある。それを賄う富の創出を考えなければ、誰が考えても回らない。であれば、社会の好循環には今までとは違う歯車も考えなければならない。それが、冒頭に申し上げたものです。

具体的に言えばESG資金です。世界にはブラックロックという運用資産1000兆円を超える資産運用会社があり、ESG市場に注力していると言われます。何もこのブラックロックでなくてもいいのですが、とにかくこうしたESGや担い手と共に成長の足かせとなっている社会の課題に”分配”していく必要があります。既存の資本主義の概念の分配に直接注力する方向であってはならない。これをやれば単に社会主義国家になるだけです。

https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/about-us/our-commitment-to-social-impact

では社会課題とは何か。例えば、税財政の議論では、賃金が上がらない、国際競争力が低下している、円の力と購買力がなくなっている、経済産業やイノベーション政策の議論では、富を生み出す力が弱くなっている、または富が流出している、そうした産業構造上の課題がある、そもそも人を育てる教育システムに課題がある、農業政策の議論では、農業生産基盤が弱体化している、なので輸出して富を稼がないといけない、コロナ政策では、国産ワクチンを作る力が弱い、防災では国土強靭化が必要だ、など挙げればきりがないほど、社会課題は山積しています。

昭和の成長期には既存の古いタイプの分配で解決したでしょう。否、解決するだけの成長があった。今は成長がないのであれば、新しいタイプの解決を見出さないといけない。上に挙げたような課題を各分野でしっかりと議論して税金を費やし適切に解決していくことは重要です。しかしそれと同時に、社会と共に解決する大枠の仕組みも必要なのではないか。各分野で、民間との協調解決路線を具体的政策として提示する努力が必要なのだと思います。

約10年前、強烈に感じた日本経済の窒息状態は、安倍政権による大胆な経済政策で脱しつつあったのは確かです。しかしここにきて頓挫しています。コロナ禍により問題が複雑化し半ば諦めの気持ちでコロナのせいにできなくもないのですが、本質的な構造的課題は確実に残っています。安倍政権の政策が日本復活の第一段階だとすると、歴史的に見ても、今こそ第二段階の方策が必要で、新しい資本主義という打ち出しは、非常に重要だと考えています。

新年のご挨拶

寅年の新しい年を迎えました。謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中は皆様方には、一方ならぬご厚情を賜りましたこと、改めて心から感謝申し上げる次第です。今年の干支は寅。含意が豊富で引用に苦労することなく、安心して迎えられる年となりました。

しかし安心できるのは干支に因んだ引用くらいで、日本を覆う空気感は未だに晴れやかなものではありません。中国武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症による影響は甚大で、何よりも人々の心に大きな影響を与えました。虎口を脱すべく引き続き国がしっかりとした対策を講じていくべき状況が続いています。一方で、国際協調とは言え、補正予算も含め過去に類を見ない大規模な財政をコロナ対策に投じているため、特に若い世代からは将来負担の不安の声を耳にします。

現時点では財政は引き続き拡張すべきです。しかし、これも虎の子の税金で、同じ使うなら今までと異なる価値を生むものに誘導していくべきです。昨秋就任した岸田文雄総理は、成長と分配の好循環を生む新しい資本主義を訴えました。いわば、サステナブル資本主義を目指すものだと理解できます。

例えば温室効果ガス排出削減という社会課題解決を経営目標に積極的に掲げる企業が増えていますが、日本の企業はそもそも旧来より公益精神に富んだ三方良し経営の精神論型企業が比較的多い一方で、GAFAやテスラに代表される欧米新興巨大資本は急成長するESG投資を虎視眈々と取り込み資金調達する新自由主義の延長線上にあるものです。日本はまさに、竜虎相搏つが如く、日本型の公益精神論を、日本に馴染むような形で、社会課題解決と資本主義の資金循環メカニズムに再構造化するべきで、これが結果的に成長と分配の好循環を生み出すはずで、目指すべき新しい資本主義なのだと思います。

課題も残ります。国際秩序や経済安全保障です。岸田内閣で担当の内閣府副大臣を拝命いたしました。全力で任務を全うして参りたいと存じます。最後になりましたが、今後とも引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げつつ、皆様の益々のご隆盛とご活躍を心からご祈念申し上げます。

歯科検診について

(写真:2020年7月「厚生の指標」のデータを国民歯科問題議連事務局長山田宏先生がお纏めになったグラフ)

歯医者さんに行きました、という話ではありません。歯科検診に行けば行くほど健康寿命が延びるという話です。

以前から着目している課題ですし、政府も歯科検診の重要性を認識して、数年前から毎年の基本方針に掲げていますが、その認識が必ずしも社会全体に十分浸透しているとまでは言えないのが現状です。改めて本日、国民歯科問題議員連盟の総会に出席し認識を新たにしました。

昨年、「厚生の指標」という専門誌に健康寿命や平均寿命と、歯科通院割合の相関に関する研究結果が発表されました。それを前出の議連事務局次長をお務めの山田宏先生がお纏めになったものが冒頭の写真資料です。老人クラブや外出しているというだけよりも遥かに高い相関をもっています。

医療機関への通院割合と健康寿命が負の相関なのは、通院すると不健康になるということでは当然なくて不健康だから通院するためですが、歯科の場合、健康だから歯科に通院するということは凡そ不自然なので、やはりエビデンスとしては、歯科に通院すれば健康になるというのは確からしいと明確に言えるのだと思います。すなわち予防医療です。

日本の総医療費は44兆円。歯科は3兆円。社会保障制度のエコシステム(好循環)を考えたときに、歯科検診は欠かすことができない重要な要素なのだと認識しています。

もちろん歯科だけではありません。予防医療に資する政策は喫緊の課題であると認識しています。誰しも健康でありたいと思うわけですが、健康な人は健康になろうとするインセンティブ(動機)が低い。なぜならば健康な人は健康であることを意識しないからです。これが予防医療が進まない最大の要因です。

であれば、例えば体を動かす活動をすると何らかのクーポンがもらえるなど、健康維持のインセンティブを高める政策を積極的に実行すべきで、結果的に医療費は本当に必要とされる方に集中できるはずで、削減された財源の一部をインセンティブ政策費に回せば、医療エコシステムが回るはずだと思います。

歯科検診がそうした捉え方で積極的に進むことを願っています。

ロシアの衛星破壊実験

去る11月15日、ロシアがミサイルによる衛星破壊実験を行い、多数のスペースデブリが発生しました。ただでさえ無数のデブリを前に国際社会が対応に苦慮しているなかで、更に多くのデブリをしかも意図的に発生させることは、宇宙空間の持続的かつ安定的な利用という観点で、極めて深刻な懸念と言わざるを得ません。

特に現在は軌道上で国際宇宙ステーションが活動をしておりますが、そこに宇宙飛行士もいるわけで、大変な危険にさらしたことになります。実際、7人の宇宙飛行士たちには、衝突に備えて船内に退避するよう地上から指示がだされました。そもそも、今回の衛星破壊実験は、スペースデブリを軌道上に長期残留させる意図的な破壊を行ったという点で、ロシア自身も賛成した2007年採択の国連スペースデブリ低減ガイドラインに反するものです。ロシアには強く抗議したいと思いますし、あらゆる国に今後このような実験を行わないよう強く求めて参りたいと思います。

第49回衆議院総選挙

私にとりまして4回目の挑戦となった第49回衆議院総選挙。地元有権者の皆様から審判を頂き、過日、再度皆様の代表として国会で活動する場をお与えいただきました。

選挙期間中、お支え頂きました全ての皆さまに、心より厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。同志の県議会議員、市議会議員、町議会議員、党支部党員の皆さま、後援会の皆さま、遊説の皆さま、設営の皆さま、ご来賓の皆さま。そしてご声援を沿道から頂いた全ての皆さま。勇気と力を頂きました。

一方で、すべての皆様に信任を頂いた訳ではないことを肝に銘じなければなりません。様々な理由で投票を辞退した人もいらっしゃるかもしれません。意思を示すために白紙投票をした方もいらっしゃるかもしれません。

重要なことは、まだ我々政治家が、必ずしも信頼されていないということを、政治家自らがしっかりと認識し、そのことを有権者の皆様にお伝えし、信頼を得られるためにすべきことをしっかりと伝える事なのだと思います。私は、昭和的な透明性とか襟を正すとかだけでは信頼を頂けるとは思えませんので、信頼を頂ける仕組みを築く努力をしていきたいと思います。

その上で、まずやるべきことは、第一に、コロナで疲弊した経済社会をてこ入れしないといけないと思います。大胆な景気対策、業種経済対策が必要です。

第二には、今後のコロナ第6波の可能性も含め、感染症だけでなく、災害や事故や海外からの経済的外交圧力など、あらゆる事態に備えた危機管理を万全にしなければなりません。

第三に、日本の国力向上です。日本の強みを伸ばし、弱みを解消し、産業構造を世界の潮流であるSDGs経営型に変えることで、成長か無駄撲滅かという二元論でしか得られないとされてきた分配の在り方に、新しい資金循環の構造を創っていかねばなりません。

4期目。全力で挑んでいきます。今後ともご指導賜りますよう、よろしくお願いします。

核兵器禁止条約

今回は核兵器禁止条約について書いてみたいと思います。なお念のためですが、私は核兵器廃絶を目指しており、核兵器を持つなどと言うことは理論的にも感情的にも思想的にもすべきではないと思っていますし、議論すらも必要ないとも思っています。その上で、核兵器禁止条約に参加しない政府の方針とその理由に賛成しています。その理由を述べたいと思います。

かつて日本の国際的立ち位置は、経済一流、政治三流、などと言われた時代がありました。しかしこの10年の安倍政権の外交努力によって、日本の国際政治力は劇的に向上しました。すなわち、日本は現実の国際秩序形成をけん引すべき立場になっているということです。ただ、国際政治ベテラン組はまだ沢山いる。そういう状態で、日本は何をすべきなのかを現実的に考えなければなりません。

まず何が起こっているのかを解説します。大量破壊兵器は国際法上管理されていますが、ものによって手法がかなり違います。例えば化学兵器などは国際法上明確に違法とされていますが、核兵器は国際法上明確に違法とされたものはありません。ただ、核兵器の拡散を防止するための条約はあって、それがNPTという核拡散防止条約というものです。人類の知恵なのですが、中身は、核兵器保有国だけは核兵器をもってもよろしい、しかし非保有国はもってはならぬ、という条約です。一見不平等ですが、拡散防止には役に立っており、核兵器に関する基盤ルールとなっています。そしてこの条約は、保有国に削減義務を課しています。

問題は削減努力がちんたらしていること。そこで最近、一部の非保有国が結束して、核兵器そのものを違法化しようじゃないかという話になった。それが核兵器禁止条約です。至極真っ当な話であってこれで全ての国が納得して廃絶することができれば、とてもいい話です。しかし、核戦略論という現実対処のための理屈を打ち出している核保有国が大反対し、その結果、保有国と非保有国で大激論になり、溝は広がる一方になりました。今、この溝を埋めようとする国はほとんどおらず、冷え切った関係で二分しています。

日本政府がなぜ核兵器禁止条約に参加しないのか。まさにこの溝を埋める努力をするためです。すなわち、核保有国が参加していない条約に参加しても核兵器廃絶に向けた具体的な解決策を見いだせないからです。逆に素直に参加すれば目先は気持ちいい。参加しないと無用な詮索をされる。日本の核兵器廃絶に向けた意思も単純明快に示せる。選挙にも有利でしょう。しかし現実的な核兵器削減に向けた議論は、むしろ当たり前ですが保有国を巻き込んでいくほかありません。かつてエドワード・ギボンは、改革は内部から実行されるものであると言いました。溝を埋める役割を担う国が必要なのが現実の国際社会です。そしてそれが日本なのです。

核兵器は、核戦略論で言えば必要悪ですが、人道論としては私は絶対悪だと思っています。そして政府も核戦略論には直接触れていませんし唯一の被爆国の立場を訴えているので人道論としての絶対悪の考え方に近いのだと思います。ただ、現実問題として人道論は正義観なので保有国には通用しないのは事実です。それは核保有国は核抑止論を前面に出して必要性を訴えるからに他なりません。なにせ別の保有国がいるわけですから。

正義観の話をすると、例えば警官が所持する拳銃も治安維持の文脈では必要悪ですが、正義観では絶対悪なのでしょうか。人を殺傷するものが絶対悪だとするなら警官の拳銃も絶対悪です。大量殺戮が可能なものと考えればそうではない。しかし拳銃を乱射して100人が亡くなれば絶対悪になるのか。もしそうなら、人を殺傷するものは全て禁止されるべきとの結論も導き出される可能性もあります。正義観というのは、正義の裁定者が誰なのか、という話になります。(核戦略論などの現実対処は相対的均衡の話になります。)

かつて正戦論(正義観)が主流であった頃の中世ヨーロッパのように、ローマ皇帝という正義の裁定者がいる場合には、正義観の絶対座標が決まりますので、絶対悪の領域がはっきりする。しかし宗教改革以降、唯一無二の正義の裁定者がいなくなり、国際社会は無差別戦争観に突入して未曽有の大戦を経験。その反省から戦後に戦争禁止に至り、現実に対処するために必要性と均衡性を要件とする自衛権が認められた。云わば戦争禁止という正義観に基づいた前提を置きつつ、現実対処のための自衛権を認めたというバランスをとった形になります。

少なくとも現実論として自衛権を排除して正義観を振り回すことは不可能です。すなわち結論として言えば、NPTを諦めて核兵器禁止条約をとると世界は正義観と戦略論がぶつかり絶対に習合しない。NPTは戦略論がベースの条約で、核兵器禁止条約は正義観や人道がベースの条約です。本来、2つの価値軸のバランスのいいところを打ち出す条約が核兵器の場合は現実的なはずです。(否、保有国が納得すれば後者だけでもいい)。

我々は現実の人間世界に生きています。究極的には理想に死すか現実に生きるかの選択です。当然前者の方がかっこいい。一方で、マキャベリは愛されるよりも恐れられる方がよほど安全だと喝破しましたが、そう考える国があるのは脅かす国があるからです。そして相互に恐れられる方を選択するばかりだと決して両者は愛される存在にはならず、良い世界が築けません。

であれば、自らは決して恐れられる選択はせず、愛されることを求めてそのことを決して忘れず、今は脅かす人がいる限り恐れられる存在になりたいと思う人がいるのを理解しつつも関与して巻き込み、世界が愛される存在になりうる現実のプロセスを追い求めていくことがベストな選択だと思います。若泉敬ではありませんが、まさに他策ナカリシヲ信ジント欲ッスの心境です。

1945年のアメリカによる広島・長崎への原爆投下について、これまで多くのアメリカ人は戦争の早期終結に必要であったと理解していました。早期終結によって多くの日米将兵の命を救ったと理解していた。しかし最近多くの歴史学者が、皇室維持を条件にすれば日本が降伏する可能性が極めて高いことをトルーマンは十分知っており、必ずしも原爆を投下しなくても早期終結は実現できたはずだということ、一方で早期の原爆投下によってソ連の対日参戦を防ぐとともにその後のソ連の影響力を削ぐことがアメリカの当時の主要な課題であったこと、を指摘しています。そしてアメリカ人の意識も徐々に変わってきています。

昨年のNHKの調査によると7割のアメリカ人が核兵器は必要ないと考えているそうです(日本人は85%)。そして1945年のアメリカによる原爆投下については、41.6%が許されないと考え、31.3%の必要だったを上回っています。ここ10年で大きく変わっています。可能性を信じて実質的に核兵器のない世界を模索することが必要なのだと思います。

■核兵器禁止条約交渉第1回会議ハイレベル・セグメントにおける高見澤軍縮代表部大使によるステートメント(平成29年3月27日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000243025.pdf

4期目の挑戦ー衆院総選挙

ワクチン接種が始まった今春以降、前総理の総裁ご勇退、開かれた政治を求めた党風一新の会、総裁選と岸田政権の誕生、それにともなった副大臣就任。あわただしい政局の流れの一方で、コロナ経済対策、感染症拡大防止対策、国産ワクチン開発体制確立、そして経済安全保障と官民共創による地方創生、更には外交防衛と言った分野の政策に全力で取り組んでまいりました。

そして先日、衆議院が解散され、3期9年に亘る議員活動に一旦の終止符を打ち、これまでの活動を振り返りつつ、原点を見つめなおし、改めて公示の日を迎えた本日、4期目に向けて、国政を担う覚悟を新たに致しました。

振り返れば、初当選以来、政策一本やりで活動して参りました。この間、党や政権の運営について有権者の皆さまから様々なご意見を拝聴しました。その間の経験の結論は、どんな優れた政策でも、政治が国民意識から乖離し、信頼を失ったら、いかなる政策も実行はできないということです。依然として一部残る旧態依然とした党の運営を近代化し、理解してもらえる政治、できれば納得いただける運営を目指し、具体的には党ガバナンスコードの整備に貢献していきたいと思います。

ただ、政治は中身です。何をやるかという政策の目標、それをどうやるかという政策実行手段、更にはどうやり続けるのかという政策の継続性や政策効果が政治に課せられた課題です。コロナ感染拡大が始まった1年半前から続くコロナ対応で、目の当たりにした国家の脆弱性は私にとってかなりの衝撃でした。感染症以外の危機事態も含めて、何があっても安心安全な暮らしをお届けしたい。そのための万全の危機管理体制構築を是非やり遂げたい。過去1年に亘り党内で議論してきた政策目的を今こそ実装したい、そうした思いで今朝を迎えております。

更にはコロナ感染拡大防止策、すなわち人流抑制政策で、甚大な影響を受ける業種もあり、未だにその苦難は続いています。最大の課題は将来が見通せない事です。社会情勢分析を精緻化し、本当に必要とされる方に十分な支援をお届けしなければなりません。ワクチン接種証明やPCR検査陰性証明なども積極的に利活用し、今までとは異なる将来が見通せる経済政策を打ち出していかねばなりません。一方で、感染拡大防止自体については、人流抑制一本やりから脱却し、国の権限強化を通じて、医療提供体制やワクチン含む治療薬開発体制の整備を進めていかねばなりません。

地方では、米価が下落し農家の生活が脅かされています。魚価も低迷し漁師も苦難に直面しております。建築資材の一部は急騰しています。地方が直面する社会課題は複雑多様化しています。地方創生は、国が定めるような全国一律の政策では、地域によって異なる社会課題を解決することは困難です。また財政難にあえぐ地方自治体に全てを財政的に頼ることも現実的ではありません。まさに官民共創による、SDGs資金も積極活用した取り組みがなくてはなりません。

国政政治も不安定です。まずは外交力によって国際秩序を安定化する努力をするべきです。その上で、外交力を担保する抑止力と対処力をバランスよく向上させる取り組みは必須です。

まだまだ多くの課題が残されたこの日本。生まれ変わってもまた日本がいいと全員に思っていただける国にしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。

【善然庵閑話シリーズ】サイバーカスケード

毎度のことながら、総選挙を前にしてメディアからアンケート調査が山のようにくるのですが、今日はそれについて触れたいと思います。過去にも一度触れました。今回は少し深掘りします。

思想と言うものは、どの方向に向かおうとラディカルに先鋭化する力を内在しているものなので、本来はそれ自身が虚構であることを良く知ったうえで吸収すべきものなのだ、と、かつて司馬遼太郎は喝破しました。(司馬史観は間違いだとか指摘する人もいますが、私がファンになったのは、そういうことよりも、思想の本質的力を理解していた人だと思ったからに他なりません)。

なぜ先鋭化するかと言えば、普通は思想自体は小難しく伝搬しにくいものですが、思想がラディカルに行き過ぎると、分かりやすい結論だけが独り歩きしやすいからです。親鸞が天才だと言われたのは、南無阿弥陀仏を唱えるだけで極楽浄土に導かれると単純化したからです。最近で言えば、種苗法がありました。とある影響力のあるアーティストが、巷で反対意見があることを紹介したことをきっかけに、ネット上で反対論が渦巻き、野党も中身を知っていながらその反対運動に便乗、成立は見送られました。見当違いも甚だしいということは、その次の国会で大した野党の反対もなく簡単に成立していることから分かります。

特にネットの時代、短文投稿サイトや、選挙に向けた既存メディアによる政治家に問う二択アンケートなど、政治家が思っていることを、単純化し記号化して伝えるのは、忙しい現代人にとっては手っ取り早くて分かりやすいのだと思いますが、思想を伝えるどころか誤解を生み先鋭化し、そのエネルギーは大きなうねりとなることもある。

少し前にサイバーカスケードという言葉がプチブレークしましたが、総裁選でもその力を見せつけられました。サイバー空間で同種の結論を共有する者同士が強く結合することで、次第に先鋭化し過激化し、異なる意見を一切排除するようになることです。ネットに書き込んでいるご本人達は、殆ど意識はしていないのだそうですが、受け取った人間もしくは第三者として見た人間は、ある種の恐怖感を感じるようになります。

ただその傾向は昔からあった。社会学者の筒井清忠先生の「戦後日本のポピュリズム」などに詳しいのですが、戦前と一括りにして歴史教育を受けると戦前が全く見えなくなる。筒井先生は、当時の新聞や世論や議会がどのような雰囲気であったのかを緻密に調査されていますが、それを読むと戦前昭和と言っても完全に2つにわけることができる。そして現代が戦前前期と重なるところが非常に多いということに気づきます。

丸山真男も司馬遼太郎も表面的には二値化(半か長か)表現をして時流に乗ったのかもしれません。平たく言えば極論を言ってウケた。しかしそれはご当人たちが時流に乗ることを意図したものではなかったはずです。特にサイバーという極めて伝搬性の高い媒体を手にした我々現代人は、意図しない方向に強烈に先鋭化していく可能性を十分に意識しなければならないのだと思います。

例えば選択的夫婦別姓。もし内閣府の調査に私が応えたのだとするならば、一番近いのは下記の記事で言うところのソフト反対派です。つまり仕事上困ることがないように結婚前の苗字も使えるようにするのは構わないのではないか、ということです。でも、マスコミ選挙アンケートでは「反対」と「賛成」しかない。二値化された世界に無理やり当てはめれば先鋭化するのは当然の成り行きです。それは昭和前期の世界と本質的には何ら変わらないものです。

diamond.jp/articles/-/274832?page=2
survey.gov-online.go.jp/h29/h29-kazoku/gairyaku.pdf

政治と言う生身の人間のことを扱う世界で、二値化された結論だけをもって中身の議論を飛ばし対立だけにエネルギーが向かう傾向に大いなる疑問を持っています。二択アンケートは世相を先鋭化させることを企画者には認識してもらいたいと思っています。

経済安全保障等担当内閣府副大臣を拝命しました。

岸田内閣の発足に伴い、経済安全保障や防災等を担当する内閣府副大臣を拝命いたしました。小林鷹之大臣と二之湯智大臣を小寺政務官と共にお支えし、何があっても安心安全をお届けできる体制の構築に緊張感をもって取り組んでい参りたいと思います。

担務は、小林大臣の下では経済安全保障のほか、宇宙、科学イノベーション、健康医療など、そして二之湯大臣の下では防災、海洋政策、国土強靭化、領土問題などです。いずれも内閣府らしく、他省庁などと連携し政策を進めて参りたいと思います。

小林大臣所掌分野

経済安全保障は、着任以前から党新国際秩序創造戦略本部(岸田文雄本部長ー現総理及び甘利明座長ー現幹事長)において、小林鷹之事務局長(当時)(現大臣)の下、事務局次長として戦略策定に向けた議論を相当な時間をかけて行ってまいりました。小林大臣の熱意に大きく心を動かされたものです。極めて新しい概念の担務であり、困難は予想されますが、改めて政府の一員として引き続き小林大臣をお支えしつつ、国の安全安心を経済面から構築していく仕事にやりがいを感じています。

宇宙も、小林大臣とともに、着任前から取り組んでおりました。特に感慨深いのは、共に取り組んだ宇宙資源法の制定です。党宇宙海洋開発特別委員会(河村建夫委員長)で、私は同委員会の事務局長並びに宇宙法制化検討PT幹事長として、小林大臣は当時、この法制化PTの座長として、相当な熱意をもって法案成立に駆け回りました。これから、政府として施行を見届けますが、そのほか、現行の宇宙基本計画並びに工程表を確実に実行して参りたいと思います。

科学技術イノベーションは、初当選当初から党科学技術イノベーション戦略調査会で渡海紀三郎会長の下、日本の将来の富の源泉を確保すべく取り組んで参った分野です。ここでも、小林大臣とは日本学術会議等の在り方を含め、日本の国益に資する政策の議論を長らく行ってきたものです。

健康医療戦略については、昨年から蔓延する新型コロナウイルス感染症と対峙するために取り組んできたものに関連する分野です。国産ワクチンや治療薬などの開発製造について、あるべき国家体制を党社会保障制度調査会創薬力強化育成PT事務局長として取り組んで参りました。また医療提供やワクチン配布の合理的効果的なオペレーションの提言を、それぞれ党コロナ対策本部PT事務局長として取り組んでまりました。実は、この分野でも、小林大臣は党コロナ対策本部ガバナンス小委員会で感染症に対する万全の国家体制を確立するための議論を事務局長として進めて、大いに刺激を受けたものです。

二之湯大臣所掌分野

防災については、防衛大臣政務官在任中に得た現場での経験を最大限生かして、二之湯大臣をお支えして参りたいと思います。課題は、防災デジタル化と対処の迅速化や合理化を政策面で確立すること。それに加え、防災上の発災シナリオは経済安保戦略上のリスクシナリオの一部に入るはずであり、両者がシームレスに接続できるよう俯瞰的に取り組んで参りたいと思います。

国土強靭化については、防災という政策の概念が、近年多発する自然災害に対して、被災後にどのように国民の安心安全を担保するのかに着目したものであるとすれば、災害が発生しても被災しない、あるいは被害を最小限に食い止めるための主にハード面での政策だと理解できます。ただでさえ老朽化の進むインフラですので、前菅政権で有難いことに確立していただいた5か年計画の着実な実施に努めて参りたいと思います。

領土主権対策については、北方領土は北方対策本部と連携しつ、また竹島や尖閣についても、我が国の立場を内外に発信するなど啓発活動に注力して参りたいと思います。その他、海洋政策、有人国境離島、重要土地法、国際的マネーロンダリング防止のためのFATF勧告を踏まえた国内法整備、など、担務は広く全て重要課題でありますが、全てを一つ一つを深掘りすることは困難かとは思いますが、全力で取り組んで行きたいと思います。

最後になりましたが、こうした重要事項に取り組める機会をお与えいただきました地元の皆様に最大の感謝を申し上げたいと思います。